○国立大学法人東京科学大学著作物取扱規則
令和6年10月1日
規則第115号
(目的)
第1条 この規則は、国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)の役職員等が職務上作成した著作物の取扱いについて規定し、著作者の権利を保障するとともに、著作物の作成及び利用を促進し、学術研究の成果の社会的活用及び学術研究の振興に資することを目的とする。
一 著作物 著作権法(昭和45年法律第48号)に定める著作物をいい、次に例示するもの(これらのデジタル情報を含む。)を含む。
イ プログラムの著作物
ロ データベースの著作物
ハ 建築の著作物
ニ 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
ホ 映像、動画、写真、静止画及び音楽の著作物
ヘ 学術論文、研究報告、調査報告、技術文書、講義資料、書籍、講演、脚本及び小説の著作物
二 役職員等 次に掲げるものをいう。
イ 役職員及び大学と研究に係る雇用関係にある学生
ロ イ以外の者であって、その者が作成した著作物を職務関連著作物として大学へ譲渡できる定めのある契約(書面による同意を含む。)を大学と締結している者
三 学外者 役職員等以外の者
四 職務著作物 役職員等が職務上作成した著作物(個人名義で作成した学術論文、学会発表、講演資料、講義資料、出版物等及びそれらに付随する実験データの図表等を除く。)であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
イ 大学の具体的な指示に基づき役職員等が作成した著作物(プログラムを除く。)であって、公表の際には大学名義の下で公表するもの
ロ 大学の具体的な指示に基づき役職員等が作成したプログラム
五 職務関連著作物 役職員等が職務上作成した著作物(個人名義で作成した学術論文、学会発表、講演、講義、出版物等及びそれらに付随する実験データの図表等を除く。)であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
イ 共同研究契約その他の契約(以下「共同研究契約等」という。)に基づく研究において役職員等が作成した著作物
ロ 大学の具体的な指示に基づき役職員等が作成した著作物(プログラムを除く。)であって、役職員等が個人名義で公表することを認められているもの
ハ 大学の具体的な指示に基づくことなく役職員等が作成した著作物
六 著作者人格権 著作権法第18条第1項に規定する公表権、同法第19条第1項に規定する氏名表示権及び同法第20条第1項に規定する同一性保持権並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利をいう。
(著作権等の帰属の原則)
第3条 役職員等が作成した職務著作物の著作者は大学とし、その著作権及び著作者人格権は原始的に大学に帰属する。
2 役職員等が作成した職務関連著作物の著作者は当該役職員等とし、その著作権及び著作者人格権は、原始的に当該役職員等に帰属する。
一 共同研究契約等に基づく研究の成果として得た職務関連著作物であって、当該契約において当該職務関連著作物に係る著作権の帰属が定められている場合 当該契約に従うものとする。
二 当該著作権について大学に帰属させると定められている場合 大学に帰属するものとする。
4 大学へ譲渡される職務関連著作物を作成した役職員等は、当該職務関連著作物について、著作者人格権を大学又は第三者へ行使しないものとする。
5 役職員等が作成した著作物で職務著作物又は職務関連著作物に該当しない著作物の著作者は当該役職員等とし、その著作権及び著作者人格権は、原始的に当該役職員等に帰属する。
(職務著作物等の届出)
第4条 役職員等は、職務著作物について、共同研究契約等により、当該職務著作物を当該契約相手又は第三者に利用させる場合は、別に定める様式(以下「届出書」という。)により、大学に届け出なければならない。この場合において、役職員等は、共同著作物(著作権法第2条第1項第12号に定めるものをいう。以下同じ。)を作成したときは、届出書に各人の著作物に対する貢献の割合として寄与分を記載するものとする。
2 役職員等は、自らが作成した職務関連著作物について、次の各号のいずれかに該当する場合は、届出書により、大学に届け出なければならない。この場合において、役職員等は、共同著作物を作成したときは、届出書に各人の著作物に対する貢献の割合として寄与分を記載するものとする。
一 共同研究契約等により、当該職務関連著作物を当該契約相手又は第三者に利用させる場合
二 当該役職員等の同意を前提に、大学が当該職務関連著作物の利用許諾契約等の締結により、当該職務関連著作物を利用許諾し、又は当該職務関連著作物の著作権の一部若しくは全部を譲渡する必要がある場合
(著作権の譲渡等に係る審議)
第5条 前条の著作物の届出があったときは、大学は、職務関連著作物の著作権の譲渡を受けるか否かその他必要な事項について、別に定める発明評価会議の議を経て決定する。
(著作権の取扱いの決定等)
第6条 大学は、第4条第2項に定める届出のあった職務関連著作物について著作権の譲渡を受けるか否かの決定後、その決定について速やかに当該職務関連著作物の届出者に通知するものとする。
2 前項の規定による通知(以下「決定通知書」という。)を受けた届出者が役職員等であって、決定通知書の内容に対し不服がある場合は、当該決定通知書を受領した日の翌日から起算して30日以内に理事長に対し、不服を申し立てることができる。
3 理事長は前項の規定による不服申立てがあったときは、別に定める国立大学法人東京科学大学知財審査委員会(以下「知財審査委員会」という。)の審議を経て、当該不服申立ての当否を決定するものとする。
4 理事長は、前項の規定による決定を、当該不服申立てを行った届出者に通知するものとする。
(権利の譲渡への同意)
第7条 大学が第4条第2項に定める届出のあった職務関連著作物について権利の譲渡を受けることを決定した場合は、当該届出をした役職員等から書面による同意を得るものとする。
(著作物の利用許諾等)
第8条 大学は、大学の職務著作物及び大学が譲渡を受けた職務関連著作物について、第三者に対する利用許諾又はその著作権の一部若しくは全部の譲渡を行う場合、必要な契約を締結する。
(学外者と共同で作成する著作物の取扱い)
第9条 役職員等は、学外者と共同で著作物を作成する際は、当該著作物の著作権がこの規則により取り扱われることについて、あらかじめ当該学外者の承諾を得ておくこととする。
2 役職員等は、学外者と共同で作成した職務著作物を一般公開する場合又は大学が共同研究契約等及び利用許諾契約等(以下「契約等」という。)の締結により職務著作物若しくは職務関連著作物を第三者に提供しようとする場合は、あらかじめ当該学外者の承諾を得た上で、第4条の規定に基づく届出において当該承諾を得た旨を申し出なければならない。
(職務著作物等の管理)
第10条 役職員等は、自らが作成した職務著作物及び職務関連著作物を適正に管理しなければならない。
(役職員等の使用及び利用)
第11条 役職員等は、自らが作成した職務著作物について、大学での職務の範囲で使用及び利用(複製、改変等を含む。以下この条において「使用等」という。)することができる。ただし、当該職務著作物の使用等について大学の規則及び第三者との契約等の規定で制限されている場合は、この限りでない。
2 役職員等は、自らが作成した職務関連著作物であって、第3条第3項の規定により大学に著作権を譲渡したものについて、大学での当該役職員等の職務の範囲で使用及び利用することができる。ただし、当該職務関連著作物の使用等について大学の規則及び第三者との契約等の規定で制限されている場合は、この限りでない。
3 役職員等は、自らが作成した職務関連著作物であって、大学が著作権の譲渡を受けていないものを共同研究その他で使用させることを第三者と契約締結した場合には、当該契約等に反する権利の行使又は処分等を行ってはならない。
(任意譲渡)
第12条 大学は、役職員等が作成した職務著作物又は職務関連著作物以外の著作物について、当該役職員等が大学への譲渡を希望した場合、当該著作権を譲り受けることができる。
2 前項の規定による譲渡の手続その他の行為については、この規則の職務関連著作物に係る規定を準用するものとする。
(報奨金の支払等)
第13条 大学は、著作物の活用(第三者への著作物の利用許諾又は著作権の一部若しくは全部の譲渡をいう。)による収入があったときには、当該著作物を作成した役職員等に対して大学予算の範囲内において報奨金を支払うものとする。
2 報奨金の支払等に関し必要な事項は、別に定める。
(異動後の取扱い等)
第14条 大学から他機関へ異動した者であって、大学で自ら作成していた著作物が他機関で完成に至った場合、当該者は大学へ届け出なければならない。
2 他機関から大学へ異動した者であって、他機関で自ら作成していた著作物が大学で完成に至った場合、当該者は大学へ届け出なければならない。
3 前2項の規定による届出があった場合、大学は当該他機関との間で、その取扱いについて取り決めるものとする。
4 役職員等が大学に在職する期間中に作成した著作物の取扱いについては、当該役職員等が退職した場合においても、この規則の規定によるものとする。
(調停の申立て)
第15条 著作物を作成した者の決定又は著作物の作成への寄与の決定について役職員等の間で争いが生じたときは、当該役職員等は、理事長に調停の申立てを行うことができる。
2 理事長は前項の調停の申立てがあったときは、知財審査委員会の議を経て、当該調停の申立ての当否を決定するものとする。
3 理事長は、前項の規定による決定を申立者に通知するものとする。
(雑則)
第16条 この規則に定めるもののほか、この規則の実施に関し必要な事項は、別に定める。
附則
1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。
2 次に掲げる規則(以下「旧規則」という。)は、廃止する。
一 国立大学法人東京工業大学データベース等取扱規則(平成16年規則第93号)
二 国立大学法人東京医科歯科大学著作権取扱規則(令和元年規則第136号)
3 この規則施行の日(以下「施行日」という。)前に、旧規則の規定により行われた著作物の届出、権利の承継等の決定その他の行為であって、この規則中相当する規定があるものは、施行日以後この規則により行われたものとみなす。