○国立大学法人東京工業大学余裕金運用取扱細則
平成30年5月31日
細則第6号
目次
第1章 余裕金運用管理にあたっての基本方針(第1条―第7条)
第2章 運用資産構成(第8条)
第3章 自家運用(第9条―第14条)
第4章 委託運用(第15条―第18条)
第5章 運用管理体制等(第19条―第27条)
第6章 雑則(第28条)
附則
第1章 余裕金運用管理にあたっての基本方針
(趣旨)
第1条 この細則は,国立大学法人東京工業大学会計規程(平成16年規程第1号。以下「規程」という。)第25条の規定に基づき,安全かつ効率的な余裕金の運用の取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。
(運用の目的)
第2条 余裕金の運用は,国立大学法人東京工業大学(以下「大学」という。)の中長期的な財政基盤の強化を図ると共に将来の教育研究の発展に資することを目的とする。
(運用の目標)
第3条 将来にわたって大学の財政の健全性を維持するに足る収益性の確保を運用目標とする。
(運用の範囲)
第4条 余裕金の運用は,業務の執行に支障のない範囲の余裕金で行うものとする。
一 運用を目的とする寄附金又はこれに準ずる寄附金を原資とする部分であること。
二 大学の所有に属する動産又は不動産の使用又は収益(ただし,寄附を受けた動産又は不動産にあっては,使用,収益又は処分)により得られる金銭を原資とする部分であること。
三 国立大学法人法(平成15年法律第112号。以下「法人法」という。)第22条第1項第5号に掲げる業務の対価として取得した金銭を原資とする部分であること。
四 法人法第22条第1項第6号から第9号まで又は同法第34条の5第1項に規定する出資に対する配当金を原資とする部分であること。
五 第9条第1号に掲げるものの運用により生ずる利子その他の運用利益金を原資とする部分であること。
(運用の方法)
第5条 余裕金の運用は,流動性を十分確保するとともに,第2条に掲げる運用の目的を達成するために分散投資に努めるものとする。
(運用方法の決定)
第6条 余裕金の運用は,財務を担当する理事・副学長(以下「財務担当理事・副学長」という。)の責任において決定するものとする。
一 運用期間が1年を超えない場合
二 運用期間が1年を超え,かつ,運用額が3億円を超えない場合
(金融機関等の選定)
第7条 財務担当理事・副学長は,余裕金を運用する際は,金融機関の経営状況を的確に把握し,他の金融機関との比較検討等を行った上で,最も安全かつ効率的な金融機関及び運用方法(以下「金融機関等」という。)を別に定める基準に基づき,選定しなければならない。
第2章 運用資産構成
(基本ポートフォリオ)
第8条 大学は第2条に掲げる運用の目的を達成するため中長期観点から運用対象資産の基本ポートフォリオを策定し,資産配分を維持するよう努める。この基本ポートフォリオは毎年度検証し,必要に応じて見直しを図るものとする。
第3章 自家運用
(自家運用の対象)
第9条 自家運用の対象は,次の各号に掲げるものとする。
一 法人法第35条において準用する独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第47条に規定する各号に掲げるもの
二 貯金又は外貨建ての預金
三 資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)に規定する特定社債券
四 社債券(第1号に掲げるものを除く。)
五 法人が事業に必要な資金を調達するために発行する約束手形のうち,内閣府令で定めるもの(コマーシャルペーパー)
六 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。以下「投資法人法」という。)に規定する投資信託又は外国投資信託の受益証券
七 外国又は外国の者の発行する証券又は証書で金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「金商法」という。)第2条第1項第1号から第5号まで,第12号又は第15号に掲げる証券又は証書の性質を有するもの(第18号に掲げるものを除く。)
八 投資法人法に規定する投資証券,新投資口予約権証券若しくは投資法人債券又は外国投資証券
(自家運用の集中投資の回避)
第10条 運用にあたっては,流動性を十分確保するとともに,国債,地方債及び特別の法律により法人の発行する債券(前条第3号に掲げるものを除く。以下同じ。)以外の債券(外国企業の債券,コマーシャルペーパーを含む)を取得する場合,同一発行体が発行した債券等への投資額は,資産総額の5割を超えないものとする。
(自家運用のデリバティブ取引の留意事項)
第12条 有価証券,通貨若しくは金利に係る先物取引,先渡為替予約,指数先物取引若しくはオプション取引又は通貨若しくは金利に係るスワップ取引等(デリバティブ取引)の取扱いについて,債券,外国為替等の原資産における価格変動リスクを一時的にヘッジ(売りヘッジ),又は原資産の一時的な代替(買いヘッジ)を目的とするものとし,投機目的の利用は行わないこと。
(自家運用の取得債券等格下げ時の対応)
第13条 取得債券等が,格下げ等により別に定める基準を満たさなくなった場合は,発行体の信用リスク等に十分留意した上で,速やかに第23条に規定する資金運用管理委員会に報告するとともに,必要に応じて売却等の措置を講じる。保有を継続する場合には,同一の発行体が発行した債券等への投資額は,資産総額の5割を超えないものとする。
(運用商品の中途解約又は売却)
第14条 前条に定めるもののほか,運用商品の情報収集等の結果,リスク回避並びに安全性及び流動性の確保並びに資金不足の解消並びに運用方法の最適化等のため,財務担当理事・副学長が必要と判断した場合は,運用商品の中途解約又は売却の措置を講ずるものとする。
2 前項に該当する場合において,財務担当理事・副学長は,運用金額,満期日等までの残存期間,解約コスト,運用財源及び取引先へのヒヤリング結果等を総合的に勘案したうえで中途解約又は売却の判断をするものとする。
第4章 委託運用
(委託運用の受託者責任)
第15条 大学は,受託機関に対して,大学の資金運用管理にあたり専門家としての慎重な注意をもって,専ら委託者たる大学の利益に対してのみ忠実に最善の努力を果たす義務を負うことを求める。
(委託運用のガイドラインの提示と遵守)
第16条 大学は,第8条に定める基本ポートフォリオに基づき,本細則及び運用対象資産等に関する事項等を定めた運用ガイドラインを受託機関に提示し,受託機関はこれを遵守する。
(委託運用の運用対象)
第17条 委託運用の運用対象は,法人法第34条の3第2項第3号に掲げるものとする。
(委託運用の状況の報告等)
第18条 大学は,受託機関から四半期に一度,運用状況に関する報告を受けるものとする。
2 前項に定めるもののほか,大学は,必要に応じて受託機関へ資料の提出及び説明を求めることができるものとする。
第5章 運用管理体制等
(有価証券の保護預け)
第19条 余裕金を規程第13条第2項に規定する有価証券として運用する場合は,金融機関に保護預けするものとする。
(預金通帳等の保管)
第20条 余裕金の運用により取得した預金通帳,信託証書及び預かり証書その他これに準ずる証書並びに金融機関に登録した印鑑は,出納役が厳重に保管しなければならない。
(運用の評価)
第21条 財務担当理事・副学長は,中長期の観点に立脚し,定量評価と組織や情報,運用内容の質等の定性評価を組み合わせ総合的に運用の評価を行うものとする。
(権限の委任等)
第22条 財務担当理事・副学長は,余裕金の運用期間が1年を超えないもので,かつ,第9条第1号に掲げる運用である場合には,その運用の権限を会計担当役に委任することができる。
2 前項の規定により運用の権限を委任された会計担当役は,約定の後,取引等の内容を速やかに財務担当理事・副学長に報告するものとする。
(資金運用管理委員会)
第23条 大学は適切な資金運用管理に資するため,資金運用管理委員会(以下「委員会」という。)を設置し,その詳細を別に定める。
(資産の運用)
第24条 財務担当理事・副学長は,委員会に諮った運用方針に基づき,資産の運用を行う。
(倫理規則)
第25条 運用を担当する役員及び職員の職務に係る倫理の保持に資するために必要な措置については,国立大学法人東京工業大学役職員倫理規則(平成16年規則第66号)の定めるところによる。
(運用報告)
第26条 財務担当理事・副学長は,少なくとも四半期に一度は,次の各号に掲げる内容等を含む運用報告を作成し,委員会に報告を行う。
一 報告期間末時点における個別金融商品の一覧表
二 運用資産構成比率
三 各金融商品別の運用の実績
四 リスク状況(取引銀行,社債券,約束手形等の格付け等)
2 財務担当理事・副学長は,前項の報告後,可能な限り速やかに同様の内容を学長に報告するものとする。
3 学長は,前項の報告を受けたときは,経営協議会及び役員会に報告し,必要に応じて審議等を行うものとする。
(公開)
第27条 大学は,半期に一度,委員会の実施状況,運用実績等について,大学において判断する適切な方法により公開する。
第6章 雑則
(雑則)
第28条 この細則に定めるもののほか,余裕金の運用の取扱いに関し必要な事項は,別に定める。
附則
1 この細則は,平成30年5月31日から施行する。
2 国立大学法人東京工業大学余裕金運用取扱要項(平成16年11月26日制定)は,廃止する。
附則(令4.3.18細3)
この細則は,令和4年4月1日から施行する。
附則(令6.1.19細1)
この細則は,令和6年1月19日から施行する。