○国立大学法人東京科学大学共同研究取扱規則
令和6年10月1日
規則第118号
(趣旨)
第1条 国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)における共同研究の取扱いについては、別に定めがある場合を除くほか、この規則の定めるところによる。
一 共同研究 次に掲げるものをいう。
イ 大学において、民間等外部の機関(以下「共同研究機関」という。)から研究者及び研究経費等を受け入れて、教員等(大学教員(マネジメント教授及びマネジメント准教授(以下「マネジメント教授等」という。)を含む。)、特任教員、研究員及び特定教員をいう。以下同じ。)が当該共同研究機関の研究者と共通の課題について共同して行う研究
ロ 大学及び共同研究機関において共通の課題について分担して行う研究で、大学において、共同研究機関から研究者及び研究経費等又は研究経費等のみを受け入れるもの
ハ 大学及び共同研究機関において共通の課題について分担して行う研究で、研究経費等の受入れがないもの
二 部局等 各学院、各研究科、各学部、リベラルアーツ研究教育院、総合研究院、未来社会創成研究院、新産業創成研究院、病院、各共通教育組織及び各共通支援組織等をいう。
三 部局等の長 前号の部局等の長をいう。
四 研究代表者 大学で行われる共同研究を統括する教員等をいう。
五 直接経費 謝金、旅費、研究支援者等の人件費、消耗品費、理事長裁量スペース使用料、設備費等の当該研究遂行に直接必要な経費をいう。
六 戦略的産学連携経費 共同研究に従事する職員の人件費相当額、ベンチャーキャピタル等の仲介に伴うコーディネート費用、コンソーシアム型の共同研究において大学の共通知的財産を使用する場合の知財マネジメント経費その他産学連携の促進のための経費で戦略的に必要となる経費をいう。
七 医療情報料 当該研究遂行に当たり、大学が所有する医療、健診及び健康に関する情報を提供することにかかる費用をいう。
八 間接経費 光熱水料、研究で使用する大学インフラの整備・維持経費、管理事務経費等の共同研究の実施に伴い生じる大学の管理運営に必要な諸経費をいう。
九 発明等 特許権の対象となるものについては発明、実用新案権の対象となるものについては考案、意匠権、商標権、回路配置利用権及び著作権の対象となるものについては創作、育成者権の対象となるものについては育成並びにノウハウの対象となるものについては案出をいう。
(共同研究の受入れの決定等)
第3条 共同研究の受入れに当たっては、共同研究機関からの申込みに基づいて理事長がこれを決定するものとする。
2 大学との共同研究を希望する共同研究機関は、所定の手続により、原則として研究開始日の1月前までに理事長に共同研究を申し込むものとする。
3 理事長は、前項の規定による申込みがあった場合は、その概要を研究代表者の所属する部局等の長に通知するものとする。当該通知を受けた部局等の長は、当該共同研究を実施することにより部局等の運営に支障を生ずると判断する場合、速やかにその旨を理事長に通知するものとする。
5 理事長は、当該共同研究の受入れを決定した場合には、その旨を研究代表者の所属する部局等の長及び研究代表者に通知するものとする。
(契約の締結)
第4条 理事長は、共同研究契約書により契約を締結した場合には、原則としてその旨を研究代表者の所属する部局等の長及び研究代表者に通知するものとする。
(研究期間)
第5条 共同研究の契約期間は、原則として3月以上5年を超えないものとする。
2 共同研究の契約期間は、更新できるものとする。
(研究者の受入れ)
第6条 大学は、大学の研究・教育上有意義であり、かつ、本来の研究・教育に支障を生じるおそれがないと認められる場合に、共同研究機関に属する研究者を民間等共同研究員(以下「共同研究員」という。)として受け入れるものとする。
2 共同研究員として受け入れることができる者は、共同研究機関において、現に研究業務に従事しており、共同研究のために在職のまま大学に派遣される者とする。
3 共同研究員の受入れにあたっては、共同研究の申込時に、共同研究の遂行に十分な研究能力を有していることその他の共同研究員に係る情報について確認するものとする。
4 共同研究員は、所定の手続を経て、研究活動に必要な大学の施設、設備等を使用することができる。この場合において、当該共同研究に関係する研究代表者は、必要な手続等について指導しなければならない。
5 共同研究員の受入期間は、共同研究契約書で定める契約期間内とする。
一 各学院 月額65,000円に消費税額及び地方消費税額を加算し、共同研究員の受入期間に応じた月数を乗じた研究料
二 医学部、歯学部、医歯学総合研究科、保健衛生学研究科及び病院 月額35,000円に消費税額及び地方消費税額を加算し、共同研究員の受入期間に応じた月数を乗じた研究料
3 徴収した研究料は、返還しない。
4 前3項の規定にかかわらず、天災事変又は社会情勢により共同研究員の受入れができない期間が生ずる等、理事長が特に必要と認めた場合は、当該期間に応じて、研究料の一部又は全部を免除し、又は返還することができる。
(共同研究費の負担)
第8条 共同研究に要する経費(以下「共同研究費」という。)の負担は、次の各号に定めるところによる。
一 大学は、大学の施設・設備を共同研究の用に供するとともに、当該施設・設備の維持・管理に必要な経常経費等の一部を負担するものとする。
二 共同研究機関は、共同研究を遂行するために、直接経費及び間接経費を負担するものとする。
三 前号の規定にかかわらず、理事長と共同研究機関が協議し合意した場合には、共同研究機関は、直接経費及び間接経費のほか、戦略的産学連携経費を負担するものとする。
四 前2号の規定にかかわらず、共同研究機関が当該共同研究のために大学が保有する医療情報の提供を申請し、別に定める医療情報利活用委員会でその提供が承認された場合には、共同研究機関は、直接経費及び間接経費のほか、医療情報料を負担するものとする。
3 大学は、共同研究機関が負担した経費は、返還しない。ただし、理事長が特にやむを得ない事情があると認めた場合は、この限りでない。
(共同研究費の算定)
第9条 共同研究費の算定は、次の各号に定めるところによる。
一 直接経費 実費をもって算定するものとする。
二 戦略的産学連携経費 別に定める方法により算定するものとする。
三 医療情報料 別に定める方法により算定するものとする。
四 間接経費 直接経費(理事長裁量スペース使用料を除く。)の30%に相当する額とする。ただし、共同研究機関の事情により30%に相当する額と異なる額となる場合には、共同研究機関と理事長が協議し合意した額とする。
(支出)
第10条 共同研究費は、当該研究の目的達成のため必要かつ適正と認められるものに支出するものとする。
(共同研究における設備等の取扱い)
第11条 直接経費により大学が新たに取得した設備等は、大学の所有に属するものとする。
2 共同研究の遂行上必要な場合には、共同研究機関から、直接経費、戦略的産学連携経費、医療情報料及び間接経費のほか、その所有に係る設備を受け入れることができるものとする。この場合における設備の搬入、据付け、運用等の経費及び撤去等に要する経費は、共同研究機関が負担するものとする。
3 前2項の規定にかかわらず、大学及び共同研究機関が共同研究契約において合意した場合、別の取扱いをすることができるものとする。
(研究場所)
第12条 教員等は、共同研究のために必要な場合には、共同研究機関の施設において研究を行うことができるものとする。
2 前項の規定に基づき、教員等が当該施設において研究を行う場合は、研究用務のための出張として手続をとるものとする。
(共同研究費の変更)
第13条 研究代表者は、納付された共同研究費に不足が生じたときは、共同研究機関からの申込みに基づき、理事長に当該共同研究費の変更を申請するものとする。
2 理事長は、前項の規定による申請があった場合において、共同研究の遂行上変更の必要を認めるときは、これを承認し、変更契約を締結するとともに、その旨を研究代表者の所属する部局等の長及び研究代表者に通知するものとする。
(共同研究の中止又は期間の延長)
第14条 研究代表者は、共同研究を中止し、又は期間の延長をする必要が生じたときは、共同研究機関からの申込みに基づき、理事長に当該共同研究の中止又は期間の延長の申請をするものとする。ただし、天災事変又は社会情勢によりやむを得ず共同研究を継続できない場合等、理事長が認めた場合は、この限りでない。
2 理事長は、前項の規定による申請があった場合において、当該共同研究の遂行上やむを得ないと認めるときは、これを中止又はその期間を延長することを承認し、契約を解除又は研究期間の延長契約を締結するとともに、その旨を研究代表者の所属する部局等の長及び研究代表者に通知するものとする。
(進行状況の報告等)
第15条 理事長は、必要に応じて、研究代表者に共同研究の進行状況の報告を求めるものとする。
2 研究代表者は、研究期間中、必要に応じて報告会を開催する等、進行状況について報告を行うとともに、進行その他について共同研究機関と協議するものとする。
(報告書の作成)
第16条 教員等及び共同研究機関の研究者は、共同研究実施期間中に得られた研究成果について、共同研究契約に基づき報告書として取りまとめるものとする。
(研究成果の公表)
第17条 共同研究による研究成果は、原則として公表するものとする。
2 理事長は、公表の時期及び方法について、必要な場合には、特許権等の取得の妨げにならない範囲において、共同研究機関と協議の上、共同研究契約書等において適切に定めるものとする。
(発明等の取扱い)
第18条 理事長及び共同研究機関の長は、共同研究に伴い発明等が生じた場合には、速やかに、相互に連絡するとともに、帰属の決定、出願事務等が迅速かつ円滑に行われるよう努めなければならない。
2 理事長及び共同研究機関の長は、前項の発明等について速やかにその帰属等を決定できるよう、共同研究契約の締結時に、相互の役割分担等を協議して定めておくものとする。この場合において、理事長は、教員等以外の者を大学の研究者として共同研究に従事させるときは、当該者が発明等を行った場合に当該発明等に関する権利を大学帰属とすることについて、あらかじめ同意を得るものとする。
3 理事長及び共同研究機関の長は、共同研究の結果、共同して発明等を行った場合について、その取扱いを共同研究契約に定めるものとする。
4 理事長は、共同研究の結果生じた大学帰属の発明等に係る知的財産権に関して共同研究機関その他の外部機関に実施許諾その他の契約を締結する際には、当該発明等に係る発明者が教育及び研究の目的のために当該発明等を実施できるよう努めるものとする。
5 前各項に定めるもののほか、大学における発明等の取扱いは、別に定める大学の規則に従うものとする。
(発明等以外の共同研究成果の取扱い)
第19条 理事長及び共同研究機関の長は、共同研究の結果生じた発明等以外の研究成果(共同研究の実施に伴い生じたデータ及び有体物を含む。)につき、その帰属、取扱い等を共同研究契約の締結時に協議して定めておくものとする。
(秘密の保持)
第20条 理事長及び共同研究機関の長は、共同研究契約の締結に当たり、相手方から提供若しくは開示を受け、又は知り得た情報について、あらかじめ協議の上、非公開とすることを定めることができるものとする。
2 共同研究機関から、契約締結自体を秘密にする旨の申出があった場合には、協議の上、非公開とすることができるものとする。
(適用除外)
第21条 大学は、次の各号のいずれかに該当する場合は、この規則の一部を当該共同研究又は共同研究機関に適用しないことができる。
一 国、地方公共団体等との共同研究である場合
二 その他特別な事情があると理事長が認める場合
(雑則)
第22条 この規則に定めるもののほか、共同研究の取扱いに関し必要な事項は、別に定める。
附則
1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。
2 次に掲げる規則(以下「旧規則」という。)は、廃止する。
一 国立大学法人東京工業大学共同研究取扱規則(平成16年規則第23号)
二 国立大学法人東京医科歯科大学受託研究等取扱規則(平成16年規則第78号)
3 この規則の施行の日(以下「施行日」という。)の前に受け入れた旧規則の規定に基づく共同研究及び共同研究員であって、施行日以後引き続いて受け入れるものは、施行日にこの規則の規定により受け入れたものとみなす。
4 施行日の前日から引き続く有効な契約に基づき大学が受け入れる共同研究員に係る研究料の額については、なお従前の例による。