○国立大学法人東京科学大学公益通報者保護規程

令和6年10月1日

規程第12号

(目的)

第1条 この規程は、国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)における公益通報者の保護、公益通報の処理その他公益通報について、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「保護法」という。)に基づき必要な事項を定めることにより、法令等違反行為の早期発見と是正を図り、公益通報者を保護し、もって適正な大学運営の推進及び強化に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 労働者 派遣契約その他の契約等に基づき大学の業務に従事する者をいう。

 退職者 通報の日前1年以内に職員又は労働者であった者をいう。

 公益通報 役員、職員、労働者又は退職者(以下「役職員等」という。)が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、大学又は大学の業務に従事する場合における役員、職員その他の者について法令違反行為等の事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を知らせることであって、保護法第2条第1項に規定するものをいう。

 相談 公益通報に関する相談をいう。

 通報者 公益通報又は相談をする者をいう。

 通報対象事実 保護法第2条第3項に規定する事実をいう。

 部局等 国立大学法人東京科学大学組織運営規則(令和6年規則第1号)に規定する各組織をいう。

(公益通報総括責任者)

第3条 大学に、公益通報総括責任者(以下「総括責任者」という。)を置き、コンプライアンスを担当する理事をもって充てる。

2 総括責任者は、大学における公益通報の処理及び通報者の保護等に関する公益通報対応業務を総括する。

(公益通報対応業務従事者)

第4条 保護法第11条に規定する公益通報対応業務従事者(以下「従事者」という。)は、次に掲げる者とする。

 総括責任者

 コンプライアンスを担当する副理事

 総務企画部の職員のうちから総括責任者が指名する者

 その他総括責任者が必要と認めた者

(公益通報・相談窓口)

第5条 大学に、公益通報及び相談(以下「公益通報等」という。)の受付等のための窓口(以下「公益通報・相談窓口」という。)を設置する。

2 大学における公益通報・相談窓口は、総務企画部総務課に置き、その事務を処理する。

3 前項の規定に定める公益通報・相談窓口のほか、大学が委任した学外の法律事務所等外部に公益通報・相談窓口を設置する。

(公益通報等の方法)

第6条 公益通報等は、原則として公益通報・相談窓口において、電子メール又は書面により受け付けるものとする。

2 公益通報等は、原則として実名によるものとするが、匿名によるものも受け付ける。

(公益通報の受付等)

第7条 公益通報・相談窓口を担当する者(以下「窓口職員」という。)は、公益通報を受けたときは速やかに総括責任者に報告するものとする。ただし、被通報者(その者が法令違反行為等を行った、行っている又は行おうとしていると通報された者をいう。以下の同じ。)が総括責任者の場合は、窓口職員は理事長に報告するものとする。

2 前項ただし書に該当する場合は、理事長は、総括責任者の職務を理事長が指名する者に代行させる。

3 窓口職員以外の職員が公益通報等を受けたときは、速やかに公益通報・相談窓口に連絡し、又は当該通報者に対し公益通報・相談窓口に公益通報等をするように助言しなければならない。

(公益通報の受理及び調査実施の判断)

第8条 総括責任者は、前条第1項の報告を受けたときは、その受理の可否及び当該公益通報された事項に関する事実関係の調査(以下「調査」という。)の実施の要否を判断するものとする。

2 総括責任者は、前項の判断を行うに当たって必要と認めた場合は、役員又は通報対象事実に関係する部局等の長若しくは職員に意見の聴取等を行うことができる。

3 総括責任者は、第1項の判断を行うに当たって必要と認めた場合は、当該通報者に対し通報対象事実を裏付ける証拠の提供等を要請できるものとする。

4 総括責任者は、第1項の判断結果を、理事長及び監事に報告するものとする。

5 公益通報等の内容が、役員(理事長及び監事を除く。)に関係する事案である場合は、理事長は、必要に応じて監事と協議の上、適切に対応を行うものとする。ただし、被通報者が理事長の場合は、第1項から第3項までの規定にかかわらず、監事が対応を行うものとする。

(受理の可否及び調査実施の通知)

第9条 大学は、公益通報の受理の可否について、速やかに当該通報者に通知するものとし、受理を否とした場合にはその理由を付すものとする。

2 大学は、調査の実施の有無について、速やかに当該公益通報者に通知するものとし、調査を実施しないとしたときはその理由を付すものとする。

(公益通報調査委員会)

第10条 理事長は、総括責任者が調査の必要を認めた場合において、調査を実施し、是正及び再発防止のために必要な措置(以下「是正措置等」という。)を検討し、審議するため公益通報調査委員会(以下「委員会」という。)を設置するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、調査等の実施に関し、学内規則等に別段の定めがあるときは、その定めるところによることができる。

3 理事長は、通報対象事実が緊急を要すると認めるときは、委員会を設置せずに調査を実施し、是正措置等を講ずることができる。

(委員会の構成)

第11条 委員会は、理事長の指名する者をもって構成する。

2 委員会に委員長を置き、理事長が指名する者をもって充てる。

3 委員長は、会議を主宰し、調査の実施責任者となるものとする。

4 委員会が必要と認めた場合は、構成員以外の者の出席を求め、その意見を聴くことができる。

5 委員長は、必要に応じて調査の開始、進捗状況その他必要な事項を理事長及び総括責任者に報告するものとする。

(調査協力)

第12条 理事長及び委員会は、必要に応じて調査対象者や部局等に対し、関係資料の提出、事実の証明、報告その他必要な調査協力を求めることができる。

2 調査対象者及び関係部局等は、調査協力を求められた場合は、これに協力しなければならない。

(調査の配慮義務等)

第13条 調査の実施に当たっては、通報者が特定されないよう、又は通報者、被通報者及び調査に協力した者等の秘密、信用、名誉及びプライバシー等を侵害することのないよう調査方法等に十分配慮しなければならない。

2 大学は、必要に応じて調査の進捗状況を通報者に適宜通知するものとする。

(調査結果のまとめ及び報告)

第14条 委員会は、調査結果及び是正措置等を速やかに取りまとめ、理事長及び総括責任者に報告するものとする。

(是正措置等)

第15条 理事長は、調査の結果必要があると認めるときは、速やかに是正措置等を講じ、又は部局等の長に対し是正措置等を命じなければならない。

2 理事長長は、前項の是正措置等を講じるに当たり、必要に応じて、委員会又は総括責任者に意見を求めることができる。

3 部局等の長は、第1項の規定により是正措置等を命じられたときは、当該是正措置等の内容、是正結果等を理事長に報告するものとする。

4 理事長は、第1項の是正措置等を講じた場合及び前項の報告を受けた場合、その内容等を総括責任者に通知する。

(通知)

第16条 大学は、調査結果及び是正措置等を講じた場合はその内容を、遅滞なく当該通報者に通知しなければならない。ただし、匿名による公益通報については、この限りでない。

2 大学は、前項の通知を行うときは、被通報者又は当該調査に協力した者等の信用、名誉及びプライバシー等に配慮しなければならない。

(通報者の保護)

第17条 大学は、役職員等が公益通報等をしたことを理由として、解雇(労働者においては労働者派遣契約等の解除)その他いかなる不利益な取扱いも行ってはならない。

2 大学は、公益通報等をしたことを理由として、当該役職員等に対し、不利益な取扱いや嫌がらせ等が行われるなど職場環境が悪化することのないよう適切な措置を講じなければならない。

(不正を目的とする通報の禁止)

第18条 通報者は、虚偽の通報や、他人を誹謗中傷する通報その他の不正を目的とする通報を行ってはならない。

(秘密保持、範囲外共有の防止)

第19条 この規程に定める業務に携わる者は、法令に基づく場合等の正当な理由がない限り、当該業務に関する情報について秘密を保持しなければならず、目的外に使用してはならない。当該業務に携わる者でなくなった後も同様とする。

2 通報者を特定させる事項については、必要最小限の範囲を超えて共有しないものとする。ただし、当該者の承諾がある場合は、この限りではない。

3 役職員等は、通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施できない等のやむを得ない場合を除き、当該者の探索を行ってはならない。

(利益相反の排除)

第20条 公益通報等の内容により不利益を受ける者等、当該事項に関係する者は、当該事項に係る相談、調査、是正措置等の業務に関与させないものとする。

(公益通報に準ずる取扱い)

第21条 役職員等以外の者からの通報対象事実に関する通報等があったとき及び通報対象事実以外に係る公益通報等があったときは、この規程の定めに準じて取り扱うものとする。

(教育・周知)

第22条 総括責任者は、役員及び職員等に対し、公益通報に係る体制・運営等について必要な教育・周知を行う。従事者に対しては、通報者を特定させる事項の取扱いについて、特に十分に教育を行うものとする。

(相談窓口の体制・運営等の評価・点検及び運用実績の開示等)

第23条 総括責任者は、通報窓口の体制・運営等について定期的に評価・点検を実施するとともに、必要に応じて改善を行うものとする。

2 総括責任者は、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報窓口に寄せられた公益通報等に関する運用実績の概要を役員及び職員等に開示する。

(雑則)

第24条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、別に定める。

1 この規程は、令和6年10月1日から施行する。

2 次に掲げる規程及び規則は、廃止する。

 国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程(平成18年規則第13号)

 国立大学法人東京医科歯科大学における公益通報の処理等に関する規則(平成18年規則第9号)

国立大学法人東京科学大学公益通報者保護規程

令和6年10月1日 規程第12号

(令和6年10月1日施行)

体系情報
東京科学大学/ [全学規則]/第2編
沿革情報
令和6年10月1日 規程第12号