○国立大学法人東京科学大学発明規則

令和6年10月1日

規則第114号

(目的)

第1条 この規則は、国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)の役職員等が行った発明等及びノウハウの取扱い等に関する基本的事項を定め、もって学術研究の成果の社会での実用化を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 発明等 次に掲げるものをいう。

 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許権の対象となる発明

 実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案権の対象となる考案

 意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠権の対象となる意匠の創作

 半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権の対象となる回路配置の創作

 種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権の対象となる品種の育成

 ノウハウ 秘匿可能な技術に関する知見であって経済的価値を有するもの(前号に該当するものを除く。)をいう。

 発明者等 発明者、考案者並びに意匠及び回路配置の創作者並びに品種の育成者をいう。

 役職員等 次に掲げるものをいう。

 役職員及び大学と研究に係る雇用関係にある学生

 以外の者であって、大学の管理する研究資金又は研究設備を用いて行った研究の結果として発明等を行ったときに、発明等の特許等を受ける権利を大学に帰属させる定めのある契約(書面による同意を含む。)を大学と締結している者

 職務発明等 次に掲げるものをいう。

 役職員等が大学の管理する研究資金又は研究設備を用いて行った研究の結果生じた発明等

 前号に規定する研究資金又は研究設備を用いない場合であっても、その性質上大学の業務範囲に属し、かつ、発明等をするに至った行為が大学における役職員等の現在又は過去の職務に属すると認められる発明等

 特許等 特許、登録実用新案、登録意匠、登録回路配置及び登録品種をいう。

 特許権等 特許権、実用新案権、意匠権、回路配置利用権及び育成者権並びに外国においてこれらの権利に相当する権利をいう。

 特許等を受ける権利 特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利、意匠登録を受ける権利、回路配置利用権の設定の登録を受ける権利及び品種登録を受ける権利並びに外国においてこれらの権利に相当する権利をいう。

(発明等に関する権利の帰属)

第3条 大学は、役職員等が行った職務発明等に係る特許等を受ける権利を承継することができる。

2 大学は、発明等について2人以上の発明者等がいる場合は、役職員等が行った職務発明等に係る特許等を受ける権利の持分を承継することができる。

3 大学が承継しなかった職務発明等に係る特許等を受ける権利は、当該職務発明等を行った役職員等に帰属する。

4 大学は、職務発明等に該当しない発明等の特許等を受ける権利を、当該役職員等の書面による同意を得て承継することができる。

5 第1項から第3項までの規定にかかわらず、共同研究その他の研究に関する契約に基づく研究の成果として得た職務発明等であって、当該契約において当該職務発明等に係る特許等を受ける権利を大学に帰属させることが定められている場合は、職務発明等の完成時に当該職務発明等に係る特許等を受ける権利は大学に帰属するものとする。

(発明等の届出)

第4条 役職員等(2人以上の発明者等がいる場合は、その代表者)は、発明等を行ったときは、速やかに(遅くとも自らの意思による発明等の内容の公開の2月前までに)別に定める発明届出書(以下「発明届出書」という。)により大学に届け出なければならない。この場合において、役職員等は、発明届出書に各人の発明等に対する貢献の割合として寄与分を記載するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、役職員等のうち民間等外部の機関(以下この項において「外部機関」という。)に所属する者が発明等を行った場合であって、当該役職員等が行った発明等が当該外部機関での職務によることが明らかなときは、当該外部機関との間の契約で別途定めた上で、届出を省略できるものとする。

(発明等の審議)

第5条 前条第1項の規定により発明等の届出があったときは、大学は、発明等が職務発明等に該当するか否かの認定及び大学が当該発明等に係る特許等を受ける権利を承継するか否かについて、発明評価会議(以下「評価会議」という。)の議を経て決定する。

2 評価会議の構成員及び審議事項については、別に定める。

(権利の取扱いの決定等)

第6条 大学は、第4条第1項の規定により届出のあった発明等に係る特許等を受ける権利の取扱いの決定後、その決定について速やかに当該発明等の届出を行った者(以下この条において「届出者」という。)に、別に定める通知書(以下この条において「通知書」という。)により通知するものとする。

2 前項の規定による通知を受けた届出者が役職員等であって、当該通知に対し不服がある場合は、通知書を受領した日の翌日から起算して30日以内に理事長に対し、不服を申し立てることができる。

3 理事長は、前項の規定による不服申立てがあったときは、別に定める国立大学法人東京科学大学知財審査委員会(以下「知財審査委員会」という。)の議を経て、当該不服申立ての当否を決定するものとする。

4 理事長は、前項の規定による決定を当該不服申立てを行った届出者に通知するものとする。

(権利の承継等)

第7条 大学は、発明等について特許等を受ける権利の承継を決定した場合は、発明者等となる役職員等から書面による同意を得るものとする。

2 前項の規定にかかわらず、第3条第5項の規定により職務発明等に係る特許等を受ける権利が大学に帰属する場合は、大学は、発明者等となる役職員等から確認を得るものとする。

(大学が承継した発明等の取扱い)

第8条 大学は、前条の規定により特許等を受ける権利を発明者等から承継した発明等について、特許等の出願、特許権等の設定登録、特許権等の維持の要否等の処分を評価会議で決定し、必要な手続を実施する。

2 発明者等は、大学が前項の手続を実施するにあたり、当該発明等を行った者として可能な範囲で協力しなければならない。

(特許権等の活用)

第9条 大学は、保有する特許権等について、特許発明等を業として実施する者に対し、特許発明等の実施許諾又は特許権等の譲渡等(以下「実施許諾等」という。)による活用に努めるものとする。

2 大学は、実施許諾等について当該実施許諾等の相手方と協議の上、必要な契約を締結する。

(秘密の保持等)

第10条 大学及び発明者等は、職務発明等の内容その他職務発明等に関する事項について秘密を守らなければならない。ただし、大学と発明者等が合意の上公表する場合又は大学と発明者等の責によらずして公知となった場合は、この限りでない。

(職務発明等の実施)

第11条 役職員等は、自らが作成した職務発明等について、第7条の規定により特許等を受ける権利を大学に譲渡した発明等を含めて、大学での当該役職員等の職務の範囲で実施することができる。ただし、当該職務発明等の実施について、大学の規則又は第三者との契約等の規定で制限されている場合は、この限りではない。

(報奨金の支払等)

第12条 大学は、第9条の規定により特許権等の活用による収入があったときは、当該発明者等に対して大学の予算の範囲内において報奨金を支払うものとする。

2 報奨金の支払等に関し必要な事項は、別に定める。

(異動後の取扱い等)

第13条 大学から他機関へ異動した者であって、大学で自ら行っていた発明等が他機関で完成に至った場合、当該者は大学へ届け出なければならない。

2 他機関から大学へ異動した者であって、他機関で自ら行っていた発明等が大学で完成に至った場合又は他機関で自ら行っていた発明等が完成し当該発明等に係る特許等を受ける権利を承継したが当該発明等についての出願が大学への異動後となる場合は、当該者は大学へ届け出なければならない。

3 前2項の規定による届出があった場合において、大学は、当該他機関との間で、当該発明等の取扱いについて取り決めるものとする。

4 役職員等が大学に在職する期間中に行った発明等の取扱いについて、当該役職員等が退職した場合は、第4条から第10条まで並びに前条及び次条の規定を準用する。

(調停の申立て)

第14条 発明者等の決定又は発明等への寄与の決定について役職員等の間で争いが生じたときは、当該役職員等は、理事長に調停の申立てを行うことができる。

2 理事長は前項の調停の申立てがあったときは、知財審査委員会の議を経て、当該調停の申立ての当否を決定するものとする。

3 理事長は、前項の規定による決定を申立者に通知するものとする。

(ノウハウの取扱い等)

第15条 ノウハウの取扱いについては、第3条から前条までの規定を準用する。

2 著作物及び商標の取扱い並びに研究データ及び成果有体物の取扱いについては、別に定める。

(雑則)

第16条 この規則に定めるもののほか、この規則の実施に関し必要な事項は別に定める。

1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。

2 次に掲げる規則等(以下「旧規則」という。)は、廃止する。

 国立大学法人東京工業大学発明規則(平成16年規則第21号)

 国立大学法人東京工業大学発明規則取扱内規(平成16年4月1日制定)

 国立大学法人東京医科歯科大学職務発明規則(平成16年規則第242号)

3 この規則施行の日(以下「施行日」という。)前に、旧規則の規定により行われた発明等の届出、権利の承継等の決定その他の行為であって、この規則中相当する規定があるものは、施行日以後この規則により行われたものとみなす。

国立大学法人東京科学大学発明規則

令和6年10月1日 規則第114号

(令和6年10月1日施行)