○国立大学法人東京工業大学受託研究取扱規則

平成16年4月1日

規則第22号

(趣旨)

第1条 国立大学法人東京工業大学(以下「大学」という。)における受託研究の取扱いについては,別に定めがある場合を除くほかこの規則の定めるところによる。

(定義)

第2条 この規則における用語の定義は,次に掲げるところによる。

 「受託研究」とは,大学において民間等外部の機関(以下「委託者」という。)からの委託を受けて行う研究で,これに要する経費を委託者が負担するものをいう。

 「部局」とは,各学院,リベラルアーツ研究教育院,科学技術創成研究院,国際先駆研究機構(各先駆研究組織を除く。),各先駆研究組織,各共通教育組織及び各共通支援組織等をいう。

 「部局長」とは,前号の各部局の長をいう。

 「研究代表者」とは,大学で行われる受託研究を統括する教員(マネジメント教授及びマネジメント准教授(以下「マネジメント教授等」という。)を含む。以下同じ。)をいう。

 「直接経費」とは,謝金,旅費,研究支援者等の人件費,消耗品費及び設備費等の当該研究遂行に直接必要な経費をいう。

 「間接経費」とは,光熱水料,研究で使用する大学インフラの整備・維持経費,研究実施に伴い生じる管理事務経費及び大学の教員がインセンティブをもって受託研究に取り組むために必要な諸経費をいう。

 「戦略的産学連携経費」とは,受託研究に従事する専任教員の人件費相当額,産学連携に伴う経費で直接経費及び間接経費以外に受託研究を実施するうえで戦略的に必要となる経費をいう。

(受入れの基準)

第3条 受託研究は,大学の研究・教育(マネジメント教授等においては,大学運営の高度化のための業務をいう。以下同じ。)上有意義であり,かつ,本来の研究・教育に支障を生じるおそれがないと認められる場合に限り受入れるものとする。

(受入れの条件)

第4条 前条の規定により受託研究を受入れる場合は,次に掲げる条件を附するものとする。

 受託研究は,委託者の都合により一方的に中止することはできないこと。ただし,委託者から中止の申出があった場合には,委託者と協議の上,決定すること。

 受託研究の結果生じた知的所有権(範囲においては契約書で別途定める。)は,大学に属するものとし,これを無償で使用させ,又は譲与することはできないこと。ただし,大学及び委託者が受託研究契約において合意した場合,別の取扱いができるものとすること。

 受託研究に要する経費(以下「受託研究費」という。)により取得した設備等は,返還しないこと。ただし,大学及び委託者が受託研究契約において合意した場合,別の取扱いができるものとすること。

 受託研究の遂行上必要な場合には,委託者から,直接経費,間接経費等及び戦略的産学連携経費のほか,その所有に係る設備を受入れることができるものとする。この場合における設備の搬入,据付け,運用等の経費及び撤去等に要する経費は,委託者が負担するものとする。

 やむを得ない事由により受託研究を中止し,又はその期間を延長する場合においても,大学は,その責を負わないこと。この場合においては,委託者にその事由を書面により通知すること。

 委託者が国(国以外の団体等で国からの補助金等を受け,その再委託により研究を委託することが明確なものを含む。以下この条から第5条の2までにおいて同じ。)の場合においては,受託研究を完了し,又は中止し,若しくはその期間を変更した場合において受託研究費に不用が生じ,委託者から不用となった額の返還請求があった場合には返還すること。ただし,委託者からの申出による中止の場合には,原則として経費は返還しないこととし,大学が受託研究契約を履行できないことによる中止の場合は返還すること。

 委託者が国以外の場合においては,大学は,委託者が負担した経費は,返還しない。ただし,研究を担当する理事・副学長(以下「理事・副学長」という。)が特にやむを得ない事情があると認めた場合は,この限りでないこと。

 委託者は,受託研究費を所定の期日までに納付すること。

 受託研究の実施中に,当該受託研究費に不足を生じると認めるときは,委託者と協議し,その不足額を委託者に負担させることができること。

(受託研究費)

第5条 受託研究を受入れるに当たって委託者が負担する額は,直接経費及び間接経費等の合算額とする。ただし,次に掲げる場合は,直接経費とする。

 委託者が国で間接経費等が措置されていない場合

 次の各号のいずれかに該当する場合で,理事・副学長が真にやむを得ないと認める場合

 従前より直接経費のみを受入れていた研究課題で,継続して受入れる場合

 競争的資金による研究費のうち,当該研究費にかかる間接経費等が措置されていない場合

2 前項により委託者が負担する額を算定する場合,間接経費等は直接経費の30%に相当する額とし,委託者側の事情により30%に相当する額と異なる額となる場合には,委託者と理事・副学長が協議し合意した額とする。

(委託者が国以外の場合の受託研究費)

第5条の2 前条の規定にかかわらず,委託者が国以外の場合であり,かつ,理事・副学長と当該委託者が協議し合意した場合には,委託者が負担する額は,直接経費,間接経費等及び戦略的産学連携経費の合算額とすることができる。この場合における間接経費等及び戦略的産学連携経費の算定は,別に定めるところによる。

(受託研究の申込み)

第6条 受託研究の申込みをしようとする者は,所定の手続きにより,理事・副学長に受託研究を申し込むものとする。

(受託研究の受入れ)

第7条 理事・副学長は,前条の申込みがあった場合において,当該申込みについて審査の上,受入れを決定するものとする。

2 理事・副学長は,前条の申込みがあった場合,その概要を研究代表者の所属する部局長に通知するものとする。当該通知を受けた部局長は,当該受託研究を実施することにより部局の運営に支障を生ずると判断する場合,速やかにその旨を理事・副学長に通知するものとする。

3 前項に定めるもののほか,理事・副学長は,前条で申込みがあった受託研究をマネジメント教授等が実施する場合は,その実施の可否について,当該マネジメント教授等の所属する部局長及び当該マネジメント教授等を担当する理事・副学長(以下「担当理事・副学長等」という。)に協議を依頼することとする。依頼を受けた当該担当理事・副学長等は,速やかに協議の結果を理事・副学長に報告するものとする。

4 理事・副学長は,受入れを決定した場合には,その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(契約の締結)

第8条 理事・副学長は,委託者と受託研究契約書により契約を締結した場合には,その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(受託研究費の変更)

第9条 研究代表者は,納付された受託研究費に不足が生じたときは,理事・副学長に当該受託研究費の変更を申請するものとする。

2 理事・副学長は,前項の申請があった場合において,受託研究の遂行上変更の必要を認めるときは,これを承認し,変更契約を締結するものとする。また,その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(受託研究の中止又は期間の延長)

第10条 研究代表者は,受託研究を中止し,又は期間の延長をする必要が生じたときは,理事・副学長に当該受託研究の中止又は期間の延長の申請をするものとする。

2 理事・副学長は前項の申請があった場合において,当該受託研究の遂行上やむを得ないと認めるときは,これを中止又はその期間を延長することを承認し,契約を解除又は研究期間の延長契約を締結するものとする。また,その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(進行状況の報告等)

第11条 理事・副学長は,必要に応じて,研究代表者に受託研究の進行状況の報告を求めるものとする。

2 研究代表者は,研究期間中,必要に応じて報告会を開催する等,進行状況について報告を行うとともに,進行その他について委託者と協議するものとする。

(特許出願等)

第12条 学長は,受託研究に伴い発明が生じた場合には,帰属の決定,出願事務等を迅速かつ円滑に行うよう努めなければならない。委託者より特許出願(外国出願を含む。)の要望があった場合には,委託者と協議の上,決定するものとする。

2 学長は,発明の帰属の決定について,その迅速な処理に努めなければならない。

3 学長は,大学が承継した特許を受ける権利又はこれに基づき取得した特許権(以下「特許権等」という。)について,民間機関等への技術移転の促進を図るよう努めなければならない。

(特許権等の実施)

第13条 学長は,受託研究の結果生じた発明につき,特許権等を,委託者又は委託者の指定する者(以下「委託者等」という。)に限り,期間を定めて優先的に実施させることができるものとする。

2 前項の場合における優先的実施期間は,必要に応じて更新することができるものとする。この場合においては,特許権等の実施は,公共性・公平性を著しく損なわないこと等について考慮しなければならない。

3 学長は,第1項の規定により特許権等を優先的に実施させることとした委託者等が,当該優先的実施期間中,学長と委託者が協議して定めた期間を超えて正当な理由なく実施しないときは,委託者等以外の者に対し,委託者等の意見を聴取の上,当該特許権等の実施を許諾することができるものとする。

4 学長は,第1項又は前項の規定により当該特許権等の実施を許諾したときは,別に実施契約で定める実施料を徴収するものとする。

(実用新案権等の取扱い)

第14条 受託研究の結果生じた考案に係る実用新案権及び実用新案登録を受ける権利については,前2条の規定を準用する。

(特許権又は実用新案権の譲与)

第15条 学長は,第4条第1項第2号ただし書の規定により,大学に属する特許権又は実用新案権の一部を譲与することを決定したときは,別に定める譲与契約書により,これを行うものとする。

(秘密の保持)

第16条 理事・副学長及び委託者は,受託研究契約の締結に当たり,相手方より提供若しくは開示を受け,又は知り得た情報について,あらかじめ協議の上,非公開とすることを定めることができるものとする。

2 委託者から,契約締結自体を秘密にする旨の申出があった場合には,協議の上,非公開とすることができるものとする。

(完了報告等)

第17条 研究代表者は,受託研究が完了したときは,速やかに完了報告書を作成し,理事・副学長に報告するものとする。

(実績報告書)

第18条 研究代表者は,受託研究実施期間中に得られた研究成果について,実績報告書として取りまとめ,理事・副学長に提出するものとする。

(研究成果の公表)

第19条 受託研究による研究成果は,原則として公表するものとする。

2 理事・副学長は,研究成果の公表の時期及び方法について,必要な場合には,特許権等の取得の妨げにならない範囲において,委託者との間で受託研究契約書等において適切に定めるものとする。

(国等の受託事業への準用)

第20条 第2条第1号に規定する受託研究に該当するもののほか,大学において,国,地方公共団体その他の公的機関(以下「国等」という。)からの委託を受けて行う事業で,これに要する経費を国等が負担するもの(国等以外の団体等で国等からの補助金等を受け,その再委託により事業を委託することが明確なものを含む。)の取扱いについては,この規則の規定を準用する。

1 この規則は,平成16年4月1日から施行する。

2 この規則施行の際,現に有効な契約により実施されている受託研究についてはなお従前の例による。

(平17.3.31規18)

この規則は,平成17年4月1日から施行する。

(平22.4.2規49)

この規則は,平成22年4月2日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学受託研究取扱規則の規定は,平成22年4月1日から適用する。

(平23.10.24規69)

この規則は,平成23年10月24日から施行する。

(平28.2.5規22)

この規則は,平成28年4月1日から施行する。

(令元.7.1規14)

この規則は,令和元年7月1日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学受託研究取扱規則の規定は,令和元年5月1日から適用する。

(令3.10.1規100)

この規則は,令和3年10月1日から施行する。

(令3.12.3規109)

この規則は,令和3年12月3日から施行する。

(令4.3.18規34)

この規則は,令和4年4月1日から施行する。

国立大学法人東京工業大学受託研究取扱規則

平成16年4月1日 規則第22号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
[全学規則]/第7編 研究協力
沿革情報
平成16年4月1日 規則第22号
平成17年3月31日 規則第18号
平成22年4月2日 規則第49号
平成23年10月24日 規則第69号
平成28年2月5日 規則第22号
令和元年7月1日 規則第14号
令和3年10月1日 規則第100号
令和3年12月3日 規則第109号
令和4年3月18日 規則第34号