○国立大学法人東京科学大学動物実験等管理規則

令和6年10月1日

規則第117号

(目的)

第1条 この規則は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。)、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。)を踏まえ、動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年6月1日日本学術会議公表。以下「ガイドライン」という。)を参考に、科学的観点、動物愛護の観点及び環境保全の観点並びに動物実験等を行う教職員・学生等の安全確保を図る観点から、国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)における動物実験等及び実験動物の飼養及び保管等を適正に行うため、学長の責務、動物実験委員会の設置、動物実験計画の承認手続、実験動物の飼養及び保管等に関し必要な事項を定めることを目的とする。

2 大学における動物実験等(大学以外の機関等に委託等して実施する場合を含む。)の実施については、法、飼養保管基準、基本指針及び動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号)その他の法令等に定めがあるもののほか、この規則の定めるところによる。

(基本原則)

第2条 動物実験等の実施に当たっては、法及び飼養保管基準に則し、動物実験等の原則である代替法の利用(科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。)、使用数の削減(科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により実験動物を適切に利用することに配慮することをいう。)及び苦痛の軽減(科学上の利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう。)の3R(Replacement、Reduction、Refinement)に基づくものとし、学長の承認を得て、適正に実施しなければならない。

(用語の定義)

第3条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 動物実験等 実験動物を大学の教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供することをいう。

 飼養保管施設 実験動物を恒常的に飼養若しくは保管し、又は動物実験等を行う施設・設備をいう。

 実験室 実験動物に実験操作(48時間以内の一時的な保管を含む。)を行う動物実験室をいう。

 施設等 飼養保管施設及び実験室をいう。

 実験動物 動物実験等の利用に供するため、施設等で飼養若しくは保管、又は大学の施設等に導入するために輸送(大学の施設等間の移動を含む。)している哺乳類、鳥類又は爬虫類に属する動物をいう。

 動物実験計画 動物実験等の実施に関する計画をいう。

 動物実験実施者 大学において動物実験等に従事する者をいう。

 動物実験責任者 動物実験実施者のうち、動物実験等の実施に関する業務を統括する大学の教員をいう。

 管理者 実験動物及び施設等の管理を担当する総括的な責任者をいう。

十一 実験動物管理者 実験動物に関する知識及び経験を有し、施設等において管理者を補佐し、実験動物の管理を担当する者をいう。

十二 飼養者 実験動物管理者又は動物実験実施者の下で実験動物の飼養又は保管に従事する者をいう。

十三 管理者等 学長、管理者、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者をいう。

十四 指針等 基本指針並びに厚生労働省及び農林水産省から示されている動物実験等の実施に関する基本指針並びにガイドラインをいう。

(適用範囲)

第4条 この規則は、大学において実施される哺乳類、鳥類、爬虫類の生体を用いる全ての動物実験等に適用する。

2 動物実験責任者は、動物実験等の実施を大学以外の機関に委託等する場合、委託等先においても指針等に基づき、適正に動物実験等が実施されることを確認しなければならない。

(総括者等の責務)

第5条 理事長は、大学における動物実験等の適正な実施並びに実験動物の飼養及び保管について、最終的な責任を有するとともに、その業務を統括する。

2 理事長は前項の責務を実行するため、動物実験計画の承認、実施状況及び結果の把握とその結果に基づく改善措置、飼養保管施設の整備、並びに飼養保管施設及び実験室の承認、動物実験等に係る安全管理、教育訓練、自己点検・評価、外部の専門家による検証、情報公開、その他動物実験等の適正な実施に必要な措置に関しての権限及び事務を、学長へ委任する。

(動物実験委員会)

第6条 学長は、前条に規定する責務のうち、特に大学における動物実験に関する基本的事項に係るものを遂行するにあたり、報告又は助言を行う組織として、動物実験中央委員会(以下「中央委員会」という。)を置く。

2 学長は、前条に規定する責務のうち、特に個別の動物実験計画、飼養保管施設及び実験室に関する事項に係るものを遂行するにあたり、報告又は助言を行う組織として、次の各号に掲げる動物実験地区審査委員会(以下「地区委員会」という。)を置き、当該各号に定める地区を担当するものとする。

 大岡山地区審査委員会 大岡山地区、すずかけ台地区、田町地区

 湯島地区審査委員会 湯島地区、駿河台地区、国府台地区

3 中央委員会及び地区委員会は、必要に応じて、動物実験の安全管理に注意を要する情報について、動物実験に関連する委員会等に対し、相互に必要な情報の提供等を行うよう努めるものとする。

(動物実験中央委員会)

第7条 中央委員会は、学長の諮問を受け、次に掲げる事項を審査又は調査し、学長に報告又は助言する。

 動物実験等及び実験動物の適正な取扱い並びに関係法令等に関する教育訓練の内容又は体制に関すること。

 法、飼養保管基準、指針等、動物の殺処分方法に関する指針及びその他の法令等への適合性の判断について、地区委員会から要請のあった事項に関すること。

 自己点検・評価及び外部の専門家による検証並びに情報公開に関すること。

 その他、大学全体に及ぶ動物実験等の適正な実施のために必要な事項に関すること。

(中央委員会の構成)

第8条 中央委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

 各地区委員会の委員長

 各地区委員会の副委員長

 リサーチインフラ・マネジメント機構バイオサイエンスセンターの教職員 若干人

 動物実験等に関して優れた識見を有する者 若干人

 実験動物に関して優れた識見を有する者 若干人

 その他学識経験を有する者 若干人

 その他学長が必要と認めた者 若干人

2 前項第3号から第7号までの委員の任期は2年とし、重任、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(中央委員会の委員長及び副委員長)

第9条 中央委員会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選による。

2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。

3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代行する。

第10条 中央委員会は、必要があると認めた場合は、委員以外の者の出席を求め、その意見を聴くことができる。

第11条 中央委員会の運営に関し必要な事項は、中央委員会が別に定める。

(動物実験地区審査委員会)

第12条 地区委員会は、学長の諮問を受け、次の各号に掲げる事項を行い、学長に報告及び必要に応じて助言する。

 動物実験計画が動物実験等に関する法令、飼養保管基準、基本指針等及びこの規則に適合していることの審査

 動物実験計画の実施状況及び結果に関することの審査又は調査

 施設等の設置及び変更並びに管理状況及び実験動物の飼養保管状況に関することの審査又は調査

 その他、当該地区における動物実験等の適正な実施のために必要な事項に関することの審査又は調査

2 地区委員会の運営に関し必要な事項は、各審査委員会が別に定める。

(地区委員会の構成)

第13条 地区委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。

 動物実験等に関して優れた識見を有する者 若干人

 実験動物に関して優れた識見を有する者 若干人

 その他学識経験を有する者 若干人

 その他学長が必要と認めた者 若干人

2 前項の委員の任期は2年とし、重任、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(地区委員会の委員長及び副委員長)

第14条 地区委員会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選による。

2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。

3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代行する。

(予備審査)

第15条 地区委員会は、第12条第1項第1号の規定による動物実験計画の審査のため、特に専門性を有する実験計画については、予備審査を行うことができる。

2 予備審査の運用については、地区委員会が別に定める。

第16条 地区委員会は、必要があると認めた場合は、委員以外の者の出席を求め、その意見を聴くことができる。

第17条 地区委員会の運営に関し必要な事項は、地区委員会が別に定める。

(動物実験計画の立案等)

第18条 動物実験責任者は、動物実験等により取得されるデータの信頼性を確保する観点から、動物実験等を開始する前に、次に掲げる事項を踏まえて動物実験計画を立案し、別に定める動物実験計画書により学長に申請するものとする。

 研究の目的、意義及び必要性

 代替法を考慮して、実験動物を適切に利用すること。

 実験動物の使用数削減のため、動物実験等の目的に適した実験動物種の選定、動物実験成績の精度と再現性を左右する実験動物の数、遺伝学的及び微生物学的品質並びに飼養条件を考慮すること。

 苦痛の軽減により動物実験等を適切に行うこと。

 致死的な毒性試験、感染実験、放射線照射実験等の苦痛度の高い動物実験等を行う場合は、人道的エンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための実験を打ち切るタイミングをいう。以下同じ。)の設定を検討すること。

2 学長は、前項の申請について、地区委員会の審査を経て承認又は非承認を決定し、その結果を当該動物実験責任者に通知するものとする。

3 動物実験責任者及び動物実験実施者は、前項により承認を得た後でなければ、動物実験等を行うことができない。

(動物実験計画の変更)

第19条 動物実験責任者は、承認された動物実験計画を変更しようとする場合は、事前に学長に申請し、承認を受けなければならない。

2 前項の申請において、当該申請に係る変更内容が軽微なものであると地区委員会が判断する場合には,学長の承認は不要とする。

(動物実験等の実施)

第20条 動物実験実施者は、動物実験等の実施に当たって、動物実験等に関する法令、飼養保管基準及び指針等に則するとともに、特に次に掲げる事項を遵守するものとする。

 適切に維持管理された施設等において動物実験等を行うこと。

 動物実験計画書に記載された事項及び次に掲げる事項を行うこと。

 実験動物に対する適切な麻酔薬又は鎮痛薬等の利用

 実験の終了の時期(人道的エンドポイントを含む。)の配慮

 適切な術後管理

 適切な安楽死の選択を行うこと。

 安全管理に注意を払うべき動物実験等(物理的、化学的に危険な材料、麻薬・向精神薬等、病原体、遺伝子組換え動物等を用いる実験をいう。)については、関係法令等及び学内関係規則等に従うこと。

 物理的、化学的に危険な材料又は病原体等を扱う動物実験等について、安全のための適切な施設や設備を確保すること。

 動物実験等の実施に先立ち必要な実験手技等の習得に努めること。

 侵襲性の高い大規模な存命手術に当たっては、経験等を有する者の指導下で行うこと。

(動物実験計画の報告)

第21条 動物実験責任者は、動物実験計画に定めた実験期間が終了したときは、別に定める様式により、当該動物実験計画の実施状況を学長に報告しなければならない。

2 動物実験責任者は、動物実験計画に定めた実験期間の終了前であっても、実験を終了又は中止したときは、別に定める様式により、学長に報告しなければならない。

3 学長は、前2項の報告に基づき、必要に応じ、委員会の助言を受けて適正な動物実験等の実施のための改善措置を講ずる。

(飼養保管施設の設置)

第22条 管理者は、飼養保管施設を設置又は変更する場合は、別に定める申請書を提出し、学長の承認を得るものとする。

2 学長は、前項の申請に基づき、委員会の審査及び調査を経て、承認又は非承認を決定し、その結果を当該管理者へ通知する。

3 管理者等は、前2項の規定により承認を得た飼養保管施設でなければ、実験動物の飼養若しくは保管又は動物実験等を行うことができない。

4 学長は、実験動物の飼養及び保管の状況について管理者、実験動物管理者又はその両者から報告させ、必要な場合は委員会の助言を受けて改善を指示するものとする。

(飼養保管施設の要件)

第23条 前条第2項の承認に当たっては、次に掲げる要件を満たさなければならない。

 適切な温度、湿度、換気、明るさ等を保つことができる構造等であること。

 実験動物の種類、生理、生態及び習性等並びに飼養又は保管する数に応じた飼育設備を有すること。

 床及び内壁等の清掃、消毒等が容易な構造で、器材の洗浄及び消毒等を行う衛生設備を有すること。

 実験動物が逸走できない構造及び強度を有すること。

 臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。

 当該飼養保管施設に実験動物管理者を配置すること。

 実験動物の飼養の有無にかかわらず、委員会が指定する検査を実施すること。

(実験室の設置)

第24条 管理者は、実験室を設置又は変更する場合は、別に定める申請書を提出し、学長の承認を得るものとする。

2 学長は、前項に規定する申請に基づき、委員会の審査及び調査を経て、承認又は非承認を決定し、その結果を当該管理者に通知する。

3 管理者等は、前2項の規定により承認を得た実験室でなければ、動物実験等(一時的な保管を含む。)を行うことができない。

4 前3項の規定にかかわらず、48時間を超える動物実験又は一時的な保管を行う場合については、別に定める。

5 その他、実験室の設置に関する詳細な事項は、別に定める。

(実験室の要件)

第25条 前条第2項の承認に当たっては、次に掲げる要件を満たさなければならない。

 実験動物が逸走できない構造及び強度を有し、実験動物が室内で逸走しても捕獲しやすい環境が維持されていること。

 排泄物や血液等による汚染に対して清掃や消毒が容易な構造であること。

 常に清潔な状態を保ち、臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。

 当該実験室を主として当該部局が管理する以外の建物に設置する場合にあっては、当該建物を主として管理している部局長等の承認を得ること。

(施設等の維持管理及び改善)

第26条 管理者は、実験動物の適正な管理並びに動物実験等の遂行に必要な施設等の維持管理及び改善に努めるものとする。

2 管理者は、実験動物の種類、生理、生態及び習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行うものとする。

(施設等の廃止)

第27条 管理者は、施設等を廃止する場合は、別に定める様式を学長に届け出るものとする。

2 学長は、前項の届出に基づき、委員会の調査を経て、承認するものとする。

3 管理者は、必要に応じて、動物実験責任者と協力し、飼養保管中の実験動物を他の飼養保管施設に譲り渡すよう努めるものとする。

(マニュアル(標準操作手順)の作成と周知)

第28条 管理者及び実験動物管理者は、飼養保管のマニュアル(標準操作手順)を定め、動物実験実施者及び飼養者に周知し遵守させるものとする。

(実験動物の健康及び安全の保持)

第29条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の保持に努めなければならない。

(実験動物の導入)

第30条 管理者等は、実験動物の導入に当たり、関連法令等及び指針等に基づき適正に管理されている機関より導入するものとする。

2 実験動物管理者は、実験動物の導入に当たり、適切な検疫及び隔離飼育等を行うものとする。

3 実験動物管理者は、実験動物の飼養環境への順化及び順応を図るための必要な措置を講じるものとする。

第31条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、実験動物の種類、生理、生態及び習性等に応じて、適切に給餌及び給水を行うものとする。

2 実験動物管理者は、施設の日常的な管理及び保守点検並びに定期的な巡回等により、飼養又は保管をする実験動物の数及び状態の確認を行うものとする。

(健康管理)

第32条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、実験動物に対し実験目的以外の傷害を受けること又は疾病にかかることを予防するため、必要な健康管理を行うものとする。

2 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、実験動物に対し実験目的以外の傷害を受け又は疾病にかかった場合、適切な治療等を行うものとする。

(異種又は複数動物の飼育)

第33条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、異種又は複数の実験動物を同一施設内で飼養又は保管する場合、その組み合わせを考慮した収容を行うものとする。

(記録の保存及び報告)

第34条 管理者等は、実験動物の入手先、飼育履歴及び病歴等に関する記録を整備し、保存するものとする。

2 管理者は、前項の記録に関し集計を行い、年度ごとに飼養又は保管した実験動物の種類と数等について、学長に報告するものとする。

(譲渡等の際の情報提供)

第35条 管理者等は、実験動物の譲渡に当たり、当該実験動物の特性、飼養又は保管の方法及び感染性疾病等の履歴に関する情報を提供するものとする。

(輸送)

第36条 管理者等は、実験動物の輸送に当たり、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全の確保並びに人への危害防止に努めるものとする。

(危害等の防止)

第37条 管理者は、逸走した実験動物の捕獲の方法等をあらかじめ定めるものとする。

2 管理者は、人に危害を加える等のおそれのある実験動物が施設等外に逸走した場合には、速やかに学長及び関係機関へ連絡するものとする。

3 管理者は、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者が、実験動物に由来する感染症及びアレルギー疾患等の罹患並びに咬傷等に対して予防措置を講じるとともに、実験動物による疾病又は傷害の発生時に備えて必要な措置を講じるものとする。

4 管理者は、毒へび等の有毒動物の飼養又は保管に当たって、飼養保管基準に基づき人への危害の発生の防止のため、必要な事項を別に定めておかなければならない。

5 管理者等は、人に危害を加える等のおそれがある実験動物について、名札、脚環又はマイクロチップ等の装着等の識別措置を技術的に可能な範囲で講じるように努めるものとする。

6 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、相互に実験動物による危害の発生の防止に必要な情報の提供等を行うよう努めるものとする。

7 管理者等は、実験動物の飼養及び保管並びに動物実験等の実施に関係のない者が実験動物等に接触しないよう、必要な措置を講じるものとする。

(緊急時の対応)

第38条 管理者は、地震、火災、人と動物の共通感染症の発生時等の緊急時に執るべき措置又は計画等(緊急時対応マニュアル等)をあらかじめ作成し、動物実験実施者、飼養者その他関係者に対して周知を図るものとする。

2 管理者等は、緊急事態発生時において、実験動物の保護、実験動物の逸走による人への危害、環境保全上の問題等の発生の防止に努めるものとする。

(人と動物の共通感染症の対応)

第39条 実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者は、人と動物の共通感染症に関する十分な知識の習得及び情報の収集に努めるものとする。

2 管理者、実験動物管理者及び動物実験実施者は、人と動物の共通感染症の発生時において必要な措置を迅速に講ずることができるよう、公衆衛生機関等との連絡体制の整備に努めるものとする。

(教育訓練)

第40条 学長は、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者に対し、動物実験を開始する前に、中央委員会が実施する次に掲げる事項に関する所定の教育訓練を受講させなければならない。

 動物実験等に関する法令、指針等その他学内関係規則等に関する事項

 動物実験等の方法に関する基本的事項

 実験動物の飼養又は保管に関する基本的事項

 安全確保及び安全管理に関する事項

 人と動物の共通感染症に関する事項

 その他適切な動物実験等の実施に関する事項

2 学長は、実験動物管理者、動物実験実施者及び飼養者の別に応じて必要な教育訓練が確保されるよう努めることとする。

第41条 学長は、前条第1項の規定による教育訓練の実施日、教育内容、講師及び受講者名の記録を保存するものとする。

(自己点検・評価等)

第42条 学長は、中央委員会に、基本指針への適合性及び飼養保管基準の遵守状況に関し、毎年、自己点検・評価を行わせるものとする。

2 中央委員会は、動物実験等の実施状況等や飼養保管状況に関する自己点検・評価を行い、その結果を学長に報告するものとする。

3 中央委員会は、管理者、実験動物管理者、動物実験責任者、動物実験実施者及び飼養者等に、自己点検・評価のための資料を提出させることができる。

4 学長は、自己点検・評価の結果について、外部の専門家による検証を定期的に実施するものとする。

(情報公開)

第43条 学長は、大学における動物実験等に関する規則等、実験動物の飼養又は保管状況、自己点検・評価、外部の専門家等による検証の結果、動物実験委員会の構成等に関する情報について、毎年1回程度公表するものとする。

2 動物実験等に関する情報の公開方法等については、学長が別に定める。

(準用)

第44条 第3条第5号に定める実験動物以外の動物を動物実験等に供する場合においても、飼養保管基準の趣旨に沿って行うよう努めるものとする。

2 前項に規定する動物を利用する実験責任者が、当該実験に係る審査を希望するときは、当該動物の実験計画を立案した動物実験計画書により学長に申請することができる。

3 第1項の動物のうち、法令等で規制されている動物については、各法令等の定めに則り、必要な手続等を実施しなければならない。

4 法令等の規制の有無にかかわらず、人に危害を加えるおそれのある動物を動物実験に供する場合には、あらかじめ地区委員会に連絡し、助言を得るものとする。

(罰則)

第45条 学長は、この規則に違反した者の動物実験を直ちに中止させ、一定期間動物実験の実施を禁ずることができる。

2 罰則の適用に関して、学長は中央委員会及び地区委員会の助言を求めることができる。

(雑則)

第46条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、学長が別に定める。

1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。

2 次に掲げる規則は、廃止する。

 国立大学法人東京工業大学動物実験等管理規則(平成19年規則第40号)

 国立大学法人東京医科歯科大学動物実験規則(平成20年規則第36号)

国立大学法人東京科学大学動物実験等管理規則

令和6年10月1日 規則第117号

(令和6年10月1日施行)

体系情報
東京科学大学/ [全学規則]/第8編 研究・産学連携
沿革情報
令和6年10月1日 規則第117号