○国立大学法人東京科学大学受託研究取扱規則

令和6年10月1日

規則第107号

(趣旨)

第1条 国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)における受託研究の取扱いについては、別に定めがある場合を除くほか、この規則の定めるところによる。

(定義)

第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 受託研究 大学において民間等外部の機関(以下「委託者」という。)からの委託を受けて行う研究で、これに要する経費を委託者が負担するものをいう。

 部局 各学院、各研究科、各学部、リベラルアーツ研究教育院、各研究院、附属科学技術高等学校、病院、各共通教育組織及び各共通支援組織をいう。

 部局長 前号の各部局の長をいう。

 研究代表者 大学で行われる受託研究を統括する教員等(大学教員(マネジメント教授及びマネジメント准教授(以下「マネジメント教授等」という。)を含む。)、特任教員、研究員及び特定教員並びに高校教員をいう。)をいう。

 直接経費 謝金、旅費、研究支援者等の人件費、消耗品費及び設備費等の当該研究遂行に直接必要な経費をいう。

 間接経費 光熱水料、研究で使用する大学インフラの整備・維持経費、研究実施に伴い生じる管理事務経費及び大学の教員がインセンティブをもって受託研究に取り組むために必要な諸経費をいう。

 戦略的産学連携経費 受託研究に従事する職員の人件費相当額その他産学連携に伴う経費で直接経費及び間接経費以外に受託研究を実施する上で戦略的に必要となる経費をいう。

 発明等 特許権の対象となるものについては発明、実用新案権の対象となるものについては考案、意匠権、商標権、回路配置利用権及び著作権の対象となるものについては創作、育成者権の対象となるものについては育成並びにノウハウの対象となるものについては案出をいう。

(受入れの基準)

第3条 受託研究は、大学の研究・教育(マネジメント教授等においては、大学運営の高度化のための業務をいう。以下同じ。)上有意義であり、かつ、本来の研究・教育に支障を生じるおそれがないと認められる場合に限り、受け入れるものとする。

(受入れの条件)

第4条 前条の規定により受託研究を受け入れる場合は、次に掲げる条件を付するものとする。

 受託研究は、委託者の都合により一方的に中止することはできないこと。ただし、委託者から中止の申出があった場合には、委託者と協議の上、決定すること。

 受託研究の結果生じた知的財産権(範囲においては契約書で別途定める。)は、大学に属するものとし、これを無償で使用させ、又は譲与することはできないこと。ただし、大学及び委託者が受託研究契約において合意した場合、別の取扱いができるものとすること。

 受託研究に要する経費(以下「受託研究費」という。)により取得した設備等は、返還しないこと。ただし、大学及び委託者が受託研究契約において合意した場合、別の取扱いができるものとすること。

 受託研究の遂行上必要な場合には、委託者から、直接経費、間接経費及び戦略的産学連携経費のほか、その所有に係る設備を受け入れることができるものとする。この場合における設備の搬入、据付け、運用等の経費及び撤去等に要する経費は、委託者が負担するものとする。

 やむを得ない事由により受託研究を中止し、又はその期間を延長する場合においても、大学は、その責を負わないこと。この場合においては、委託者にその事由を書面により通知すること。

 委託者が国(国以外の団体等で国からの補助金等を受け、その再委託により研究を委託することが明確なものを含む。以下この条から第6条までにおいて同じ。)の場合においては、受託研究を完了し、又は中止し、若しくはその期間を変更した場合において受託研究費に不用が生じ、委託者から不用となった額の返還請求があった場合には返還すること。ただし、委託者からの申出による中止の場合には、原則として経費は返還しないこととし、大学が受託研究契約を履行できないことによる中止の場合は、返還すること。

 委託者が国以外の場合においては、大学は、委託者が負担した経費は、返還しない。ただし、理事長が特にやむを得ない事情があると認めた場合は、この限りでないこと。

 委託者は、受託研究費を所定の期日までに納付すること。

 受託研究の実施中に、当該受託研究費に不足を生じると認めるときは、委託者と協議し、その不足額を委託者に負担させることができること。

(受託研究費の算定)

第5条 受託研究を受け入れるに当たって委託者が負担する額は、直接経費及び間接経費の合算額とする。ただし、次に掲げる場合は、直接経費とする。

 委託者が国で間接経費が措置されていない場合

 次のいずれかに該当する場合で、理事長が真にやむを得ないと認める場合

 従前から直接経費のみを受け入れていた研究課題で、継続して受け入れる場合

 競争的資金による研究費のうち、当該研究費に係る間接経費が措置されていない場合

2 前項の規定により委託者が負担する額を算定する場合、間接経費は直接経費の30%に相当する額とし、委託者側の事情により30%に相当する額と異なる額となる場合には、委託者と理事長が協議し合意した額とする。

(委託者が国以外の場合の受託研究費の算定)

第6条 前条の規定にかかわらず、委託者が国以外の場合であり、かつ、理事長と当該委託者が協議し合意した場合には、委託者が負担する額は、直接経費、間接経費及び戦略的産学連携経費の合算額とすることができる。この場合における間接経費及び戦略的産学連携経費の算定は、別に定めるところによる。

(受託研究の申込み)

第7条 受託研究の申込みをしようとする者は、所定の手続により、理事長に受託研究を申し込むものとする。

(受託研究の受入れ)

第8条 理事長は、前条の申込みがあった場合において、当該申込みについて審査の上、受入れの可否を決定するものとする。

2 理事長は、前条の申込みがあった場合、その概要を研究代表者の所属する部局長に通知するものとする。当該通知を受けた部局長は、当該受託研究を実施することにより部局の運営に支障を生ずると判断する場合、速やかにその旨を理事長に通知するものとする。

3 前項に定めるもののほか、理事長は、前条の申込みがあった受託研究をマネジメント教授等が実施する場合は、その実施の可否について、当該マネジメント教授等の所属する部局長に確認することとする。この場合において、当該部局長は、速やかに理事長に回答するものとする。

4 理事長は、受入れの可否を決定した場合には、その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(契約の締結)

第9条 理事長は、委託者と受託研究契約書により契約を締結した場合には、その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(受託研究費の変更)

第10条 研究代表者は、納付された受託研究費に不足が生じたときは、理事長に当該受託研究費の変更を申請するものとする。

2 理事長は、前項の規定による申請があった場合において、受託研究の遂行上変更の必要を認めるときは、これを承認し、変更契約を締結するものとし、その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(受託研究の中止又は期間の延長)

第11条 研究代表者は、受託研究を中止し、又は期間の延長をする必要が生じたときは、理事長に当該受託研究の中止又は期間の延長の申請をするものとする。

2 理事長は、前項の規定による申請があった場合において、当該受託研究の遂行上やむを得ないと認めるときは、これを中止又はその期間を延長することを承認し、契約を解除又は研究期間の延長契約を締結するものとする。この場合において、その旨を研究代表者の所属する部局長及び研究代表者に通知するものとする。

(進行状況の報告等)

第12条 理事長は、必要に応じて、研究代表者に受託研究の進行状況の報告を求めるものとする。

2 研究代表者は、研究期間中、必要に応じて報告会を開催する等、進行状況について報告を行うとともに、進行その他について委託者と協議するものとする。

(発明等の取扱い等)

第13条 理事長は、受託研究に伴い発明等が生じた場合には、帰属の決定、出願事務等が迅速かつ円滑に行われるよう努めなければならない。

2 理事長は、受託研究の結果、発明等を行った場合について、その扱いを受託研究契約に定めるものとする。

3 理事長は、受託研究の結果生じた大学帰属の発明等に係る知的財産権に関して実施許諾その他の契約を締結する際には、当該発明等に係る発明者が教育及び研究の目的のために当該発明等を実施できるよう努めるものとする。

4 前3項に定めるもののほか、大学における発明等の取扱いは、別に定める規則に従うものとする。

(発明等以外の研究成果の取扱い)

第14条 理事長は、受託研究の結果生じた発明等以外の研究成果(受託研究の実施に伴い生じたデータ及び有体物を含む。)について、その帰属及び取扱い等を受託研究契約の締結時に協議して定めておくものとする。

(知的財産権の譲与)

第15条 理事長は、第4条第2号ただし書の規定により、知的財産権の一部を譲与することを決定したときは、別に定める譲与契約書により、これを行うものとする。

(秘密の保持)

第16条 理事長及び委託者は、受託研究契約の締結に当たり、相手方から提供若しくは開示を受け、又は知り得た情報について、あらかじめ協議の上、非公開とすることを定めることができるものとする。

2 委託者から、契約締結自体を秘密にする旨の申出があった場合には、協議の上、非公開とすることができるものとする。

(報告書等の作成)

第17条 研究代表者は、受託研究実施期間中に得られた研究成果について、受託研究契約に基づき報告書として取りまとめるものとする。

(研究成果の公表)

第18条 受託研究による研究成果は、原則として公表するものとする。

2 理事長は、研究成果の公表の時期及び方法について、必要な場合には、特許権等の取得の妨げにならない範囲において、委託者との間で受託研究契約書等において適切に定めるものとする。

(国等の受託事業への準用)

第19条 受託研究に該当するもののほか、大学において、国、地方公共団体その他の公的機関(以下「国等」という。)からの委託を受けて行う事業で、これに要する経費を国等が負担するもの(国等以外の団体等で国等からの補助金等を受け、その再委託により事業を委託することが明確なものを含む。)の取扱いについては、この規則の規定を準用する。

(雑則)

第20条 この規則に定めるもののほか、受託研究の取扱いに関し必要な事項は、別に定める。

1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。

2 国立大学法人東京工業大学受託研究取扱規則(平成16年規則第22号。以下「旧東工大規則」という。)は、廃止する。

3 この規則の施行の日(以下「施行日」という。)の前に受け入れた旧東工大規則及び国立大学法人東京医科歯科大学受託研究等取扱規則(平成16年規則第78号)の規定に基づく受託研究等であって、施行日以後引き続いて受け入れるものは、施行日にこの規則の規定により受け入れたものとみなす。

国立大学法人東京科学大学受託研究取扱規則

令和6年10月1日 規則第107号

(令和6年10月1日施行)