○国立大学法人東京工業大学遺伝子組換え実験等安全管理規則
平成16年9月3日
規則第172号
(目的)
第1条 この規則は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下「法」という。)及びその他関連省令等に基づき,国立大学法人東京工業大学(以下「大学」という。)における研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等に関し必要な事項を定め,もって遺伝子組換え実験及び細胞融合実験(以下「遺伝子組換え実験等」という。)の安全かつ適正な実施を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規則における用語の定義は,次の各号に定めるところによる。
一 第二種使用等 施設・設備その他の構造物の外の大気,水又は土壌中への遺伝子組換え生物等の拡散を防止する意図をもって行う使用等であって,そのことを明示する措置,その他省令等で定める措置を執って行うものをいう。
二 遺伝子組換え実験 研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち,法第2条第2項第1号に掲げる技術の利用により得られた核酸又はその複製物(以下「組換え核酸」という。)を有する遺伝子組換え生物等に係るもの(実験の過程において行われる保管及び運搬以外の保管及び運搬を除く。)をいう。
三 細胞融合実験 研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち,法第2条第2項第2号に掲げる技術の利用により得られた組換え核酸を有する遺伝子組換え生物等に係るもの(実験の過程において行われる保管及び運搬以外の保管及び運搬を除く。)をいう。
2 前項に規定するもののほか,この規則において使用する各用語の意義は,研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年文部科学省・環境省令第1号。以下「二種省令」という。)に定めるところによる。
(実験分類)
第3条 実験分類の名称は,クラス1からクラス4までとし,二種省令第3条に定めるとおりとする。
(遺伝子組換え実験に係る拡散防止措置の区分及び内容)
第4条 遺伝子組換え実験に係る拡散防止措置の区分及び内容は,二種省令第4条に定めるとおりとする。
(遺伝子組換え実験に当たって執るべき拡散防止措置)
第5条 遺伝子組換え実験に当たって執るべき拡散防止措置は,実験の種類に応じ,二種省令第5条に定めるとおりとする。
(総括者等の責務)
第6条 学長は,大学における第二種使用等に当たって,実験の安全確保及び拡散防止措置等に関して総括する。
2 研究を担当する理事・副学長(以下「研究担当理事・副学長」という。)は,前項に規定する学長の職務を補佐する。
3 遺伝子組換え実験等を実施する部局の長(以下「部局長」という。)は,二種省令及びこの規則の定めるところにより,当該部局における実験の安全確保及び拡散防止措置等に関し必要な措置を講じなければならない。
(安全委員会)
第7条 大学に,遺伝子組換え実験等に係る安全の確保及び拡散防止措置に関し必要な事項を調査審議するため,遺伝子組換え実験等安全委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(任務)
第8条 委員会は,学長の諮問に応じて,次の各号に掲げる事項について調査・審議し,及びこれらの事項に関して学長に対し,助言又は勧告を行う。
一 遺伝子組換え実験等の実験に関する規則等の立案に関する事項
二 遺伝子組換え実験等の実験計画の二種省令及びこの規則に対する適合性の審査に関する事項
三 施設等(実験室,実験区域,飼育室,栽培室,特定飼育区画,特定網室等の遺伝子組換え生物等を使用し,又は保管する場所をいう。以下同じ。)の設置及び変更の審査に関する事項
四 遺伝子組換え実験等に係る教育訓練及び健康管理に関する事項
五 事故発生の際の必要な措置及び改善に関する事項
六 その他遺伝子組換え実験等の安全確保に関する事項
(組織)
第9条 委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。
一 研究担当理事・副学長
二 バイオサイエンス統合支援センター長
三 バイオサイエンス統合支援センターに所属する高度専門職員のうちから,センター長が指名する者 1人
四 第14条に規定する各遺伝子組換え実験等安全主任者
五 キャンパスマネジメント本部総合安全管理部門の部門員のうちからキャンパスマネジメント本部長が推薦する者 1人
六 前各号に掲げる者のほか,学長が必要と認めた者 若干人
(委員会の運営)
第10条 委員会に,委員長及び副委員長を置く。
2 委員長は,委員の互選によって決定し,副委員長は,委員のうちから委員長が指名する。
3 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。
4 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるときは,その職務を代行する。
5 委員長は,必要に応じ,委員会の審議結果を学長に報告するものとする。
6 この規則に定めるもののほか,委員会の運営に関して必要な事項は,委員会において定める。
(意見の聴取)
第11条 委員会は,必要があると認めた場合は,委員以外の者の出席を求め,その意見を聴くことができる。
3 専門委員会の運営等に関する事項は,委員会が別に定める。
(庶務)
第13条 委員会の庶務は,研究推進部研究企画課において処理する。
(安全主任者)
第14条 遺伝子組換え実験等を実施する部局ごとに,遺伝子組換え実験等安全主任者(以下「安全主任者」という。)を置かなければならない。
2 安全主任者は,当該部局長の申出に基づき,学長が命ずる。
3 安全主任者は,当該部局における遺伝子組換え実験等に係る安全の確保に関して,部局長を補佐するとともに,次に掲げる職務を行うものとする。
一 遺伝子組換え実験等が,二種省令及びこの規則に基づいて適正に遂行されていることを確認すること。
二 第16条に規定する実験管理者に対し,指導及び助言を行うこと。
三 その他実験の安全確保に関する必要な事項の処理に当たること。
(施設等管理者)
第15条 遺伝子組換え実験等を実施する施設等ごとに,施設等管理者を置かなければならない。
2 施設等管理者は,遺伝子組換え生物等の使用等に関する法律等を理解し,二種省令及びこの規則を熟知するとともに,安全確保及び拡散防止措置に関する知識及び技術を有する教員とする。
3 施設等管理者は,遺伝子組換え実験の実施に際し,次に掲げる職務を行うものとする。
一 第5条に定める拡散防止措置の基準に従って,実験施設が生物災害の防止にとって常に良好な状態にあるように管理・保全すること。
二 施設等の設置又は変更の申請及び廃止の届出を学長にすること。
三 その他実験の安全確保及び拡散防止措置等に関して必要な事項を実施すること。
(実験管理者)
第16条 遺伝子組換え実験等を実施する場合は,実験計画ごとに実験管理者を定めなければならない。
2 実験管理者は,実験従事者のうち遺伝子組換え生物等の使用等に関する法律等を理解し,二種省令及びこの規則を熟知するとともに,安全確保及び拡散防止措置に関する知識及び技術を有する教員とする。
3 実験管理者は,遺伝子組換え実験等の実施に伴い,次に掲げる職務を行うものとする。
一 実験計画の立案及び実施に際しては,二種省令及びこの規則を遵守し,安全主任者との緊密な連絡の下に,実験全体の適正な管理・監督に当たること。
三 実験計画を立案し,学長にその計画を申請をすること。
四 実験の安全確保及び拡散防止措置の考え方に影響を及ぼす知見が得られた場合又は実験中若しくは輸送中の事故等があった場合は,直ちにその旨を部局長,委員会,安全主任者及び施設等管理者に報告すること。
五 その他実験の安全確保及び拡散防止措置等に関して必要な事項を実施すること。
(実験従事者)
第17条 実験従事者は,実験管理者が立案する実験計画に基づき,実験を実施するものとする。
2 実験従事者は,実験を実施するに当たっては,安全確保について十分自覚し,必要な配慮を行うとともに,あらかじめ,標準的な実験方法並びに実験に特有な操作方法及び関連する実験方法に精通し,習熟していなければならない。また,二種省令及びこの規則を遵守し,拡散防止措置等に努めなければならない。
(実験計画の申請手続)
第18条 遺伝子組換え実験等を実施しようとする場合,実験管理者は,その実験計画について,二種省令に定めるところにより,別に定める申請書等を学長に提出し,許可を受けなければならない。許可を受けた実験計画を変更しようとする場合も同様とする。
2 前項に定める実験計画のうち,文部科学大臣の確認を必要とする実験(大臣確認実験)を実施しようとする場合,実験管理者は,その実験計画について,二種省令に定めるところにより,別に定める申請書等を学長に提出しなければならない。確認を受けた実験計画を変更しようとする場合も同様とする。
3 第1項で許可を受けた遺伝子組換え実験等の実験期間内に,実験従事者に変更が生じる場合は,実験管理者は,その変更について事前に学長に届け出なければならない。
(実験計画の審査)
第19条 学長は,前条第1項の規定による申請書等の提出があったときは,委員会の審査を経て,遺伝子組換え実験等の実験計画の許可又は不許可その他遺伝子組換え実験等に関し必要な事項の決定を行い,速やかにその旨を当該実験管理者に通知するものとする。
3 前2項の委員会の審査は,二種省令に定める基準に基づいて行うものとする。
(実験の終了又は中止の報告)
第20条 実験管理者は,実験を終了し,又は中止した場合には,その旨を別に定める様式により,申請書の写しを添えて学長に報告しなければならない。
(施設等の設置)
第21条 施設等管理者は,施設等を設置又は変更しようとする場合,施設等を管理する部局の長を通して別に定める申請書等を学長に提出し,その許可を受けなければならない。
2 学長は,前項の規定による申請書等の提出があったときは,委員会の審査を経て,遺伝子組換え実験等の実験計画の許可又は不許可その他遺伝子組換え実験等に関し必要な事項の決定を行い,速やかにその旨を当該施設等管理者に通知するものとする。
3 前2項の委員会の審査は,二種省令に定める基準に基づいて行うものとする。
(施設等の廃止)
第22条 施設等管理者は,施設等を廃止しようとする場合には,当該部局の部局長を通して,その旨を別に定める様式により,申請書の写しを添えて学長に提出しなければならない。
(施設・設備の管理及び保全)
第23条 実験管理者は,実験に係る施設・設備の管理及び保全を行い,第5条に定める拡散防止措置等の基準に適合するよう努めなければならない。
2 実験管理者は,当該実験施設の入口に実験レベルに応じた入室制限等の表示等の措置を講じなければならない。
(遺伝子組換え生物等の保管時において執るべき拡散防止措置)
第24条 実験従事者は,遺伝子組換え生物等の保管に当たっては,次の各号に定めるところによらなければならない。
一 遺伝子組換え生物等が漏出,逃亡その他拡散しない構造の容器に入れ,かつ当該容器の外側の見えやすい箇所に,遺伝子組換え生物等である旨を表示し,所定の場所に保管すること。
二 前号の容器の保管場所が冷蔵庫等の設備である場合には,当該設備の見やすい箇所に遺伝子組換え生物等を保管している旨を表示すること。
(遺伝子組換え生物等の運搬時において執るべき拡散防止措置)
第25条 実験従事者は,遺伝子組換え生物等の運搬に当たっては,次の各号に定めるところによらなければならない。
一 遺伝子組換え生物等が漏出,逃亡その他拡散しない構造の容器に入れること。
三 最も外側の容器の見やすい箇所に,取扱いに注意を要する旨を表示すること。
(教育訓練等)
第26条 実験管理者は,実験従事者に対し,実験の開始前に,学長が委員会を通じて実施する次に掲げる事項に関する所定の教育訓練(以下「教育訓練」という。)を受けさせなければならない。
一 危険度に応じた遺伝子組換え生物等の安全取扱い技術に関する事項
二 拡散防止措置に係る知識及び技術に関する事項
三 実施しようとする実験の危険度に係る知識に関する事項
四 事故発生の場合の措置に係る知識に関する事項
五 その他実施しようとする遺伝子組換え実験等の安全の確保に関し必要な知識及び技術に関する事項
2 前項の規定にかかわらず,実験管理者は,大学の学生が,大学の授業科目で実験従事者として遺伝子組換え実験等を実施する場合,当該実験の開始前に,教育訓練と同等の教育内容であることを委員会が認めた教育を当該学生に対して行うことで,当該授業科目に限り,教育訓練を受けさせたとみなすことができる。
(健康管理)
第27条 部局長は,実験従事者の健康管理に係る次に掲げる措置を執らなければならない。
一 実験従事者が人に対する病原性を有する遺伝子組換え生物等を用いる場合は,その実験開始前に感染の予防治療の方策についてあらかじめ検討し,必要に応じ抗生物質,ワクチン及び血清等を準備することとし,実験開始後6月を超えない期間ごとに1回特別定期健康診断を行うこと。
二 実験室内感染のおそれがある場合は,直ちに健康診断を行い,適切な措置を講ずること。
三 健康診断の結果を記録し,保存すること。
一 遺伝子組換え生物等を誤って飲み込んだとき,又は吸い込んだとき。
二 遺伝子組換え生物等により,皮膚が汚染され除去できないとき,又は感染を起こすおそれがあるとき。
三 遺伝子組換え生物等により実験室及び実験区域が著しく汚染された場合に,その場に居合わせたとき。
2 実験従事者は,絶えず自己の健康に注意するとともに,健康に変調を来たした場合又は重傷若しくは長期にわたる病気にかかったときは,実験管理者に報告しなければならない。この事実を知り得た者も,これと同様とする。
(緊急事態発生時の措置)
第29条 実験管理者は,実験施設が地震・火災等の災害により,実験試料による汚染が発生し,又は発生するおそれのあるときは,直ちに必要な応急措置を講ずるとともに,所属する部局長,安全主任者及び施設等管理者に通報しなければならない。
2 前項の通報を受けた部局長及び安全主任者は,直ちに必要な措置を講ずるとともに,当該部局長は緊急事態発生の現状等を学長に報告しなければならない。
(記録及び保存)
第30条 実験管理者は,遺伝子組換え実験等及び遺伝子組換え生物等の使用等の態様,委員会等における検討結果,遺伝子組換え生物等の譲渡若しくは提供又は委託(以下「譲渡等」という。)に際して提供し,又は提供を受けた情報等を記録し,保管しなければならない。
一 遺伝子組換え生物等を委託して運搬させる場合
二 譲渡者等の遺伝子組換え生物等の第二種使用等が,虚偽の情報の提供を受けていたために,第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置を執らずにされている場合
三 特定遺伝子組換え生物等を譲渡等する場合
2 前項の規定に関わらず,同一の情報を提供すべき遺伝子組換え生物等の譲受者等に対し,2回以上にわたって当該遺伝子組換え生物等の譲渡等をする場合において,当該譲受者等が承知しているときは,最初の譲渡等に際してのみ情報の提供を行うものとする。
3 適正使用情報等の内容は,次の各号に掲げるとおりとする。
一 遺伝子組換え生物等の第二種使用等をしている旨
二 宿主等の名称及び組換え核酸の名称(名称がない又は不明である場合はその旨)
三 大学の名称並びに実験管理者等の氏名及び連絡先
四 その他必要な事項
4 情報提供の方法は,次に掲げる各号のいずれかによるものとする。
一 文書の交付
二 遺伝子組換え生物等又はその包装若しくは容器等への表示
三 ファクシミリ装置を利用する送信
四 電子メール
5 遺伝子組換え生物等の譲渡等に際して情報を提供し,又は提供を受けた者は,実験管理者を通して,当該情報等を学長に提出しなければならない。
(輸出に関する措置)
第32条 遺伝子組換え生物等の輸出に関する措置については,法第27条から第29条まで及び遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則(平成15年財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省令第1号。以下「施行規則」という。)第35条から第38条までによるものとする。
(雑則)
第33条 この規則に定めるもののほか,実験の安全確保に関し必要な事項は委員会の議を経て,学長が別に定める。
附則
1 この規則は,平成16年9月3日から施行する。
2 この規則施行の際,国立大学法人東京工業大学組換えDNA実験安全管理規則(平成16年規則第135号)に基づき手続を経ている遺伝子組換え実験等については,委員会が新たに手続き等が必要と判断したものを除き,この規則に基づく手続き等は要しない。
4 国立大学法人東京工業大学組換えDNA実験安全管理規則及び国立大学法人東京工業大学組換えDNA実験安全委員会規則(平成16年規則第136号)は,廃止する。
附則(平18.1.13規3)
この規則は,平成18年1月13日から施行する。
附則(平19.1.12規8)
この規則は,平成19年4月1日から施行する。
附則(平20.7.18規64)
この規則は,平成20年7月18日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学遺伝子組換え実験等安全管理規則の規定は,平成20年7月1日から適用する。
附則(平22.7.1規74)
この規則は,平成22年7月1日から施行する。
附則(平23.10.24規69)
この規則は,平成23年10月24日から施行する。
附則(平25.12.5規102)
この規則は,平成25年12月5日から施行する。
附則(平28.3.4規58)
この規則は,平成28年4月1日から施行する。
附則(平29.3.17規36)
この規則は,平成29年4月1日から施行する。
附則(平30.11.1規109)
この規則は,平成30年11月1日から施行する。
附則(令3.3.19規33)抄
1 この規則は,令和3年4月1日から施行する。
附則(令3.4.2規43)
この規則は,令和3年4月2日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学遺伝子組換え実験等安全管理規則の規定は,令和3年4月1日から適用する。
附則(令4.3.18規50)
1 この規則は,令和4年4月1日から施行する。
2 この規則施行の際,改正後の国立大学法人東京工業大学遺伝子組換え実験等安全管理規則(以下「改正規則」という。)第9条第1項第3号及び第5号に定める委員として,最初に任期の定めのある委員となる者の任期は,改正規則第9条第2項の規定にかかわらず,半数の委員については,令和5年3月31日までとする。
附則(令5.3.17規38)
この規則は,令和5年4月1日から施行する。