○国立大学法人東京工業大学における研究活動の不正行為についての調査等に関する規則

平成27年3月6日

規則第17号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 不正行為の通報・告発の受付等

第1節 通報・告発の受付(第3条)

第2節 通報等の取扱い(第4条)

第3節 通報者・被通報者の取扱い(第5条)

第4節 通報等の受付によらないものの取扱い(第6条)

第3章 不正行為の通報等に係る事案の調査

第1節 調査を行う機関(第7条)

第2節 予備調査(第8条―第10条)

第3節 本調査(第11条―第17条)

第4節 認定(第18条―第23条)

第4章 通報者及び被通報者に対する措置(第24条)

第5章 不正行為が行われたと認定された場合の措置(第25条―第29条)

第6章 不正行為は行われなかったと認定された場合の措置(第30条―第33条)

第7章 教育研究資金・経費の返還請求(第34条)

第8章 措置・認定・処分と訴訟との関係(第35条・第36条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規則は,国立大学法人東京工業大学における公正な研究活動に関する規則(平成27年規則第16号。以下「研究活動規則」という。)第3条第2項に基づき,国立大学法人東京工業大学(以下「大学」という。)における研究活動の不正行為に係る調査の体制・手続等を定めるものである。

(定義)

第2条 この規則における研究活動の不正行為とは,研究活動規則第12条第1項に定める特定不正行為とする。

2 この規則において使用する用語の定義は,この規則において定めるもののほか,研究活動規則の定義によるものとする。

第2章 不正行為の通報・告発の受付等

第1節 通報・告発の受付

(通報・告発の受付)

第3条 研究活動の不正行為に関する通報又は告発(以下「通報等」という。)をしようとする者(以下「通報者」という。)は,国立大学法人東京工業大学公益通報者保護規程(平成18年規程第13号。以下「保護規程」という。)第5条に基づき,通報等を行う。

2 大学は,保護規程第7条の規定に基づき,通報等及び相談を受け付ける。

3 通報等の受付や調査・事実確認等を担当する者は,自己と利害関係にある事案に関与をしてはならない。

4 通報等の受付から調査,認定,処分にいたる体制の責任者は,学長とする。

第2節 通報等の取扱い

(通報等の取扱い)

第4条 受付窓口は,通報等の内容を速やかに学長に報告し,学長は,直ちに研究を担当する理事・副学長及び関連する分野の複数の教員を指名の上,通報等を受理するか否かの協議を行う。

2 通報等は,原則として,顕名により,不正行為を行ったとする研究者・グループ,不正行為の態様等,事案の内容が明示され,かつ不正とする科学的な合理性のある理由が示されているもののみを受理する。

3 匿名による不正行為に関する情報提供があった場合,学長は関係部署に事実確認を命じ,事実確認の結果,提供された情報が正しいと判断した場合は,顕名による通報等と同様の取扱いとする。

4 第1項の協議の結果,通報等を受理することとなった場合は,学長は被通報者の所属部局の長に予備調査を行わせる。被通報者の所属部局が特定されない場合は,学長が予備調査を行う者を指名する。

5 学長は,通報等の受理の可否について決定した場合は,保護規程第12条第1項及び第2項に基づき,通報者に通知する。

6 大学が通報等の調査を行うべき機関に該当しないときは,第7条により調査機関に該当する研究・資金配分機関に当該通報等を回付する。また,通報等の内容により大学以外に調査を行うべき研究・資金配分機関が想定される場合,学長は該当する研究・資金配分機関に当該通報等について通知する。

7 他機関から通報等の回付があった際は,受付窓口で受け付けたものと同等の取扱いをするものとする。

8 書面による通報等など,受付窓口が受け付けたか否かを通報者が知りえない方法による通報等がなされた場合は,学長は通報者(匿名の通報者を除く。ただし,調査結果が出る前に通報者の氏名が判明した後は顕名の通報者として取り扱う。)に,通報等を受け付けたことを通知する。

9 通報等の意思を明示しない相談について,学長は,その内容に応じ,通報等に準じてその内容を確認・精査し,相当の理由があると認めた場合は,相談者に対して通報等の意思があるか否かの確認を行うものとする。

10 不正行為が行われようとしている,又は不正行為が求められているという通報等・相談については,学長はその内容を確認・精査し,相当の理由があると認めたときは,被通報者に警告を行うものとする。ただし,学長は,大学が被通報者の所属する機関でないときは,被通報者の所属する研究機関に事案を回付することができる。その場合にあって,学長が警告を行ったときは,被通報者が所属する研究機関に警告の内容等を通知する。

第3節 通報者・被通報者の取扱い

(通報者・被通報者の取扱い)

第5条 受付窓口は,通報等を受け付ける場合,個室での面談や受付窓口の担当者以外の者が電話や電子メールなどを見聞きできないようにするなど,通報等の内容や通報者・相談者の秘密を守るために適切な方法を講じる。

2 学長は,受付窓口に寄せられた通報等の通報者,被通報者,通報等の内容及び調査内容について,調査結果の公表まで,通報者及び被通報者の意に反して調査関係者以外に漏洩しないよう,関係者の秘密保持を徹底する。

3 調査事案が漏洩した場合,学長は通報者及び被通報者の了解を得て,調査中にかかわらず調査事案について公表することができる。ただし,通報者又は被通報者の責により漏洩した場合は,通報者又は被通報者の了解は不要とする。

4 学長は,悪意(被通報者を陥れるため,又は被通報者が行う研究活動を妨害するためなど,専ら被通報者に何らかの損害を与えることや被通報者が所属する機関・組織等に不利益を与えることを目的とする意思。以下同じ。)に基づく告発を防止するため,以下の事項を学内外に予め周知する。

 通報等は,原則として顕名によるもののみを受け付けること

 通報等は,不正とする科学的な合理性のある理由を示すことが必要であること

 通報者に対し,調査に協力を求める場合があること

 調査の結果,悪意に基づく通報等であったことが判明した場合は,通報者について,氏名の公表や懲戒処分,刑事告発があり得ること

5 学長は,悪意に基づく通報等であることが判明しない限り,単に通報等をしたことを理由に,通報者に対し,解雇,降格,減給その他不利益な取扱いをしないものとする。

6 学長は,相当な理由なしに,単に通報等がなされたことのみをもって,被通報者の研究活動を部分的若しくは全面的に禁止し,又は解雇,降格,減給その他不利益な取扱いをしてはならない。

7 前6項に掲げるもののほか,必要な事項がある場合には公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「保護法」という。)に準じて取り扱うものとする。

第4節 通報等の受付によらないものの取扱い

(通報等の受付によらないものの取扱い)

第6条 学長は,第4条第9項による通報等の意思を明示しない相談について,通報等の意思表示がなされない場合にも,必要に応じて,その事案の調査を開始させることができる。

2 学会等の研究者コミュニティや報道により不正行為の疑いが指摘された場合は,通報等があった場合に準じた取扱いをすることができる。

3 不正行為の疑いがインターネット上に掲載されている(不正行為を行ったとする研究者・グループ,不正行為の態様等,事案の内容が明示され,かつ不正とする科学的な合理性のある理由が示されている場合に限る。)ことが確認された場合,通報等があった場合に準じた取扱いをすることができる。

第3章 不正行為の通報等に係る事案の調査

第1節 調査を行う機関

(調査を行う機関)

第7条 大学に所属する(どの研究機関にも所属していないが専ら大学の施設・設備を使用して研究する場合を含む。)研究者に係る不正行為の通報等があった場合,原則として,大学が通報等された事案の調査を行う。

2 被通報者が大学以外の研究機関にも所属する場合,原則として被通報者が通報等された事案に係る研究活動を主に行っていた研究機関を中心に,所属する複数の研究機関が合同で調査を行うものとする。ただし,中心となる研究機関や調査に参加する研究機関については,関係研究機関間において,事案の内容等を考慮して別の定めをすることができる。

3 現に大学に所属する被通報者が大学と異なる研究機関で行った研究活動に係る通報等があった場合,大学と当該研究活動が行われた研究機関とが合同で,通報等された事案の調査を行う。

4 被通報者が,大学を既に離職している場合,現に所属する研究機関が,大学と合同で,通報等された事案の調査を行う。被通報者が離職後,どの研究機関にも所属していないときにおいて,通報等された事案に係る研究活動を大学で行っていた場合は,大学が通報等された事案の調査を行う。

5 前4項によって,大学が通報等された事案の調査を行うこととなった場合,被通報者が大学に現に所属しているかどうかにかかわらず,大学は誠実に調査を行うものとする。

6 被通報者が,調査開始のとき及び通報等された事案に係る研究活動を行っていたときの双方の時点でいかなる研究機関にも所属していなかった場合や,調査を行うべき研究機関による調査の実施が極めて困難であると,通報等された事案に係る研究活動の予算を配分した資金配分機関が特に認めた場合は,当該資金配分機関が調査を行う。この場合,当該資金配分機関から協力を求められたときは,大学は誠実に協力するものとする。

7 大学は,他の機関や学協会等の研究者コミュニティに,また,資金配分機関は,通報等された事案に係る研究活動の分野に関連がある機関や学協会等の研究者コミュニティに調査を委託すること又は調査を実施する上での協力を求めることができる。このとき,第5条第1項から第3項までの規定及び第7条から第23条までの規定は,委託された機関等又は調査に協力する機関等に準用されるものとする。

第2節 予備調査

(調査体制)

第8条 第4条第4項に規定する予備調査は,被通報者の所属部局の長又は学長が指名した者(以下「部局の長等」という。)が速やかに実施する。部局の長等は,予備調査委員会を設置し,予備調査委員を指名する。予備調査委員会の委員長(以下「予備調査委員長」という。)は部局の長等とする。

(調査方法)

第9条 予備調査委員会は,通報等された行為が行われた可能性,通報等の際示された科学的合理的理由の論理性,通報等された研究活動の公表から通報等までの期間が生データ,実験・観察ノート,実験試料・試薬など研究成果の事後の検証を可能とするものについての各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間,又は大学が定める保存期間を超えるか否かなど通報等内容の合理性,調査可能性等について予備調査を行う。

2 通報等がなされる前に取り下げられた論文等に対する通報等についての予備調査を行う場合は,取下げに至った経緯・事情を含め,不正行為の問題として調査すべきか否か調査し,判断するものとする。

(本調査の決定等)

第10条 予備調査委員長は,通報等を受け付けた日から30日以内に,学長に予備調査結果を報告する。ただし,予備調査委員長は,30日以内に学長へ報告ができない合理的な理由がある場合は,その理由及び報告の予定日を付して学長に申し出て,承認を得るものとする。

2 学長は,予備調査結果を踏まえ,直ちに本調査を行うか否かを決定する。

3 学長は,本調査を行わないことを決定した場合は,その旨,理由を付して通報者に通知する。この場合,予備調査委員長は,大学又は部局等の定めるところにより予備調査に係る資料等を保存するものとし,資金配分機関や通報者の求めがあった場合,開示するものとする。

第3節 本調査

(通知・報告)

第11条 学長は,本調査を行うことを決定した場合は,通報者及び被通報者に対し本調査を行うことを通知し,調査への協力を求める。被通報者が大学以外の機関に所属している場合は,その所属機関にも通知する。通報等された事案の調査にあたっては,通報者が了承したときを除き,調査関係者以外の者や被通報者に通報者が特定されないよう配慮する。

2 学長は,当該事案に係る資金配分機関及び文部科学省に本調査を行う旨を報告する。

3 本調査は,本調査実施の決定後30日以内に開始するものとする。

(調査体制)

第12条 学長は,調査委員会を設置し,委員長には予備調査委員長を充てる。ただし,学長は,案件により,研究を担当する理事・副学長を委員長に充てることができる。

2 委員会の構成は研究を担当する理事・副学長を含め,10名以内とし,調査委員の過半数が大学に属さない外部有識者とする。

3 大学に属する調査委員は,学長が指名し,教育研究評議会の評議員,当該被通報者に係る研究分野の専門知識を有する者,その他調査に必要な者とする。

4 全ての調査委員は,通報者及び被通報者と直接の利害関係を有しない者でなければならない。

5 学長は,調査委員会を設置したときは,委員の氏名や所属を通報者及び被通報者に通知する。通知を受けた通報者及び被通報者は,10日以内に委員に関する異議申立てをすることができる。異議申立てがあった場合は,学長及び委員長は,異議申立ての内容を審議し,その内容が妥当であると判断したときは,当該異議申立てに係る調査委員を交代させるとともに,その旨を通報者及び被通報者に通知する。

(調査方法及び権限)

第13条 調査委員会は,通報等された事案に係る研究活動に関する論文や実験・観察ノート,生データ等の各種資料の精査,関係者のヒアリング,再実験の要請等により調査を行うものとする。

2 前項の調査の際,被通報者の弁明の聴取を行わなければならない。

3 通報等された不正行為が行われた可能性を調査するために,調査委員会が再実験などにより再現性を示すことを被通報者に求める場合,又は被通報者自らの意思によりそれを申し出て調査委員会がその必要性を認める場合は,それに要する期間及び機会(機器・経費を含む。)に関し調査委員会が合理的に必要と判断される範囲内において,これを行う。その際,調査委員会の指導・監督の下に行うものとする。ただし,被通報者により同じ内容の申し出が繰り返して行われた場合において,それが当該事案の引き伸ばしや認定の先送りが主な目的としていると調査委員会が判断するときは,当該申し出を認めないものとする。

4 この条の本調査に関して,学長は調査委員会の調査権限について定め,調査に関係する者に周知する。この調査権限に基づく調査委員会の調査に対し,通報者及び被通報者などの関係者は,誠実に協力しなければならない。また,大学以外の機関において調査がなされる場合,大学は当該機関に協力を要請する。

(調査の対象となる研究活動)

第14条 調査の対象には,通報等された事案に係る研究活動のほか,調査委員会の判断により,調査に関連した被通報者の他の研究活動も含めることができる。

(証拠の保全措置)

第15条 調査委員会は,本調査にあたって,通報等された事案に係る研究活動に関して,証拠となるような資料等を保全する措置をとる。この場合,通報等された事案に係る研究活動が行われた研究機関が大学でない場合,調査委員会は,通報等された事案に係る研究活動に関して,証拠となるような資料を保全する措置をとるように当該研究機関に依頼する。

2 調査委員会は,関係資料の入手が困難又は隠蔽が行われるおそれがある場合には,必要最小限の範囲で通報等に係る研究活動の停止,調査事項に関連する場所の一時閉鎖又は機器・資料の保全措置を行うことができる。この場合,当該措置を行うにあたっては,関係部局等の長にその旨通知するものとする。

3 調査委員会は前2項の措置に影響しない範囲であれば,被通報者の研究活動を制限しない。

(調査における研究又は技術上の情報の保護)

第16条 調査委員会は,調査対象における公表前のデータ,論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が,調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう十分配慮する。

(調査の中間報告)

第17条 大学が通報等された事案に係る研究活動が行われた研究機関であるときは,通報等された事案に係る研究活動の予算の配分又は措置をした資金配分機関等の求めに応じ,調査の終了前であっても,調査の中間報告を当該資金配分機関に提出するものとする。

第4節 認定

(認定)

第18条 調査委員会は,本調査の開始後,150日以内に調査した内容をまとめ,不正行為が行われたか否か,不正行為と認定された場合はその内容,不正行為に関与した者とその関与の度合,不正行為と認定された研究活動に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究活動における役割を認定する。ただし,150日以内に認定できない合理的な理由がある場合は,その理由及び認定予定日を付して学長に申し出て,承認を得るものとする。

2 不正行為が行われなかったと認定される場合であって,調査を通じて,通報等が悪意に基づくものであることが判明したときは,調査委員会は,併せてその旨の認定を行うものとする。この認定を行うにあたっては,通報者に弁明の機会を与えなければならない。

3 調査委員会は,前2項について認定が終了したときは,直ちに学長に報告するものとする。

(不正行為の疑義への説明責任)

第19条 調査委員会の調査において,被通報者が通報等された事案に係る研究活動に関する疑惑を晴らそうとする場合には,自己の責任において,当該研究活動が科学的に適正な方法と手続きに則って行われたこと,論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを,科学的根拠を示して説明しなければならない。そのために,再実験等を必要とするときには,学長は,必要相当期間の範囲内で,その機会を保障する。

(不正行為か否かの認定)

第20条 調査委員会は,前条により被通報者が行う説明を受けるとともに,調査によって得られた,物的・科学的証拠,証言,被通報者の自認等の諸証拠を総合的に判断して,不正行為か否かの認定を行う。その認定において,調査委員会は証拠の証明力を判断するほか,被通報者の研究体制,データチェックの状況など多面的に客観的不正行為事実及び故意性等を判断するものとする。なお,被通報者の自認を唯一の証拠として不正行為と認定することは出来ない。

2 不正行為に関する証拠が提出された場合には,被通報者の説明及びその他の証拠によって,不正行為であるとの疑いが覆されないときは,不正行為と認定される。また,被通報者が生データや実験・観察ノート,実験試料・試薬等の不存在など,本来存在すべき基本的な要素の不足により,不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも同様とする。

3 被通報者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず,災害等の被通報者の責によらない理由により,前項の基本的な要素を十分に示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められる場合は,前項の規定は適用されない。また,生データや実験・観察ノート,実験試料・試薬等の不存在などが,各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間や被通報者が所属する,又は通報等に係る研究活動を行っていたときに所属していた研究機関が定める保存期間を超えることによるものである場合についても同様とする。

4 第19条の説明責任の程度及び第2項の本来存在するべき基本的要素については,研究分野の特性に応じ,調査委員会の判断に委ねるものとする。

(調査結果の通知および報告)

第21条 学長は,調査結果(認定を含む。)を速やかに通報者及び被通報者(被通報者以外で不正行為に関与したと認定された者を含む。)に通知する。被通報者が大学以外の機関に所属している場合は,その所属機関にも当該調査結果を通知する。

2 学長は,その事案に係る資金配分機関等及び文部科学省に別紙1に基づき当該調査結果を報告する。

3 悪意に基づく通報等との認定があった場合,大学は通報者の所属機関にも通知する。

(不服申立て)

第22条 不正行為と認定された被通報者は,30日以内に調査委員会に不服申立てをすることができる。ただし,その期間内であっても,同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。

2 通報等が悪意に基づくものと認定された通報者(被通報者の不服申立ての審議の段階で悪意に基づく通報等と認定された者を含み,その認定については,第18条第2項を準用する。)は,その認定について,前項の例に基づき,不服申立てをすることができる。

3 不服申立ての審査は調査委員会が行う。その際,不服申立ての趣旨が新たに専門性を要する判断が必要となるものである場合には,調査期間は調査委員の交代若しくは追加,又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせるものとする。ただし,大学が当該不服申立てについて調査委員会の構成の変更等を必要とする相当の理由がないと認めるときは,この限りではない。

4 不正行為があったと認定された場合に係る被通報者による不服申立てについて,調査委員会(前項の調査委員会に代わる者を含む。以下この条において同じ。)は,不服申立ての趣旨,理由等を勘案し,その事案の再調査を行うか否かを速やかに決定する。当該事案の再調査を行うまでもなく,不服申立てを却下すべきものと決定した場合には,直ちに学長に報告し,学長は被通報者に当該決定を通知する。このとき,当該不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会が判断するときは,以後の不服申立てを受け付けないことを併せて通知するものとする。

5 前項の不服申立てについて,再調査を行う決定を行った場合には,調査委員会は直ちに学長に報告し,学長は被通報者に当該決定を通知する。再調査を行うにあたり,調査委員会は被通報者に対し,先の調査結果を覆すに足る資料の提出等,当該事案の速やかな解決に向けて,再調査に協力することを求める。その協力が得られない場合には,再調査を行わず,審査を打ち切ることができる。その場合には調査委員会は直ちに学長に報告し,学長は被通報者に当該決定を通知する。

6 学長は,被通報者から不正行為の認定に係る不服申立てがあったときは,通報者に通知するとともに,その事案に係る資金配分機関等及び文部科学省に報告する。不服申立ての却下及び再調査開始の決定をしたときも同様とする。

7 調査委員会は,再調査を開始した場合には,50日以内に,当初の調査結果を覆すか否かを決定し,その結果を直ちに学長に報告する。ただし,50日以内に調査結果を覆すか否かの決定ができない合理的な理由がある場合は,その理由及び決定予定日を付して学長に申し出て,承認を得るものとする。

8 学長は,前項の再調査の結果を被通報者,被通報者が所属する部局等又は機関,通報者及び関係する資金配分機関及び文部科学省に通知する。

9 調査委員会は,第2項の悪意に基づく通報等と認定された通報者から不服申立てがあった場合は,直ちに学長に報告し,学長は,通報者が所属する部局等又は機関,被通報者及び関係する資金配分機関及び文部科学省に通知する。

10 調査委員会は,前項の不服申立てについては,30日以内に再調査を行い,その結果を学長に報告するものとする。ただし,30日以内に再調査を行うことができない合理的な理由がある場合は,その理由及び決定予定日を付して学長に申し出て,承認を得るものとする。

11 学長は,前項の再調査の結果を通報者,通報者が所属する部局等又は機関,被通報者及び関係する資金配分機関及び文部科学省に通知する。

(調査結果の公表)

第23条 学長は,調査の結果,不正行為が行われたとの認定があった場合は,速やかに調査結果を公表する。

2 前項の公表の内容は,少なくとも不正行為に関与した者の氏名・所属,不正行為の内容,公表時までに行った措置の内容,調査委員の氏名・所属,調査の方法・手順等を含むものとする。不正行為に関与した者の氏名等の公表は,国立大学法人東京工業大学における懲戒処分の公表基準(平成16年4月1日学長裁定)に基づき行うものとする。

3 学長は,再発防止の観点から,前2項の調査結果を大学構成員に周知するものとする。

4 学長は,不正行為が行われなかったとの認定があった場合は,原則として調査結果を公表しない。ただし,公表までに調査事案が外部に漏洩していた場合又は論文等に故意によるものではない誤りがあった場合は,調査結果を公表する。

5 前項ただし書きの公表の内容は,不正行為が行われなかったこと(論文等に故意によるものではない誤りがあった場合はそのことを含む。),被通報者の氏名・所属,調査委員の氏名・所属,調査の方法・手順等とする。

6 学長は,悪意に基づく通報等の認定がされたときは,通報者の氏名・所属及び悪意に基づく通報等と認定した理由を公表する。

第4章 通報者及び被通報者に対する措置

(調査中における一時的措置)

第24条 学長は,本調査を行うことを決定したときから調査委員会の調査結果の報告を受けるまでの間,通報された研究活動に係る教育研究資金の支出を停止できる。

2 学長は,資金配分機関から,被通報者が当該教育研究資金の使用停止を命じられた場合は,その支出を停止する。

第5章 不正行為が行われたと認定された場合の措置

(教育研究資金の使用中止)

第25条 学長は,不正行為が行われたと認定された者及び関与したとまでは認定されないが,不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された著者(以下「被認定者」という。)に対して,直ちに当該研究活動にかかる教育研究資金の使用中止を命ずるものとする。

(論文等の取り下げの勧告)

第26条 学長は,被認定者に対して,不正行為と認定された論文等の取下げの勧告を行い,被認定者は,勧告を受けた後,10日以内に勧告に応ずるか否かについて学長に意思表示しなければならない。

2 学長は,不正行為と認定された論文等の取下げの勧告に被認定者が応じなかった場合は,その事実を公表する。

(被認定者の処分検討体制)

第27条 学長は,被認定者の処分について検討する委員会(以下「処分検討委員会」という。)を直ちに設置するものとする。

2 処分検討委員会の委員長は,人事を担当する理事・副学長をもって充てる。ただし,学長が必要と認めるときは,副学長のうちから学長が指名する者を充てることができる。処分検討委員会の構成は,10名以内とする。委員は,研究を担当する理事・副学長,事務局長,その他被認定者の処分の検討に必要な者(大学に属さない外部有識者を含む。)のうち,学長が必要と認める者とする。

(処分検討内容)

第28条 処分検討委員会は,調査委員会の認定結果に基づき,被認定者の処分及び被認定者に返還させる額(以下「返還額」という。)について検討し,処分原案及び返還額等を学長に報告するものとする。

2 前項の返還額の検討にあたっては,次の各号を原則として,調査委員会の調査結果に基づき,不正行為の悪質性や研究活動全体に与える影響を考慮し,不正行為として認定された研究活動に対して配分された教育研究資金の全額又は一部の返還をさせるかどうかの判断を行う。なお,資金配分機関への返還に要する費用(違約金,利息,手数料等を含む。)は返還額に含むものとする。

 未使用教育研究資金の返還額 返還させる必要のある未使用教育研究資金の全額。また,未納物品及び未使用物品等がある場合には,大学が契約解除又は返品し,業者に購入費を返還させた額を加える。

 使用済教育研究資金の返還額 研究活動の当初から不正行為を行うことを意図していた等,極めて悪質であると調査委員会が判断した場合は,使用済教育研究資金の全額とする。調査委員会の調査に基づき,使用済教育研究資金の全額返還に相当しないと判断した場合は,使用済教育研究資金の一部の額とする。

(措置・公表等)

第29条 学長は,処分検討委員会の報告を受け,速やかに被認定者に対する懲戒処分を行い,その結果を公表する。

2 大学が資金配分機関に教育研究資金を返還することにより損害を被った場合は,被認定者に対し,有効な法的手段を講じることにより,損害賠償請求を行うものとする。

第6章 不正行為は行われなかったと認定された場合の措置

(通知・報告)

第30条 学長は,当該事案において不正行為が行われなかったと認定された場合,直ちに通報者,被通報者に通知するとともに,関係する資金配分機関及び文部科学省に当該事案において不正行為が行われなかった旨を報告する。

2 学長は,前項のほか,調査関係者に対しても当該事案において不正行為が行われなかった旨を周知する。また,当該事案が調査関係者以外に漏洩している場合は,調査関係者以外にも周知する。

(措置等の解除)

第31条 学長は,不正行為が行われなかったと認定された場合,本調査に際して行った教育研究資金の支出停止を解除する。

2 学長は,不正行為が行われなかったと認定された場合,証拠保全の措置については,不服申立てがないまま申立て期間が経過した後,又は,不服申立ての審査結果が確定した後,速やかに解除する。

(被通報者に対する措置)

第32条 学長は,前条のほか,不正行為を行わなかったと認定された被通報者の名誉を回復する措置及び不利益が生じないための措置を講じるものとする。

(通報者に対する措置)

第33条 学長は,通報等が悪意に基づくものと認定された場合,通報者が大学に所属する者であるときは,第27条に準じた委員会を設置し,懲戒処分,刑事告発等の適切な措置を行い,その結果を公表する。

2 学長は,通報等が悪意に基づくものと認定された場合,通報者が大学以外の機関に所属する者であるときは,通報者の所属する機関に対し,適切な措置を行うように求めることができる。

第7章 教育研究資金・経費の返還請求

(返還請求)

第34条 学長は,処分検討委員会等の報告に基づき,次の各号により教育研究資金・経費の返還請求等を行う。

 学長は,被認定者(被認定者の研究グループを含む。)に対して,不正行為が行われたと認定された研究活動にかかる教育研究資金(間接経費又は管理費等を含む。)等の一部又は全部の返還を求める

 学長は,被認定者に対して,再現性を示すために行った再現実験等に要した経費の返還を求める。

 学長は,通報等が悪意に基づくものと認められた場合は,再現実験等の経費を通報者に請求する。

 学長は,大学から資金配分機関への教育研究資金等の返還(追加,利息を含む。)を行った場合において,被認定者からの返還額が少ないときは,その不足分を被認定者に求償する。

 学長は,大学から資金配分機関への教育研究資金等の返還を行った場合において,被認定者から教育研究資金等を過分に返還させていた場合は,被認定者にその差額を返還する。

2 被認定者は,前項の大学への返還に運営費交付金及びその他の外部資金等を使用してはならない。

第8章 措置・認定・処分と訴訟との関係

(訴訟が提起された場合)

第35条 大学は,認定前後の措置又は認定・処分に対して訴訟が提起された場合,当該措置又は認定・処分が不適切である等,措置の継続又は認定・処分が不適切であると認められる内容の裁判所の判断がない限り,措置又は認定・処分の変更は行わない。

(訴訟において措置又は認定・処分が不適切とされた場合)

第36条 大学は,認定前後の措置又は認定・処分が不適切であった旨の裁判が確定したときは,直ちに当該措置又は認定・処分を撤回する。

2 大学は,被認定者が私費で大学に返還した教育研究資金等があれば被認定者に当該教育研究資金等相当額を返還する。

3 大学は,資金配分機関に未使用の教育研究資金の返還をした場合は,当該資金配分機関に当該教育研究資金の再配分を求める。

4 大学は,被認定者が資金配分機関から配分された教育研究資金等の返還を私費で負担した場合において,当該教育研究資金等相当額の返還において,当該資金配分機関と協議の上,適切な措置を行う。

5 大学は,資金配分機関から打ち切られていた教育研究資金があった場合は,当該教育研究資金の再交付を当該資金配分機関に求める。

附 則

この規則は,平成27年4月1日より施行する。

附 則(平29.1.6規3)

この規則は,平成29年1月6日から施行する。

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国立大学法人東京工業大学における研究活動の不正行為についての調査等に関する規則

平成27年3月6日 規則第17号

(平成29年1月6日施行)

体系情報
[全学規則]/第7編 研究協力
沿革情報
平成27年3月6日 規則第17号
平成29年1月6日 規則第3号