○東京工業大学人を対象とする研究倫理審査委員会規則
令和3年7月2日
規則第63号
(趣旨)
第1条 この規則は,東京工業大学における人を対象とする研究の実施に関する規則(令和3年規則第62号。以下「実施規則」という。)第4条第2項に基づき,東京工業大学(以下「本学」という。)に置かれる人を対象とする研究倫理審査委員会(以下「委員会」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規則における用語の定義は,実施規則第2条の定めるところによる。
(任務)
第3条 委員会は,研究責任者から人を対象とする研究の実施の適否等について意見を求められたときは,指針及び実施規則に基づき,倫理的観点及び科学的観点から,当該研究に係る研究機関及び研究者等の利益相反に関する情報も含めて中立的かつ公正に審査を行い,意見を述べるものとする。
2 委員会は,前項の規定に基づき審査を行った人を対象とする研究について,倫理的観点及び科学的観点から必要な調査を行い,研究責任者に対して,研究計画書の変更,研究の中止その他当該研究に関し必要な意見を述べるものとする。
3 委員会は,第1項の規定に基づき審査を行った人を対象とする研究のうち,侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものについて,当該研究の実施の適正性及び研究結果の信頼性を確保するために必要な調査を行い,研究責任者に対して,研究計画書の変更,研究の中止その他当該研究に関し必要な意見を述べるものとする。
4 前3項のほか,委員会は,人を対象とする研究に係る研究倫理の基本的事項の検討,研修の実施要領の策定,個人情報保護の観点の整理その他人を対象とする研究に関することについて,意見を述べるものとする。
(組織)
第4条 委員会は,学長が指名又は委嘱する次の各号に掲げる委員をもって組織し,本学に所属しない者(以下「学外委員」という。)2人以上並びに男性及び女性各2人以上を含まなければならない。
一 研究を担当する理事・副学長
二 理学院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
三 工学院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
四 物質理工学院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
五 情報理工学院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
六 生命理工学院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
七 環境・社会理工学院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
八 リベラルアーツ研究教育院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
九 科学技術創成研究院教授会構成員の中から教授会が選出した者 1人
十 医学・医療の専門家等,自然科学の有識者 1人以上
十一 倫理学・法律学の専門家等,人文・社会科学の有識者 1人以上
十二 研究対象者の観点も含めて一般の立場から意見を述べることのできる者 1人以上
十三 その他学長が必要と認めた者 若干人
(委員会の運営)
第5条 委員会に,委員長及び副委員長を置く。
2 委員長は,委員の互選によって決定する。
3 副委員長は,委員のうちから委員長が指名する。
4 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。
5 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるときは,その職務を代行する。
6 各部局選出の委員が出席できない場合は,各部局であらかじめ定める者にその職務を代行させることができる。
(議事)
第6条 委員会は,委員の3分の2以上が出席し,かつ,学外委員が1人以上出席しなければ,議事を開き,議決することができない。
(議決)
第7条 委員会の議事は,出席委員の4分の3以上の合意を要する。
2 委員が関係する人を対象とする研究の研究計画に係る審査及び議決については,当該委員は参加することはできない。この場合,当該委員は前項の出席委員に含めないものとする。
(研究計画書の審査手続等)
第8条 委員会は,研究責任者から意見を求められた研究計画について審査し,その結果を書面又は電磁的方法により学長へ意見を述べるものとする。
2 審査の対象となる人を対象とする研究の実施に携わる研究者等は,委員会の審議及び意見の決定に同席してはならない。ただし,当該委員会の求めに応じて,その会議に出席し,当該研究に関する説明を行うことはできる。
3 審査を依頼した研究責任者は,委員会の審議及び意見の決定に参加してはならない。ただし,委員会における当該審査の内容を把握するために必要な場合には,当該委員会の同意を得た上で,その会議に同席することができる。
4 委員会は,審査の対象,内容等に応じて有識者に意見を求めることができる。
5 委員会は,特別な配慮を必要とする者を研究対象者とする研究計画書の審査を行い,意見を述べる際は,必要に応じてこれらの者について識見を有する者に意見を求めなければならない。
区分 | 時間単価(消費税抜額) | 備考 |
侵襲又は介入を伴う場合 | 7,000円 | |
軽微な侵襲を伴う場合 | 5,000円 | |
心身への負担が生じる実験に係るモニター協力の場合 | 5,000円 | |
高度な専門的知識・経験等を有する者に対して,それらを要する調査・実験等を依頼した場合 | 3,000円 | |
専門的な知識を要しないアンケート調査,モニター協力等の場合 | 1,500円 |
(専門委員会)
第9条 委員会に,機器の安全性等専門的事項を審議するため,必要に応じ,専門委員会を置くことができる。
2 専門委員会に関し,必要な事項は,委員会が別に定める。
一 多機関共同研究であって,既に当該研究の全体について共同研究機関において倫理審査委員会の審査を受け,その実施について適当である旨の意見を得ている場合の審査
二 研究責任者・研究担当者の変更・追加,研究内容の変更を伴わない研究期間の延長等の人を対象とする研究の実施に影響を与えない範囲かつ研究対象者への負担やリスクが増大する可能性がない,研究計画書の軽微な変更に関する審査
三 侵襲を伴わない人を対象とする研究(個人情報又は機器を取り扱わない研究に限る。)であって介入を行わないものに関する審査
四 軽微な侵襲を伴う人を対象とする研究(個人情報又は機器を取り扱わない研究に限る。)であって介入を行わないものに関する審査
五 研究対象者がその研究の研究者等のみであって,リスクが軽微であると認められる予備的な実験又は調査の審査
2 委員会は,実施規則第8条第5項に該当する事項として,研究者の職名変更又は改姓を伴う氏名変更等については,報告事項として取り扱うものとする。
(他の研究機関が実施する研究に関する審査)
第11条 他の研究機関の研究責任者が,自らの研究機関以外に設置された倫理審査委員会であるところの本学の委員会に審査を依頼する場合には,委員会は,当該研究責任者が所属する研究機関の人を対象とする研究の実施体制について十分把握した上で審査を行い,意見を述べなければならない。
2 委員会は,他の研究機関が実施する人を対象とする研究について審査を行った後,継続して当該研究責任者から当該研究に関する審査を依頼された場合には,審査を行い,意見を述べなければならない。
(守秘義務)
第12条 委員,有識者及びその事務に従事する者は,その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。
2 委員及びその事務に従事する者は,審査を行った人を対象とする研究に関連する情報の漏えい等,研究対象者等の人権を尊重する観点並びに当該研究の実施上の観点及び審査の中立性若しくは公正性の観点から重大な懸念が生じたことを知った場合には,速やかに学長に報告しなければならない。
(教育・研修)
第13条 委員及びその事務に従事する者は,審査及び関連する業務に先立ち,倫理的観点及び科学的観点からの審査等に必要な知識を習得するための教育・研修を受けなければならない。また,その後も,適宜継続して教育・研修を受けなければならない。
(保管)
第14条 委員会が審査を行った人を対象とする研究に関する審査資料は,当該研究の終了について報告される日までの期間(侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものに関する審査資料にあっては,当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日までの期間),適切に保管するものとする。
(公表)
第15条 委員会は,この規則及び委員名簿を倫理審査委員会報告システムにおいて公表しなければならない。
2 委員会は,年1回以上,当該委員会の開催状況及び審査の概要について,当該システムにおいて公表しなければならない。ただし,審査の概要のうち,研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のため非公開とすることが必要な内容として委員会が判断したものについては,この限りでない。
(事務)
第16条 委員会の事務は,研究推進部研究企画課において処理する。
(雑則)
第17条 この規則に定めるもののほか,委員会の運営等に関し必要な事項は,委員会が別に定める。
附則
1 この規則は,令和3年7月2日から施行し,令和3年6月30日から適用する。
2 この規則施行の際,東京工業大学人を対象とする研究倫理審査委員会規則(平成23年規則第58号。以下「旧規則」という。)は,これを廃止する。
3 この規則適用の際,廃止前の旧規則第4条第1項第2号から第13号までによる委員は,この規則第4条第1項第2号から第13号までによる委員とみなし,その任期は従前のとおりとする。
附則(令5.6.16規75)
この規則は,令和5年7月1日から施行する。