○東京工業大学越境型理工系博士人材育成プログラムに関する規程
令和3年10月1日
規程第25号
(趣旨)
第1条 この規程は,東京工業大学(以下「本学」という。)の博士後期課程学生を対象とする国立研究開発法人科学技術振興機構(以下「機構」という。)の次世代研究者挑戦的研究プログラム「殻を破るぞ!越境型理工系博士人材育成」(以下「プログラム」という。)の運営及び実施に関し必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 プログラムは,挑戦的かつ融合的な研究を目指す優秀な学生を選抜するとともに,当該学生に対するキャリア開発及び育成コンテンツの提供並びに経済支援等の環境整備を行うことにより,新しい価値の創造と持続可能で強靭な社会への変革に向け,高度専門力をベースに,異分野の知性及び協働できる汎用力を兼備した「越境型理工系博士人材」を輩出することを目的とする。
(事業統括等)
第3条 本学に,プログラムに参画する学生(以下「プログラム生」という。)の選抜及びプログラムの運営責任を担う者として,事業統括を置き,教育本部長(以下「本部長」という。)が指名する者をもって充てる。
2 本学に,前項の事業統括を補佐するため,事業統括補佐を置き,本部長が指名する者をもって充てる。
(殻を破るぞ!越境型理工系博士人材育成実施委員会)
第4条 教育本部(以下「本部」という。)に,プログラムの運営方針の策定,プログラム生の選抜,プログラムにおけるキャリア開発及び育成コンテンツの提供方法その他プログラムの実施に関する重要事項を審議するため,国立大学法人東京工業大学教育本部規則(平成29年規則第13号)第10条の規定に基づき置かれる委員会として,殻を破るぞ!越境型理工系博士人材育成実施委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は,次に掲げる者をもって組織する。
一 事業統括
二 事業統括補佐
三 その他事業統括が必要と認める者
3 委員会の運営等については,別に定める。
(アドバイザリーボード)
第5条 本部に,プログラムの運営等について,事業統括に対して広く助言を行うため,学外有識者から構成される殻を破るぞ!越境型理工系博士人材育成アドバイザリーボード(以下「アドバイザリーボード」という。)を置く。
2 アドバイザリーボードの組織及び運営等については,別に定める。
(プログラム生に対する経済支援)
第6条 プログラム生に対し,研究奨励費及び研究費を支給する。
2 研究奨励費については,生活費相当額として月額15万円を支給し,研究費については,実費に基づき最大で年額40万円(委員会が特に優秀と認めた者については,年額110万円)の範囲で支給する。
3 前項のほか,委員会が特に優秀と認めた者が,学外での研究又は研修等(以下「学外研鑽」という。)を行う場合であって,かつ,当該学外研鑽について,委員会が当該プログラム生の教育研究上必要と認めた場合は,当該学外研鑽の費用に基づき,最大で年額70万円(長期の海外派遣等で費用が70万円を超える場合は,予算の範囲内で委員会が定める額)の範囲で追加の研究費を支給することができる。
4 研究奨励費及び研究費(以下「研究奨励費等」という。)の支給期間は,本学の博士後期課程の標準修業年限内において,最長で3年間とする。
(プログラム生の申請資格)
第7条 プログラム生の申請資格を有する者は,本学の博士後期課程に入学し,又は進学した者(予定者を含む。)のうち,次に掲げる要件をすべて満たす者とする。
一 挑戦的かつ融合的な研究を行う意思を有し,博士後期課程における研究に専念することを希望する者
二 高度専門力をベースに,異分野の知性と協働できる汎用力を修得し,新しい価値の創造及び持続可能で強靱な社会への変革に貢献する意思を有する者
三 外国人留学生の場合は,日本語でのコミュニケーションができる者又は日本語修得の意欲がある者
一 他の奨学金等を受給している者であって,当該奨学金等の制度により,他の奨学金の受給が制限されている者(日本学術振興会特別研究員,国費外国人留学生又は外国政府派遣留学生奨学金等)
二 東京工業大学高度人材育成博士フェローシップ支給規程(令和3年規程第15号)の規定に基づく研究専念支援金及び研究費の給付を受けている者
三 所属する企業等から,生活費相当額として十分な水準で,給与又は役員報酬等の安定的な収入を得ていると認められる者
四 東京工業大学つばめ博士学生奨学金規程(令和元年規程第2号)に基づく奨学金の給付を受けている者
(プログラム生の選考手続き)
第8条 プログラム生となることを希望する者は,所定の書類を,別に定める期日までに,委員会に提出するものとする。
3 委員会は,前項に基づく審査の結果を,本部長に報告する。
4 前項の報告を受けた本部長は,教育本部会議(以下「本部会議」という。)の議を経て,その結果を学長に報告する。
5 学長は,前項の報告に基づき,プログラム生の採用を決定する。
(プログラム生の公表)
第9条 学長は,プログラム生の採用を決定したときは,研究奨励費の支給開始日までに,当該学生の氏名を本学Webサイトにて公表するものとする。
(プログラム生の博士後期課程修了までに実施すべき項目)
第10条 プログラム生は,博士後期課程修了までに,次に掲げる項目を実施しなければならない。
一 委員会が定めるところにより実施する海外留学,インターンシップ等の学外研鑽
二 委員会が指定する講座の受講又はイベント等への参加
三 委員会が指定する大学院授業科目の履修
四 その他越境型理工系博士人材の育成のため,委員会が必要と認める事項
(プログラム生の研究成果等報告書の提出等)
第11条 プログラム生は,委員会に対し,研究成果等について,別に定める研究成果等報告書を,原則として年1回,委員会が定める期日までに提出しなければならない。
2 プログラム生は,「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成19年2月15日文部科学大臣決定)及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日文部科学大臣決定)を十分に認識するとともに,機構及び本学が定める研究倫理教育及びコンプライアンス教育を受講し,それぞれ委員会が定める期日までにその受講状況を委員会に報告しなければならない。
(研究奨励費等の給付)
第12条 研究奨励費は,原則として支給定日(毎月21日(その日が休業日(日曜日,土曜日又は国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に定める休日をいう。)にあたるときは,その日の前日以前で直近の休業日でない日)に,その月の月額を,プログラム生が指定する口座に振り込むことにより支給するものとする。
2 前項の規定にかかわらず,支給定日にその月の研究奨励費を支給することができない事情があるときは,その日後の支給定日に支給する。
3 研究費の支給及び管理等については,別に定める。
(給付の停止)
第13条 正当な理由なく,委員会が定める期日までに第11条第1項に定める研究成果等報告書を提出しなかったプログラム生については,当該期日の翌月以降の研究奨励費等の給付を停止する。
2 前項の規定により,研究奨励費等の給付を停止されたプログラム生が,研究成果等報告書を提出した場合には,提出日の属する月の翌月から,研究奨励費等の給付を再開する。
(プログラム生の採用取消)
第14条 プログラム生が,次の各号のいずれかに該当する場合は,学長は,本部の意見を求め,プログラム生の採用を取り消すものとする。
一 第7条第2項各号のいずれかに該当することとなった場合
二 第11条に定める事項をやむを得ない事情がなく履行しなかった場合
三 休学した場合
四 標準修業年限を超過した場合
五 本人から辞退の申出があった場合
六 退学若しくは転学し,又は除籍になった場合
七 懲戒処分を受けた場合
八 その他プログラム生として適当でない事実があった場合
(研究奨励費等の返還)
第15条 偽りその他不正な手段等により研究奨励費等の受給を受けたプログラム生(前条によりプログラム生の採用を取り消された者を含む。)に,学長は,別に定めるところにより,本部会議の議を経て,既に給付した研究奨励費等の全部又は一部の返還を求めることができる。
(プログラム生の追加採用)
第16条 第14条第1項の規定によりプログラム生の採用の取消しがあった場合,その予算の範囲内で,委員会が別に定めるところにより,他の学生を新たにプログラム生に採用し,研究奨励費等を支給することができるものとする。
(不正行為等への対応)
第17条 プログラム生の研究活動における不正行為等への対応については,国立大学法人東京工業大学における公正な研究活動に関する規則(平成27年規則第16号)の定めるところによる。
(事務)
第18条 プログラムに関する事務は,事務局関係部課等の協力を得て,学務部教育プログラム推進室において処理する。
(雑則)
第19条 この規程に定めるもののほか,プログラムの運営及び実施に関し必要な事項は,別に定める。
附則
1 この規程は,令和3年10月1日から施行する。
2 この規程の施行後,最初に行うプログラム生の募集における申請資格については,第7条第2項第4号の規定は適用しないものとする。
附則(令4.3.18程12)
この規程は,令和4年4月1日から施行する。
附則(令4.4.8程15)
この規程は,令和4年4月8日から施行する。