○国立大学法人東京工業大学エックス線障害防止管理規則

平成16年4月1日

規則第118号

(趣旨)

第1条 国立大学法人東京工業大学におけるエックス線(百万電子ボルト以上のエネルギーを有するものを除く。以下同じ。)を発生させる装置及びエックス線の発生を伴う装置(以下「エックス線装置」という。)の使用その他の取扱いによる放射線障害の防止について必要な事項は,労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)及び電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「省令」という。)に定めるもののほか,この規則の定めるところによる。

(エックス線障害の防止に関する事項の審議)

第2条 エックス線障害の防止に関する必要な事項は,キャンパスマネジメント本部会議において審議するものとする。

(エックス線作業主任者)

第3条 エックス線装置を有する部局等の長は,第7条第1項に規定する管理区域ごとに,エックス線作業主任者(以下「主任者」という。)を置くものとする。

2 前項の主任者は,当該施設を主に使用する職員であってエックス線作業主任者免許を有する者のうちから部局等の長の申し出に基づき,学長が指名するものとする。

(主任者の職務)

第4条 主任者は,次に掲げる職務を行う。

 別表1に定める標識を設けるよう措置すること。

 別表2に定める措置を講ずること。

 前2号に掲げるもののほか,職員の受ける線量ができるだけ少なくなるよう照射条件等を調整すること。

 自動警報装置等による周知の措置が適切に講じられているかどうか点検すること。

 第12条第2項に規定する放射線測定器が装着されているかどうか点検すること。

 エックス線装置の使用に当たって,あらかじめ第8条第1項に規定する場所に,必要のある職員以外の職員が立ち入っていないことを確認すること。

(エックス線装置又は放射線測定器の使用,取扱い及び保守)

第5条 エックス線装置の使用その他の取扱いに従事する職員(以下「エックス線業務従事者」という。)は,エックス線装置を使用する際には,自他の受ける線量を最少に止めるよう十分な注意を払わなければならない。

2 エックス線業務従事者は,第7条第1項に規定する管理区域に立ち入る際には,ガラスバッジ,ポケット線量計等の放射線測定器を装着しなければならない。

(エックス線業務従事者の登録)

第6条 部局等の長は,エックス線業務従事者の氏名をエックス線業務従事者名簿に登録するものとする。

(管理区域の設定)

第7条 部局等の長は,別表1(1)に掲げるところにより,管理区域を定め,当該区域を標識により明示するものとする。

2 部局等の長は,前項に規定する管理区域を設定したときは,学長に報告するものとする。

3 部局等の長は,必要のある職員以外の職員を管理区域に立ち入らせてはならない。

4 部局等の長は,管理区域内の見やすい場所にエックス線障害の防止に必要な事項を掲示するものとする。

(立入禁止)

第8条 部局等の長は,エックス線装置を随時移動させて使用する場合には,別表1(2)に掲げる場所に,必要のある職員以外の職員を立ち入らせてはならない。

2 部局等の長は,前項の規定により,職員の立入りを禁止している場所を標識により明示するものとする。

(エックス線業務従事者に対する教育及び訓練)

第9条 部局等の長は,エックス線業務従事者に対して,エックス線障害防止に関する教育及び訓練を行うものとする。

(健康診断)

第10条 部局等の長は,エックス線業務従事者に対し,電離放射線健康診断を受けさせなければならない。

2 前項の電離放射線健康診断は,省令第56条第1項各号に規定するものについて行うものとする。

3 前項の電離放射線健康診断は,初めて管理区域に立ち入る前及びその業務に従事した後6月を超えない期間ごとに1回行うものとする。

(エックス線障害を受けた職員又は受けたおそれのある職員に対する措置)

第11条 部局等の長は,電離放射線健康診断の結果,エックス線障害を受けた職員又は受けたおそれのある職員については,その障害,疑い又はおそれがなくなるまで管理区域への立入時間の短縮,作業方法の変更等健康の保持に必要な措置を講ずるものとする。

(線量の測定)

第12条 部局等の長は,業務上管理区域に立ち入る職員について,それらの職員がその職務に従事することにより受ける外部エックス線による線量を測定しなければならない。

2 前項に規定する線量の測定は,職員が管理区域に立ち入っている間継続して行い,職員がエックス線にさらされるおそれのある部位に装着したガラスバッジ,ポケット線量計等放射線測定器を用いて,1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については,1センチメートル線量当量。)について行うものとする。ただし,次項第3号に掲げる部位については,70マイクロメートル線量当量についてのみ行うものとする。

3 前項に規定する測定の部位は,次に掲げるところによる。ただし,放射線測定器を用いて測定することが著しく困難な場合は,計算によってこれらの値を算出することができる。

 胸部(女性(妊娠する可能性がないと診断された女性を除く。以下同じ。)にあっては,腹部)

 頭部・けい部,胸部・上腕部及び腹部・大たい部のうち,外部被ばくによる線量が最大となるおそれのある部位が胸部・上腕部以外(女性にあっては,腹部・大たい部以外)の部位であるときは,当該部位

 人体部位のうち,外部被ばくによる線量が最大となるおそれのある部位が頭部・けい部,胸部・上腕部及び腹部・大たい部以外の部位であるときは,当該部位(中性子線の場合を除く。)

(線量の限度)

第13条 部局等の長は,エックス線業務従事者に,別表3に定める限度を超えるエックス線を受けさせてはならない。

(管理区域のエックス線線量当量率の測定)

第14条 部局等の長は,管理区域を明示した後初めて管理区域内においてエックス線業務従事者にエックス線装置を使用させる際及び1月(使用の方法及び遮へい物の位置を一定にしてエックス線装置を固定し使用する場合にあっては6月)を超えない期間ごとに,管理区域内及び管理区域の外側の外部エックス線によるエックス線線量当量率(原則として1センチメートル線量当量率とする。)を測定しなければならない。

2 部局等の長は,第16条第1項に規定する事態が発生した場合には,当該区域の外部エックス線による1センチメートル線量当量率を測定しなければならない。

3 前2項の測定は,放射線測定器を用いて行うものとする。

(記録及び保管)

第15条 部局等の長は,次に掲げるものについて記録を作成し,第1号及び第2号に掲げるものについては,記録の作成後30年間,第3号及び第4号に掲げるものについては,記録の作成後5年間保存するものとする。

 第12条に規定する職員の線量の測定の結果並びにこれに基づき算定した実効線量及び等価線量

 緊急作業に従事した職員及び第17条の各号の一に該当する者で医師の診察又は処置を受けさせた職員の受けた実効線量及び等価線量

 エックス線業務に従事した職員の作業内容等

 前条第1項及び第2項の規定に基づく測定結果

2 前項第1号に規定する線量の測定の結果並びにこれに基づき算定した実効線量及び等価線量については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を初日とする3月ごと,1の年度(4月1日から翌年の3月31日までをいう。以下同じ。)ごと並びに妊娠中の女性及び1月に受ける実効線量が1.7ミリシーベルトを超えるおそれのある女性にあっては毎月1日を初日とする1月ごとに,その期間中における線量の測定の結果並びにこれに基づき算定した当該期間における実効線量及び等価線量をそれぞれ記録するものとする。

3 前項による実効線量の算定の結果,1の年度についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は,当該年度以降は,当該年度を含む別表3の1(1)に規定する5年ごとに区分した期間の累積実効線量を当該期間中毎年度集計し,その線量の記録を作成しなければならない。

(緊急時の措置)

第16条 エックス線業務従事者は,職員が著しくエックス線にさらされ,又はさらされるおそれのある不測の事態が生じた場合は,直ちに適切な措置を講ずるとともに,主任者又は責任者(研究室等を管理する教授又は准教授等をいう。以下同じ。)に通報しなければならない。

2 主任者又は責任者は,前項の通報を受けたときは,直ちに必要な措置をとり,部局等の長に報告するものとする。

3 部局等の長は,前項の報告を受けたときは,直ちに学長に報告するものとする。

(緊急時等の診察又は措置)

第17条 部局等の長は,次の各号のいずれかに該当する職員に対しては,直ちに医師の診察又は治療を受けさせなければならない。

 前条第1項に規定する場合において,著しくエックス線にさらされ,又はさらされたおそれのある職員

 別表3に定める実効線量の限度又は等価線量の限度を超えて被ばくした職員

(エックス線装置の届出)

第18条 部局等の長は,エックス線装置を設置し,変更し,又は廃止しようとするときは,当該エックス線装置に関する事項を事前に学長に届け出なければならない。

(エックス線装置等の定期検査)

第19条 部局等の長は,エックス線装置及び電子顕微鏡(定格加速電圧が100キロボルト未満の電子顕微鏡を除く。)について,定期検査を行わなければならない。

2 部局等の長は,前項の定期検査を行ったときは,その結果について記録を作成し,これを3年間保存しなければならない。

(職員以外の者の保健管理等)

第20条 部局等の長は,職員以外の者にエックス線装置を使用させる場合には,保健及び安全管理について,この規定に準じた措置を講ずるものとする。

この規則は,平成16年4月1日から施行する。

(平19.1.12規8)

この規則は,平成19年4月1日から施行する。

(平29.3.17規36)

この規則は,平成29年4月1日から施行する。

別表1(第4条第1号,第7条第1項及び第8条第1項関係)(標識)

指示者

使用の場所

標識内容

掲示の箇所

主任者

第4条1号

(1) 外部エックス線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域

定格出力を明示するもの

エックス線装置又はその付近の見やすい箇所

(2) エックス線装置を随時移動させて使用する場合,エックス線管の焦点から5メートル(撮影に使用する医療用エックス線装置については2メートル)以内の場所(外部エックス線による実効線量が1週間につき1ミリシーベルト以下の場所を除く。)

同上

同上

部局等の長

第7条第1項

第8条第2項

(1) 上記(1)に同じ

管理区域及び立入禁止の事項を明示するもの

管理区域又はエックス線装置を設置した部屋の入り口の箇所

(2) 上記(1)に同じ

目的の場所及び立入禁止の事項を明示するもの

目的の場所の付近の見やすい箇所

備考

標識内容については,原則として統一した表現により明示すること

別表2(第4条第2号関係)(エックス線装置(波高値による定格管電圧10キロボルト以上のもの)に対する防護措置)

事項

防護措置

照射筒

使用の目的が妨げられない限り照射筒を取り付けること。

この場合において,その照射筒は,照射筒壁を透過したエックス線の空気中の空気カーマ率を,エックス線管の焦点から1メートルの距離において,次の表に定める空気中の空気カーマ率以下にすることができるものであること。





エックス線装置

空気中の空気カーマ率


定格管電圧が200キロボルト未満の装置

2.6ミリグレイ毎時

定格管電圧が200キロボルト以上の装置

4.3ミリグレイ毎時


ろ過板

ろ過板を取り付けること。ただし,作業の性質上軟線を利用しなければならない場合又は職員が軟線を受けるおそれがない場合には,この限りではない。

備考


別表3(第13条,第15条第3項及び第17条第2号関係)(線量の限度)

1 実効線量の限度


(1) 平成13年4月1日以後5年ごとに区分した各期間

100ミリシーベルト

(2) 4月1日から翌年3月31日までの期間

50ミリシーベルト

(3) 4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を初日とする各3月間の女性(妊娠する可能性がないと診断された女性及び妊娠中の女性を除く。)

5ミリシーベルト

(4) 妊娠中の女性の内部被ばく

1ミリシーベルト

2 等価線量限度


(1) 眼の水晶体

150ミリシーベルト(1の年度)

(2) 皮膚

500ミリシーベルト( 〃 )

(3) 妊娠中の女性の腹部表面

2ミリシーベルト

3 緊急作業に従事する場合


(1) 実効線量

100ミリシーベルト

(2) 等価線量 眼の水晶体

300ミリシーベルト

皮膚

1シーベルト


(妊娠する可能性がある女性を除く。)

国立大学法人東京工業大学エックス線障害防止管理規則

平成16年4月1日 規則第118号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
[全学規則]/第6編 環境・安全
沿革情報
平成16年4月1日 規則第118号
平成19年1月12日 規則第8号
平成29年3月17日 規則第36号