○国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程

平成18年12月22日

規程第13号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 公益通報処理体制(第3条―第11条)

第3章 公益通報者への通知等(第12条―第15条)

第4章 調査の実施(第16条―第21条)

第5章 調査の完了及び是正措置等(第22条―第24条)

第6章 公益通報者の保護及び懲戒処分等(第25条―第29条)

第7章 職員の責務(第30条)

第8章 通報対象事実関係者の除外(第31条)

第9章 公益通報以外の通報等(第32条―第33条)

第10章 雑則(第34条―第36条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は,国立大学法人東京工業大学(以下「大学」という。)における公益通報者の保護,公益通報の処理その他公益通報について,公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「保護法」という。)に定めるもののほか必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において「公益通報」とは,次の各号に掲げる者が,不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく,大学又は大学の業務に従事する場合における役員,職員その他の者について通報対象事実が生じ,又はまさに生じようとしている旨を,大学,当該通報対象事実について処分(命令,取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関(保護法第2条第4項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み,大学の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。)に通報することをいう。

 役員

 当該通報の日前1年以内に第2号から前号までのいずれかの職員であった退職者

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第26条第1項に規定する労働者派遣契約(以下「労働者派遣契約」という。)に基づき大学の業務に従事する派遣労働者又は当該通報の日前1年以内に従事していた派遣労働者

 大学と他の事業者との請負契約その他の契約に基づき,大学において当該業務に従事する者又は当該通報の日前1年以内に従事していた者

2 この規程において「公益通報者」とは,公益通報をした者をいう。

3 この規程において「通報対象事実」とは,次のいずれかの事実をいう。

 保護法別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む。次号において同じ。)に規定する罪の犯罪行為の事実又は同表に掲げる法律に規定する過料の理由とされている事実

 保護法別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが前号に掲げる事実となる場合における当該処分の理由とされている事実(当該処分の理由とされている事実が同表に掲げる法律の規定に基づく他の処分に違反し,又は勧告等に従わない事実である場合における当該他の処分又は勧告等の理由とされている事実を含む。)

4 この規程において「部局等」とは,国立大学法人東京工業大学組織運営規則(平成27年規則第81号)に規定する各組織をいう。

第2章 公益通報処理体制

(総括)

第3条 学長は,大学における公益通報に係る業務を総括する。

(公益通報対応業務従事者)

第3条の2 保護法第11条に規定する公益通報対応業務従事者(以下「従事者」という。)は,次に掲げる者とする。

 学長

 法令遵守を担当する理事・副学長(以下「担当理事・副学長」という。)

 監事

 事務局長

 総務部長

 総務課長

 専門職(総務総括)

 総務課総務グループ長

 第4条第2項の弁護士

 その他学長が指名する者

(総合通報・相談窓口)

第4条 大学に,第2条第1項各号に掲げる者(以下「役職員等」という。)からの公益通報の受付及び法令等の違反行為に該当するかを確認する等の相談(以下「相談」という。)並びに公益通報以外の通報の受付等のための窓口(以下「総合通報・相談窓口」という。)を設置する。

2 総合通報・相談窓口は,総務部総務課及び大学が委任した学外の法律事務所に置くものとし,総務部総務課長,総務課総務グループ長及び当該法律事務所の弁護士(以下「窓口職員」という。)を当該業務に従事させるものとする。

(総合通報・相談窓口の利用方法)

第5条 総合通報・相談窓口の利用方法は,電子メール,ファクシミリ又は書面とする。

(総合通報・相談窓口の利用者)

第6条 総合通報・相談窓口の利用者は,役職員等とする。

(公益通報の受付等)

第7条 窓口職員は,公益通報があったときは記載内容に不備等がないことを確認して受け付けるものとする。

2 窓口職員は,前項による受付に当たり,公益通報者は保護され,及び公益通報者の秘密は保持されることを必要に応じて説明するものとする。

3 窓口職員は,通報対象事実等の内容の把握のために必要と認めたときは,窓口職員以外の従事者を公益通報者の聴取等に立ち会わせることができる。

(相談への対応)

第8条 窓口職員は,相談があったときは,前条に準じて誠実に対応しなければならない。

(学長等への報告)

第9条 窓口職員は,公益通報を受け付けたときは,速やかに学長,担当理事・副学長及び監事に報告するものとする。

(学長の判断等)

第10条 学長は,前条の報告を受けたときは,その受理の可否及び当該公益通報された事項に関する事実関係の調査(以下「調査」という。)の実施の有無を判断するものとする。

2 学長は,前項の判断を行うに当たって必要と認めた場合は,役員又は通報対象事実に関係する部局等の長若しくは職員に意見の聴取等を行うことができる。

3 学長は,第1項の判断を行うに当たって必要と認めた場合は,当該公益通報者に対し通報対象事実を裏付ける証拠の提供等を要請できるものとする。

4 窓口職員は,第1項の判断結果を,担当理事・副学長及び監事に報告するものとする。

(学内規則等の関係)

第11条 前条により当該公益通報の受理を可とした場合であって,調査等の実施に関し,学内規則等に別段の定めがあるときは,その定めるところによることができる。

第3章 公益通報者への通知等

(受理の可否及び調査実施等の通知)

第12条 大学は,第10条の規定により,公益通報の受理を可とした場合はその旨を,又は受理を否とした場合はその理由を付して速やかに当該通報者に通知しなければならない。

2 大学は,第10条の規定により,通報対象事実に係る処分又は勧告等の権限を大学が有しないことを理由として受理を否とした場合は,可能な限り通報者に対し,通報対象事実について処分又は勧告等の権限を有する行政機関等の窓口等の教示に努めるものとする。

3 大学は,第10条の規定により,調査の実施の有無が明らかになった場合は,遅滞なく当該公益通報者に通知するものとし,調査を実施するとしたときは当該調査の実施予定時期を,調査を実施しないとしたときはその理由を付して通知するものとする。

4 大学は,必要に応じて調査の進捗状況を公益通報者に適宜通知するものとする。

(調査結果の通知)

第13条 大学は,調査が完了したときは,公益通報者に調査結果を通知しなければならない。

(是正措置等の通知)

第14条 大学は,是正措置又は再発防止策等(以下「是正措置等」という。)を講じたときは,当該是正措置等の内容を公益通報者に通知し,必要に応じて関係行政機関に対し,調査結果又は是正措置等について報告を行うものとする。

(通知等の配慮義務)

第15条 大学は,前3条の規定により,公益通報者に遅滞なく通知を行うときは,当該公益通報に係る被公益通報者(その者が法令違反等を行った,行っている又は行おうとしていると通報等された者をいう。)又は調査に協力した者等の名誉及びプライバシー等を侵害することのないよう配慮しなければならない。

第4章 調査の実施

(委員会の設置)

第16条 学長は,第10条の規定により調査を実施する場合において,調査を実施し,及び是正措置等を審議するため公益通報調査委員会(以下「委員会」という。)を設置するものとする。

2 前項の規定にかかわらず,学長は,通報対象事実が緊急を要すると認めるときは,委員会を設置せずに是正措置等を講ずることができる。

(委員会の構成)

第17条 委員会は,学長の指名する者をもって構成する。

2 委員会に委員長を置き,学長が指名する者をもって充てる。

3 委員長は,会議を主宰し,調査の実施責任者となるものとする。

4 委員会が必要と認めた場合は,構成員以外の者の出席を求め,その意見を聴くことができる。

(調査協力)

第18条 委員会は,必要に応じて調査対象部局等に対し,関係資料の提出,事実の証明,報告その他必要な調査協力を求めることができる。

2 調査対象部局等は,調査協力を求められた場合は,学長及び委員会に協力しなければならない。

(調査の配慮義務)

第19条 委員会は,当該公益通報に係る調査の実施に当たって,公益通報者が特定されないよう,又は公益通報者,被公益通報者及び調査に協力した者等の秘密,信用,名誉及びプライバシー等を侵害することのないよう調査方法等に十分配慮しなければならない。

(企画立案執行組織等との連携)

第20条 委員会は,調査の実施に当たり,必要に応じて監査室,企画立案執行組織及び委員会等との連携を図るものとする。

(調査状況等の報告)

第21条 委員長は,必要に応じて調査の開始,進捗状況その他必要な事項を学長に報告するものとする。

第5章 調査の完了及び是正措置等

(調査結果のまとめ及び報告)

第22条 委員会は,調査結果及び是正措置等を速やかに取りまとめ,学長に報告しなければならない。

(是正措置等)

第23条 学長は,前条の報告を受け,又は第16条第2項により是正措置等を講ずる必要を認める場合は,当該部局等の長に是正措置等を命じることができる。

2 部局等の長は,前項により是正措置等を講じたときは,当該是正措置等の内容,是正結果その他必要事項を学長に報告しなければならない。

3 学長は,前項の報告を受けた後,当該是正措置について適切に機能しているかどうか適切な時期に確認するものとする。

(委員会の解散)

第24条 委員会は,第22条による報告を行った後,学長が調査を完了したと認めたときに解散するものとする。

第6章 公益通報者の保護及び懲戒処分等

(公益通報者等の保護)

第25条 大学は,役職員等が公益通報又は相談をしたことを理由として,解雇(派遣労働者においては労働者派遣契約の解除)その他いかなる不利益な取扱いも行ってはならない。

2 大学は,役職員等が公益通報又は相談をしたことを理由として,当該役職員等の職場環境が悪化することのないよう適切な措置を講じなければならない。

(嫌がらせ等の排除)

第26条 学長は,公益通報者に対し,不利益な取扱い又は嫌がらせ等を行った役員又は職員(以下「役職員」という。)がいた場合は,当該役職員に対し,国立大学法人東京工業大学役員の服務等に関する規則(平成24年規則第55号。以下「役員服務等規則」という。)職員就業規則無期雇用職員就業規則有期雇用職員就業規則又は非常勤講師(雇用)就業規則の規定により,懲戒処分又は訓告等(以下「懲戒等」という。)を行うことができる。

(関与役職員の懲戒等)

第27条 学長は,委員会の調査結果に基づき,法令違反等の行為が明らかとなった場合は,当該法令違反等の行為に関与した役職員に対し,役員服務等規則職員就業規則無期雇用職員就業規則有期雇用職員就業規則又は非常勤講師(雇用)就業規則の規定により,懲戒等を行うことができる。

(不正目的の通報制限)

第28条 公益通報者は,虚偽の通報,誹謗中傷する通報その他の不正の目的の通報を行ってはならない。

2 学長は,前項の不正の目的の通報を行った役職員に対し,役員服務等規則職員就業規則無期雇用職員就業規則有期雇用職員就業規則又は非常勤講師(雇用)就業規則の規定により,懲戒等を行うことができる。

(秘密保持)

第29条 この規程に定める業務に携わる者は,この規程に定めるもののほか,法令に基づく場合等の正当な理由がない限り,当該業務に関する情報を開示してはならず,当該情報について秘密を保持しなければならない。当該業務に携わる者でなくなった後も同様とする。

2 この規程に定める業務に携わる者は,法令に基づく場合等の正当な理由がない限り,当該業務に関する情報を目的外に使用してはならない。当該業務に携わる者でなくなった後も同様とする。

3 学長は,前2項の規定に違反した役職員に対し,役員服務等規則職員就業規則無期雇用職員就業規則有期雇用職員就業規則又は非常勤講師(雇用)就業規則の規定により,懲戒等を行うことができる。

第7章 職員の責務

(公益通報又は相談を受けた職員の責務)

第30条 窓口職員以外の職員が,公益通報又は相談を受けたときは,速やかに総合通報・相談窓口に連絡し,又は当該公益通報者に対し総合通報・相談窓口に公益通報するように助言する等適切に対応するよう努めなければならない。

第8章 通報対象事実関係者の除外

(通報対象事実関係者の除外)

第31条 この規程に定める業務に携わる者が,通報対象事実に関する公益通報の対象となり,又は対象となることが見込まれる場合は,当該業務に携わり,又は委員会の構成員となることはできない。

第9章 公益通報以外の通報等

(役職員等以外の者からの通報等)

第32条 役職員等以外の者からの通報対象事実に関する通報又は相談があったときは,この規程の定めに準じて取り扱うものとする。

(学内規則等の規定に違反する行為の事実に関する通報等)

第33条 第2条第3項各号の通報対象事実以外で,学内規則等の規定に違反する行為の事実に関する通報又は相談があったときは,この規程の定めに準じて取り扱うものとする。

第10章 雑則

(行政機関等への協力)

第34条 大学は,行政機関その他の公的機関等から公益通報に関する調査等の協力を求められた場合は,正当な理由があるときを除き,必要な協力を行うものとする。

(関係資料の管理)

第35条 公益通報の処理に係る記録及び関係資料は,国立大学法人東京工業大学個人情報管理規程(平成17年規程第5号)国立大学法人東京工業大学法人文書管理規程(平成23年規程第5号)その他関係規則等の規定により,管理するものとする。

(雑則)

第36条 この規程に定めるもののほか,必要な事項は,別に定める。

この規程は,平成18年12月22日から施行する。

(平21.3.19程7)

この規程は,平成21年4月1日から施行する。

(平22.4.2程8)

この規程は,平成22年4月2日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程の規定は,平成22年4月1日から適用する。

(平23.3.17程6)

この規程は,平成23年4月1日から施行する。

(平27.6.5程8)

この規程は,平成27年6月5日から施行し,改正後の国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程の規定は,平成27年4月1日から適用する。

(平28.3.4程22)

この規程は,平成28年4月1日から施行する。

(平29.3.3程5)

この規程は,平成29年4月1日から施行する。

(平30.3.16程9)

この規程は,平成30年4月1日から施行する。

(平31.3.15程9)

この規程は,平成31年4月1日から施行する。

(令4.6.1程20)

1 この規程は,令和4年6月1日から施行する。

2 この規程の施行前にされた改正前の国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程第2条第1項に規定する公益通報については,改正後の国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程の規定にかかわらず,なお従前の例による。

国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程

平成18年12月22日 規程第13号

(令和4年6月1日施行)

体系情報
[全学規則]/第2編
沿革情報
平成18年12月22日 規程第13号
平成21年3月19日 規程第7号
平成22年4月2日 規程第8号
平成23年3月17日 規程第6号
平成27年6月5日 規程第8号
平成28年3月4日 規程第22号
平成29年3月3日 規程第5号
平成30年3月16日 規程第9号
平成31年3月15日 規程第9号
令和4年6月1日 規程第20号