○国立大学法人東京科学大学成果有体物取扱規則
令和6年10月1日
規則第122号
(目的)
第1条 この規則は、国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)における研究活動で作製(創作、抽出又は取得をいう。以下同じ。)した成果有体物の取扱いに関し必要な事項を定め、もって成果有体物の適正な管理並びに外部機関に対する研究協力及び大学における研究促進を図ることを目的とする。
一 役職員等 次に掲げるものをいう。
イ 役職員及び大学と研究に係る雇用関係にある学生
ロ イ以外の者であって大学と研究に関する契約関係にある者
二 成果有体物 論文、講演その他の著作物等に関するもの及び研究データを格納した媒体を除き、役職員等が大学の業務として作製した物又は大学が教育、研修若しくは研究を目的として受け入れた者が役職員等の指導に基づく研究活動の一環として作製した物であって、有形かつ学術的・技術的価値を有するものをいい、当該物の子孫・増殖物及び当該物の機能を有し又は当該物により発現した無修飾な派生物(例えば、細胞株のサブクローン、当該物から精製又は分画されたサブセット、当該物がDNA又はRNAである場合はそれによって発現されるたんぱく質、当該物がハイブリドーマ細胞株である場合はそれによって分泌されるモノクローナル抗体などを含む。)を含む。
三 成果有体物の提供 成果有体物を外部機関の利用に供することを目的として、当該外部機関に有償又は無償で譲渡又は貸与する行為(外部機関に保管を依頼することを目的とした寄託を含む。)をいう。ただし、分析依頼のための提供及び特許出願のための生物寄託は含まない。
四 改変体 成果有体物の提供先である外部機関によって作製された当該成果有体物を含む改変物等をいう。
五 外部成果有体物 外部機関が研究活動で作製した物をいう。
(成果有体物の帰属)
第3条 成果有体物は、大学の帰属とする。
2 成果有体物が、大学と外部機関との共同研究その他の協力関係に基づいて作製されたものであるときは、当該協力関係に関する大学と外部機関との契約その他の合意の内容に基づき、その帰属を決定する。当該契約その他の合意がない場合は協議により、その帰属及び取扱いを決定し契約を締結するものとする。
3 改変体の帰属については、当該外部機関と大学との協議により定める。
(成果有体物の管理)
第4条 役職員等は、成果有体物を作製したとき、又は作製させたときは、これを適正に管理しなければならない。
2 役職員等は、法令等に違反することなく、成果有体物を大学の教育・研究活動において自由に使用及び改変することができる。
一 非営利機関へ提供する場合 原則無償とする。ただし、成果有体物の作製に要した経費相当額で提供することも可能とする。
二 営利機関への提供であって、大学と研究協力を構築するために当該機関が成果有体物の特性や特徴を確認することを目的とする場合 原則有償とする。ただし、大学と当該機関の協議により無償とすることも可能とする。
三 営利機関への提供であって、前号に該当しない場合 原則有償とする。
2 前項の規定にかかわらず、外部機関への提供の条件が大学の規則、契約その他の合意により定められている成果有体物については、当該規則等に従うものとする。
(成果有体物の提供に関する申請)
第6条 役職員等は、その管理する成果有体物を外部機関に提供しようとする場合で、次の各号のいずれかに該当するときは、別に定める申請書(以下「申請書」という。)を大学に提出しなければならない。
一 有償で提供しようとするとき。
二 その管理する成果有体物を外部機関に無償で提供する場合であって、当該外部機関が大学と提供に係る契約の締結を求めるとき。
三 その管理する成果有体物を外部機関に無償で提供する場合であって、第三者(当該外部機関を除く。)との契約等において当該成果有体物の扱いに制限が課されているとき。
一 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)、不正競争防止法(平成5年法律第47号)、個人情報の保護に関する法律その他関係法令及びガイドライン等(以下「法令等」という。)並びに大学の規則等に違反するとき。
二 国又は大学の定める倫理に違反するとき。
三 当該成果有体物の取扱いについて第三者(当該外部機関を除く。)との契約において他者への提供が禁止されているとき。
(成果有体物の提供の契約)
第8条 大学は、前条の規定により承認した成果有体物を外部機関に提供する場合は、適切な契約を締結した上で行うものとする。
一 第5条第1項第1号の規定によって得た収入の配分 収入金額を当該役職員等の所属する研究室に交付する。
二 第5条第1項第2号の規定によって得た収入の配分 収入金額の75%を当該役職員等の所属する研究室に交付する。
2 前項第3号において成果有体物を作製した研究室が複数ある場合は、当該研究室の間における成果有体物の作製に対する関与の程度に応じ、研究室交付金を配分して各研究室に交付する。
3 第1項第3号において成果有体物を作製した役職員等が複数いる場合は、当該役職員等の間における成果有体物の作製に対する関与の程度に応じ、役職員等報奨金を配分して各役職員等に交付する。
(外部成果有体物の受入れ)
第10条 役職員等は、大学に届け出ることにより、外部機関から外部成果有体物の提供を受けることができる。この場合において、役職員等は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 外部成果有体物の提供を受ける際に、当該外部機関又は当該外部機関の研究に関与する者の記録等による同意を得ることとし、相当の期間、当該記録等を保管すること。
二 外部成果有体物の提供を受けることが、関係法令及び大学の諸規則に抵触しないことを確認すること。
三 提供を受ける外部成果有体物の取扱いに関する条件があるときは、文書をもってこれを確認すること。
四 提供を受ける外部成果有体物の取扱いに関し、前号の条件があるときは、これを履行すること。
2 前項の規定による届出があった場合において、外部成果有体物の受入れが、大学の規則又は法令等に違反するときは、理事長は、当該受入れを拒否することができる。
3 大学が第1項の規定により外部成果有体物を受け入れるときは、大学が契約を締結する。
(役職員等の異動等に伴う使用)
第12条 役職員等は、異動、退職等により役職員等でなくなる場合に、当該役職員等が自ら大学の業務で作製した成果有体物について、異動先の外部機関又は個人で引き続き使用することを希望するときは、大学に申請しなければならない。
2 前項の規定による申請があった場合において、理事長が認めたときは、当該役職員等は異動先の外部機関又は個人で引き続き使用することができる。この場合において、異動先の外部機関又は個人の求めに応じて、大学が契約を締結し、当該成果有体物の帰属を移すことができるものとする。
3 役職員等が、外部機関から大学へ異動することに伴い大学に外部成果有体物を持ち込む場合は、大学に届け出るものとする。
(雑則)
第13条 この規則に定めるもののほか、成果有体物の取扱いに関し必要な事項は、別に定める。
附則
1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。
2 次に掲げる規則(以下「旧規則」という。)は、廃止する。
一 国立大学法人東京工業大学成果有体物取扱規則(平成20年規則第34号。以下「旧東工大規則」という。)
二 国立大学法人東京医科歯科大学研究成果有体物取扱規則(平成16年規則第243号。以下「旧医科歯科大規則」という。)
3 この規則の施行の日(以下「施行日」という。)前に、旧規則の規定により行った届出等であって、この規則中相当する規定があるものは、施行日以後この規則の規定により行った届出等とみなす。
4 前項の規定にかかわらず、施行日前に旧東工大規則第6条の規定による届出があった成果有体物の提供に係る役職員等への補償及び旧医科歯科大規則第6条の規定による申請があった成果有体物の提供に係る有償提供の還元については、なお従前の例による。