○国立大学法人東京工業大学安全保障輸出管理規則
平成22年4月2日
規則第50号
(目的)
第1条 この規則は,国立大学法人東京工業大学(以下「本学」という。)の安全保障輸出管理(以下「輸出管理」という。)の基本方針を定め,適切な管理体制を構築整備することにより,輸出管理の確実な実施を図り,もって国際的な平和及び安全の維持の観点から我が国の教育研究機関として国際的責任を果たすことを目的とする。
(適用範囲)
第2条 この規則は,本学が行う貨物の輸出及び技術の提供に関する業務に適用する。
(定義)
第3条 この規則における用語の意義は,次の各号に定めるところによる。
一 「外為法等」とは,外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下「法」という。)及びこれに基づく輸出管理関連の政令,省令,通達等をいう。
二 「居住者」とは,外国為替法令の解釈及び運用について(昭和55年11月29日付蔵国第4672号)6―1―5,6(居住性の判定基準)に従い,居住者として取り扱うこととされる自然人及び法人をいう。
三 「非居住者」とは,居住者以外の自然人及び法人をいう。
四 「特定類型該当者」とは,外国為替及び外国貿易法第25条第1項及び外国為替令第17条第2項の規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について(平成4年12月21日付4貿局第492号)1(3)サ①から③までに掲げる者(自然人である居住者に限る。)をいう。
五 「貨物の輸出」とは,外国に向けて貨物を送付すること(自ら手荷物として海外に持ち出す場合を含む。)又は外国に送付されることが明らかな貨物を国内で送付することをいう。
六 「技術の提供」とは,外国における技術の提供若しくは外国に向けて行う技術の提供又は非居住者若しくは特定類型該当者への技術の提供又は非居住者若しくは特定類型該当者へ再提供することが明らかな居住者への技術の提供をいう。
七 「取引」とは,貨物の輸出又は技術の提供をいう。
八 「リスト規制貨物」とは,輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号。以下「輸出令」という。)別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物をいう。
九 「リスト規制技術」とは,外国為替令(昭和55年政令第260号。以下「外為令」という。)別表の1から15までの項の中欄に掲げる技術をいう。
十 「キャッチオール規制貨物等」とは,輸出令別表第1の16の中欄に掲げる貨物及び外為令別表の16の項の中欄に掲げる技術をいう。
十一 「大量破壊兵器等」とは,核兵器,軍用の化学製剤若しくは細菌製剤(以下「化学製剤等」という。),化学製剤等の散布のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機をいう。
十二 「大量破壊兵器等の開発等」とは,大量破壊兵器等の開発,製造,使用又は貯蔵をいう。
十三 「通常兵器」とは,大量破壊兵器等以外の輸出令別表第1の1の項の中欄に掲げる貨物をいう。
十四 「通常兵器の開発等」とは,通常兵器の開発,製造又は使用をいう。
十五 「該非判定」とは,輸出しようとする貨物がリスト規制貨物に,又は提供しようとする技術がリスト規制技術に該当するか否かを判定することをいう。
十六 「取引審査」とは,貨物の輸出又は技術の提供が外為法等に適合し,該非判定の内容のほか,用途及び需要者等(技術を提供しようとする相手方若しくは利用する者,貨物の輸入者若しくは需要者又はこれらの代理人をいう。以下同じ。)を確認し,本学として当該取引を行うかを判断することをいう。
十七 「本学の役職員等」とは,本学の役員,教員,職員,研究員その他本学において業務に従事するすべての者をいう。
十八 「輸出役職員」とは,貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする本学の役職員等をいう。
2 前項に定めるもののほか,この規則における用語の意義は,外為法等に定めるところによる。
(基本方針)
第4条 本学の輸出管理の基本方針は,次の各号に定めるところによる。
一 国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれがあると判断される貨物の輸出又は技術の提供は,行わない。
二 外為法等を遵守し,経済産業大臣の許可を得なければならない場合は,責任を持って当該許可を取得する。
三 輸出管理を確実に実施するため,輸出管理の責任者を定め,輸出管理体制を適切に整備し,充実を図る。
(輸出管理統括責任者)
第5条 輸出管理に係る業務を適正かつ円滑に実施するため,輸出管理統括責任者(以下「統括責任者」という。)を置き,学長をもって充てる。
2 統括責任者は,次の各号に掲げる業務を行う。
一 輸出管理の基本方針及び基本施策の決定並びに周知に関すること。
二 この規則の制定及び改廃に関すること。
三 経済産業大臣への輸出管理に係る許可申請に関すること。
四 その他本学の輸出管理の重要事項の決定に関すること。
(輸出管理責任者及び管理体制)
第6条 企画本部は,統括責任者の下,次の各号に掲げる業務を行う。
一 この規則の制定及び改廃の立案に関すること。
二 この規則に基づく運用並びに手続等の策定及び改廃に関すること。
三 特定類型該当者の把握に関すること。
四 該非判定及び取引審査並びにこれらの記録の保存に関すること。
五 輸出管理に係る業務の個別事案の検証に関すること。
六 輸出管理に係る業務の監査に関すること。
七 輸出管理に係る法令遵守の教育に関すること。
八 本学の関係部局等の長に対する輸出管理に係る業務の報告等の要求,調査の実施及び改善措置等の命令に関すること。
九 経済産業省への輸出管理に係る相談に関すること。
十 輸出管理に関する政策動向の調査・分析に関すること。
2 全学的な輸出管理に係る業務を総括するため,輸出管理責任者を置き,企画本部長をもって充てる。
3 企画本部国際企画室は,輸出管理責任者の指示の下,第1項に掲げる業務を行う。
4 企画・国際部国際連携課は,関係部課の協力を得て,第1項各号に掲げる業務に係る事務を執り行う。
5 国際連携推進アドバイザーは,輸出管理責任者の指示の下,輸出管理に係る業務を企画・国際部国際連携課と協力して行う。
(調査委員会)
第6条の2 統括責任者は,本学における輸出管理体制に侵害を与える重大事案が発生した場合,統括責任者の下,当該事案の調査を行うため安全保障輸出管理調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置する。
2 調査委員会は,統括責任者が指名した者をもって構成する。
3 調査委員会に委員長を置き,統括責任者が指名する者をもって充てる。
4 調査委員会は,必要があると認めた場合は,構成員以外の者の出席を求め,その意見を聞くことができる。
5 委員長は,調査委員会の調査した内容を統括責任者へ報告しなければならない。
(該非判定)
第7条 輸出役職員は,貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする場合は,次の方法により該非判定を行う。
一 学内で設計し,若しくは開発した貨物の輸出又は技術の提供を行う場合は,該非判定書に基づき,該非判定を行う。
二 学外から調達した貨物の輸出又は技術の提供を行う場合は,貨物又は技術の調達先から入手した該非判定に関する書類に基づき,該非判定を行う。ただし,輸出管理責任者が認める場合は,貨物又は技術の調達先から該非判定に関する書類を入手しなくても該非判定を行うことができる。
2 輸出役職員は,前項の該非判定の結果,リスト規制貨物若しくはリスト規制技術に該当する場合又はそれらに該当するか否かが不明である場合は,別に定める該非判定書及び該非判定の確認に必要な書類を輸出管理責任者に提出する。
3 輸出管理責任者は,前項の該非判定書及び該非判定の確認に必要な書類の提出があった場合には,該非判定を行う。
(用途確認)
第8条 輸出役職員は,貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする場合は,輸出しようとする貨物又は提供しようとする技術の用途が次の各号に該当するか否かを確認しなければならない。なお,需要者等以外から間接的に得ている情報については,当該情報の信頼性を高めるため確認を行う。
一 リスト規制貨物又はリスト規制技術については,大量破壊兵器等若しくは通常兵器の開発等に用いられ,又は用いられるおそれがある。
二 キャッチオール規制貨物等については,大量破壊兵器等若しくは通常兵器の開発等に用いられ,又は用いられるおそれがある。
(需要者等確認)
第9条 輸出役職員は,貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする場合は,輸出しようとする貨物又は提供しようとする技術の需要者等が次の各号に該当するか否かを確認しなければならない。なお,需要者等以外から間接的に得ている情報については,当該情報の信頼性を高めるため確認を行う。
一 特定類型該当者であること。
二 経済産業省が定める外国ユーザーリストに記載されていること。
三 輸出令別表第3の2に掲げる国・地域又は輸出令別表第4に掲げる国・地域の非居住者であること。
四 入手した文書,図画若しくは電磁的記録に大量破壊兵器等の開発等又は通常兵器の開発等を行う旨又は行った旨記載されていること(需要者等からその旨の連絡を受けた場合を含む。)。
(取引審査)
第10条 輸出役職員は,貨物の輸出又は技術の提供が次の各号のいずれかに該当する場合には,別に定める取引審査票を作成の上,輸出管理責任者に提出し,取引審査を受けなければならない。
一 第7条に規定する該非判定の結果,リスト規制貨物又はリスト規制技術に該当する場合
二 第8条各号のいずれかに該当する場合
三 前条各号のいずれかに該当する場合
四 経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知を受けた場合
2 輸出管理責任者は,前項の取引審査票の提出があった場合には,取引審査を行い,外為法等に適合しているときは,承認を行うものとする。
3 輸出管理責任者は,前項に規定する承認を行った場合であっても,貨物の輸出又は技術の提供が外為法等に適合していないと判断するに至ったときは,その取りやめを指示し,及び承認を取り消すものとする。
(外為法等に基づく許可の申請等)
第11条 輸出管理責任者は,前条第2項に基づく承認が行われた場合において,外為法等に基づく経済産業大臣の許可が必要なときは,所定の申請書及び添付書類を作成し,統括責任者を通して経済産業大臣への許可申請を行うものとする。
2 輸出役職員は,前項の確認ができない場合は,貨物の輸出を行ってはならない。
3 輸出役職員は,貨物の輸出を行う場合に通関時において事故が発生したときは,直ちに輸出を取りやめ,輸出管理責任者にその旨を報告しなければならない。
2 輸出役職員は,前項の確認ができない場合は,技術の提供を行ってはならない。
(監査)
第14条 輸出管理責任者は,本学における輸出管理が,この規則に基づき適正に実施されていることを確認するため,輸出管理業務の監査を定期的に行うものとする。
(教育)
第15条 輸出管理責任者は,外為法等及びこの規則の遵守について本学の役職員等に理解させるとともに,その確実な実施を図るため,輸出管理の教育を計画的に行うものとする。
(文書管理及び記録媒体の保存)
第16条 貨物の輸出又は技術の提供の手続に必要な書類は,事実に基づき正確に記載しなければならない。
2 前項の書類は,貨物が輸出された日又は技術が提供された日から起算して,7年間保管しなければならない。
(報告)
第17条 本学の役職員等は,外為法等若しくはこの規則に対する違反又は違反のおそれがあることを知った場合は,速やかに輸出管理責任者にその旨を通報しなければならない。
2 輸出管理責任者は,前項の通報があった場合は,当該通報の内容を調査し,外為法等又はこの規則に違反している事実が判明したときは,遅滞なく統括責任者にその旨を報告しなければならない。
3 統括責任者は,前項の報告があった場合は,関係部署に対応措置を指示し,及び外為法等に違反しているときは遅滞なく関係行政機関に報告し,再発防止のために必要な措置を講じるものとする。
(懲戒等)
第18条 故意又は重大な過失によりこの規則に違反した本学の役職員等は,国立大学法人東京工業大学役員の服務等に関する規則(平成24年規則第55号),国立大学法人東京工業大学職員就業規則(平成16年規則第10号)又は国立大学法人東京工業大学有期雇用職員就業規則(平成27年規則第83号)等の規定に基づき,厳正に処分される。
(雑則)
第19条 この規則に定めるもののほか,輸出管理に関し必要な事項は,別に定める。
附則
この規則は,平成22年4月2日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学安全保障輸出管理規則の規定は,平成22年4月1日から適用する。
附則(平23.3.17規24)
この規則は,平成23年4月1日から施行する
附則(平23.4.26規38)
この規則は,平成23年4月26日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学安全保障輸出管理規則の規定は,平成23年4月1日から適用する。
附則(平23.10.24規69)
この規則は,平成23年10月24日から施行する。
附則(平25.12.5規89)
この規則は,平成25年12月5日から施行する。
附則(平28.3.4規45)
この規則は,平成28年4月1日に施行する。
附則(平29.3.17規42)
この規則は,平成29年4月1日から施行する。
附則(令3.3.19規33)抄
1 この規則は,令和3年4月1日から施行する。
附則(令4.3.18規34)
この規則は,令和4年4月1日から施行する。
附則(令4.4.8規53)
この規則は,令和4年5月1日から施行する。