○国立大学法人東京科学大学役職員倫理規則

令和6年10月1日

規則第54号

(目的)

第1条 この規則は、国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)の役員(非常勤役員を含む。以下同じ。)及び職員(以下「役職員」という。)の職務に係る倫理の保持に必要な措置を定めることにより、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって大学の業務に対する信頼を確保することを目的とする。

(定義等)

第2条 この規則において「事業者等」とは、法人(法人でない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。

2 この規則において「利害関係者」とは、役職員が職務として携わる次の各号に掲げる事務の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。

 物品購入等の契約に係る事務 これらの契約を締結している事業者等、これらの契約の申込みをしている事業者等及びこれらの契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等

 共同研究、受託研究、治験等の契約に係る事務 これらの契約を締結している事業者等、これらの契約の申込みをしている事業者等及びこれらの契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等

 入学試験等における合格者の決定に係る事務 東京科学大学への入学を志願する者及びその関係者

 卒業認定又は修了認定に係る事務 当該卒業認定又は修了認定の対象となる学生等

 学生等の懲戒処分の決定に係る事務 当該懲戒処分の対象となる学生等

 役職員として任命又は採用する者の決定に係る事務 大学に役職員として任命又は採用を希望する者及びその関係者

3 法人等の役員、従業員、代理人その他の者であって、事業者等の利益のためにする行為を行う者は、第1項の事業者等とみなし、この規則を適用する。

4 役職員が異動した場合であって、当該役職員の異動前の役職に係る利害関係者であった者が、当該役職員の異動後も引き続き当該役職員の異動前の役職に異動した他の役職員の利害関係者となるときは、当該役職員の異動の日から起算して3年間(当該期間内において当該利害関係者が利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該役職員の利害関係者とみなし、この規則を適用する。

5 他の役職員の利害関係者であっても、自己の利益を図るためにその役職員と接触していることが明らかな場合においては、その役職員の利害関係者であるとみなし、この規則を適用する。

(倫理行動基準)

第3条 役職員は、大学の役職員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚し、次に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。

 職務上知り得た情報について一部の者に対してのみ有利な取扱いをする等の不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならないこと。

 常に公私の別を明らかにし、その職務及び地位を自ら又は自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならないこと。

 法令及び大学の諸規則により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の行為をしてはならないこと。

 職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならないこと。

 勤務時間外においても、自らの行動が大学の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならないこと。

(禁止行為)

第4条 役職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。

 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものを含む。)を受けること。

 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。

 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。

 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。

 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。

 利害関係者から供応接待を受けること。

 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。

 利害関係者と共に旅行(職務としての旅行を除く。)をすること。

 利害関係者をして、第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。

2 前項の規定にかかわらず、役職員は、次に掲げる行為を行うことができる。

 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。

 多数の者が出席する立食パーティー(飲食物が提供される会合であって立食形式で行われるものをいう。以下同じ。)において、利害関係者から記念品の贈与を受けること。

 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。

 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)

 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。

 多数の者が出席する立食パーティーにおいて、利害関係者から飲食物の提供を受けること。

 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受けること。

3 第1項の規定の適用については、役職員(同項第9号に掲げる行為にあっては、同号の第三者。以下この項において同じ。)が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該役職員は、当該利害関係者から当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。

(禁止行為の例外)

第5条 役職員は、私的な関係(役職員としての身分にかかわらない関係をいう。以下同じ。)がある者であって、利害関係者に該当するものとの間においては、職務上の利害関係の状況、私的な関係の経緯及び現在の状況並びにその行おうとする行為の態様等にかんがみ、公正な職務の執行に対する国民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号(第9号を除く。)に掲げる行為を行うことができる。

2 役職員は、前項の公正な職務の執行に対する疑惑や不信を招くおそれがないかどうかを判断することができない場合においては、倫理監督者(第14条第1項の倫理監督者をいう。以下同じ。)に相談し、その指示に従うものとする。

(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)

第6条 役職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。

2 役職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。

(特定の書籍等の監修等に対する報酬の受領の禁止)

第7条 役職員は、次に掲げる書籍等(書籍、雑誌等の印刷物又は電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式により文字、図形、音、映像若しくは電子計算機に用いるプログラムを記録した物をいう。以下同じ。)の監修又は編さんに対する報酬を受けてはならない。

 大学が直接支出する費用をもって作成される書籍等

 作成数の過半数を大学において買い入れる書籍等

(役職員の職務に係る倫理の保持を阻害する行為等の禁止)

第8条 役職員は、他の役職員の第4条又は前2条の規定に違反する行為によって当該他の職員(第4条第1項第9号の規定に違反する行為にあっては、同号の第三者)が得た財産上の利益であることを知りながら、当該利益の全部若しくは一部を受け取り、又は享受してはならない。

2 役職員は、倫理監督者、職員の職務に係る倫理の保持に責務を有する者又は上司に対して、自己若しくは他の職員がこの規則に違反する行為を行った疑いがあると思料するに足りる事実について、虚偽の申述を行い、又はこれを隠ぺいしてはならない。

3 役員及び管理職の地位にある職員(国立大学法人東京科学大学職員賃金規程(令和6年規程第48号)に基づき管理職手当又はマネジメント職手当の支給を受ける職員をいう。以下同じ。)は、その管理し、又は監督する職員がこの規則に違反する行為を行った疑いがあると思料するに足りる事実があるときは、これを黙認してはならない。

(利害関係者とともに飲食をする場合の届出)

第9条 役職員は、自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食する場合において、自己の飲食に要する費用が1万円を超えるときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ飲食届出書(別紙様式第1号)により届け出なければならない。ただし、やむを得ない事情によりあらかじめ届け出ることができなかったときは、事後において速やかに当該事項を届け出なければならない。

 多数の者が出席する立食パーティーにおいて、利害関係者と共に飲食をするとき。

 私的な関係がある利害関係者と共に飲食をする場合であって、自己の飲食に要する費用について自己又は自己と私的な関係がある者であって利害関係者に該当しないものが負担するとき。

(講演等に関する規制)

第10条 役職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(兼業の許可を得てするものを除く。以下「講演等」という。)をしようとする場合は、あらかじめ講演等承認申請書(別紙様式第2号)又はそれに相当する書類により倫理監督者の承認を得なければならない。

2 前項の場合において、学会等と利害関係者との共催により行う講演等に係る当該利害関係者からの依頼については、利害関係者に該当しない事業者等からの依頼とみなす。

3 役職員が、第1項に規定する講演等を行う場合の報酬の基準は、1日又は1回10万円(税抜)以内とする。ただし、その内容の高度の専門性に鑑み、これによりがたい場合は、あらかじめ倫理監督者に相談するものとする。

(贈与等の報告)

第11条 役員及び管理職の地位にある職員は、事業者等から金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき又は事業者等と役職員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として次条に定める報酬の支払を受けたとき(当該贈与等を受けた時又は当該報酬の支払を受けた時において役員及び管理職の地位にある職員であった場合に限り、かつ、当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額が1件につき5,000円を超える場合に限る。)は、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの各区分による期間(以下「四半期」という。)ごとに、贈与等報告書(別紙様式第3号)を、当該四半期の翌四半期の初日から14日以内に、理事長に提出しなければならない。

(報酬)

第12条 前条にいう報酬は、次の各号のいずれかに該当する報酬とする。

 利害関係者に該当する事業者等から支払を受けた講演等の報酬

 利害関係者に該当しない事業者等から支払を受けた講演等の報酬のうち、役職員の現在又は過去の職務に関係する事項に関する講演等の報酬

(報告書の保存及び閲覧)

第13条 第11条の規定により提出された贈与等報告書は、これを受理した理事長又はその委任を受けた者において、提出された日の翌日から起算して5年を経過するまで保存しなければならない。

2 何人も、理事長又はその委任を受けた者に対し、前項の規定により保存されている贈与等報告書(贈与等により受けた利益又は支払を受けた報酬の価額が1件につき2万円を超える部分に限る。)の閲覧を請求することができる。

3 前項に規定する贈与等報告書の閲覧(以下「贈与等報告書の閲覧」という。)は、当該贈与等報告書の提出期限の翌日から起算して60日を経過した日の翌日以後これをすることができる。

4 贈与等報告書の閲覧は、理事長又はその委任を受けた者が指定する場所でこれをしなければならない。

(倫理監督者)

第14条 役職員の職務に係る倫理の保持を図るため、大学に倫理監督者を置く。

2 倫理監督者は、理事長をもって充てる。

(倫理監督者補佐)

第15条 倫理監督者の職務を補佐するため、倫理監督者補佐を置く。

2 倫理監督者補佐は、事務局長その他理事長が指名する者をもって充てる。

(倫理監督者への相談)

第16条 役職員は、自らが行う行為の相手方が利害関係者に該当するかどうかを判断することができない場合又は利害関係者との間で行う行為が第4条第1項各号に掲げる行為に該当するかどうかを判断することができない場合には、倫理監督者に相談するものとする。

(理事長の責務)

第17条 理事長は、この規則に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。

 贈与等報告書の受理、保存及び贈与等報告書の閲覧のための体制の整備その他の役職員の職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行うこと。

 役職員がこの規則に違反する行為を行った場合には、厳正に対処すること。

 役職員がこの規則に違反する行為について倫理監督者その他の適切な機関に通知をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けないよう配慮すること。

 研修その他の施策により、役職員の倫理観のかん養及び保持に努めること。

(倫理監督者の責務等)

第18条 倫理監督者は、この規則に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。

 役職員からの第5条第2項第10条第3項又は第16条の相談に応じ、必要な指導及び助言を行うこと。

 役職員が特定の者と国民の疑惑や不信を招くような関係を持つことがないかどうかの確認に努め、その結果に基づき、役職員の職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うこと。

2 倫理監督者は、倫理監督者補佐に、前項各号に定める責務に係る職務の一部を行わせることができる。

(役職員がこの規則に違反した場合の対処等)

第19条 理事長は、役職員にこの規則に違反する行為を行ったおそれがあると認められるときは、直ちに調査を開始し、調査の結果、当該役職員がこの規則に違反する行為があったと認められる場合においては、理事長は必要な措置を厳正に行うものとする。

(雑則)

第20条 この規則に定めるもののほか必要な事項は、理事長が別に定める。

1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。

2 次に掲げる規則は、廃止する。

 国立大学法人東京工業大学役職員倫理規則(平成16年規則第66号)

 国立大学法人東京医科歯科大学職員倫理規則(平成16年規則第39号)

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国立大学法人東京科学大学役職員倫理規則

令和6年10月1日 規則第54号

(令和6年10月1日施行)