○国立大学法人東京科学大学安全保障輸出管理規則
令和6年10月1日
規則第13号
(目的)
第1条 この規則は、国立大学法人東京科学大学(以下「大学」という。)の安全保障輸出管理(以下「輸出管理」という。)の基本方針を定め、適切な管理体制を構築整備することにより、輸出管理の確実な実施を図り、もって国際的な平和及び安全の維持の観点から我が国の教育研究機関として国際的責任を果たすことを目的とする。
(適用範囲)
第2条 この規則は、大学が行う貨物の輸出及び技術の提供に関する業務に適用する。
一 外為法等 外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)及びこれに基づく輸出管理関連の政令、省令、通達等をいう。
二 居住者 外国為替法令の解釈及び運用について(昭和55年11月29日付蔵国第4672号)6―1―5、6(居住性の判定基準)に従い、居住者として取り扱うこととされる自然人及び法人等をいう。
三 非居住者 居住者以外の自然人及び法人等をいう。
四 特定類型該当者 外国為替及び外国貿易法第25条第1項及び外国為替令第17条第2項の規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について(平成4年12月21日付4貿局第492号)1(3)サ①から③までに掲げる者(自然人である居住者に限る。)をいう。
五 貨物の輸出 外国に向けて貨物を送付すること(自ら手荷物として海外に持ち出す場合を含む。)又は外国に送付されることが明らかな貨物を国内で送付することをいう。
六 技術の提供 外国における技術の提供若しくは外国に向けて行う技術の提供又は非居住者若しくは特定類型該当者への技術の提供又は非居住者若しくは特定類型該当者へ再提供することが明らかな居住者への技術の提供をいう。
七 取引 貨物の輸出又は技術の提供をいう。
八 リスト規制貨物 輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号。以下「輸出令」という。)別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物をいう。
九 リスト規制技術 外国為替令(昭和55年政令第260号。以下「外為令」という。)別表の1から15までの項の中欄に掲げる技術をいう。
十 キャッチオール規制貨物等 輸出令別表第1の16の中欄に掲げる貨物及び外為令別表の16の項の中欄に掲げる技術をいう。
十一 大量破壊兵器等 核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤、これらの散布のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機をいう。
十二 大量破壊兵器等の開発等 大量破壊兵器等の開発、製造、使用又は貯蔵をいう。
十三 通常兵器 大量破壊兵器等以外の輸出令別表第1の1の項の中欄に掲げる貨物をいう。
十四 通常兵器の開発等 通常兵器の開発、製造又は使用をいう。
十五 該非判定 輸出しようとする貨物又は提供しようとする技術がリスト規制貨物又はリスト規制技術に該当するか否かを判定することをいう。
十六 取引審査 貨物の輸出又は技術の提供が外為法等に適合し、該非判定の内容のほか、用途及び需要者等(技術を提供しようとする相手方若しくは利用する者、貨物の輸入者若しくは需要者又はこれらの代理人をいう。以下同じ。)を確認し、大学として当該取引を行うかを判断することをいう。
十七 大学の役職員等 大学の役員、教員、職員、研究員その他大学において業務に従事する全ての者をいう。
十八 輸出役職員 貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする大学の役職員等
2 前項に定めるもののほか、この規則における用語の意義は、外為法等に定めるところによる。
(基本方針)
第4条 大学の輸出管理の基本方針は、次に掲げるとおりとする。
一 国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれがあると判断される貨物の輸出又は技術の提供は、行わない。
二 外為法等を遵守し、経済産業大臣の許可を得なければならない場合は、責任を持って当該許可を取得する。
三 輸出管理を確実に実施するため、輸出管理の責任者を定め、輸出管理体制を適切に整備し、充実を図る。
(最高責任者)
第5条 大学の輸出管理における最高責任者は、理事長とする。
2 最高責任者は、次に掲げる業務を行う。
一 この規則の制定・改廃に関すること。
二 外為法等又はこの規則に違反する事実が発生した場合の再発防止策の構築に関すること。
三 経済産業大臣への輸出管理に係る許可申請に関すること。
四 輸出管理における重要事項に関する最終的な決定に関すること。
(輸出管理統括責任者)
第6条 最高責任者の下、大学における輸出管理業務を統括管理する責任者として輸出管理統括責任者(以下「統括責任者」という。)を置き、学長をもって充てる。
2 統括責任者は、大学における輸出管理に関する業務を統括する。
(輸出管理責任者)
第7条 統括責任者の下、輸出管理に係る業務を適正かつ円滑に実施するため、輸出管理責任者を置き、国際本部長をもって充てる。
2 輸出管理責任者は、統括責任者の指示に基づき、次に掲げる業務を行う。
一 輸出管理の基本方針及び基本施策の企画・立案に関すること。
二 この規則の制定及び改廃の案の作成に関すること。
三 取引審査及び経済産業大臣への輸出管理に係る許可申請の手続に関すること。
四 この規則に基づく運用並びに手続等の策定、改廃及び周知に関すること。
五 輸出管理に係る法令遵守の教育に関すること。
六 大学の関係部局等の長に対する輸出管理に係る調査の実施及び改善措置等の命令に関すること。
七 輸出管理に係る業務の監査に関すること。
(該非確認責任者)
第8条 輸出管理責任者を補佐し、輸出管理の業務を行うため、該非確認責任者を置き、国際支援センター長をもって充てる。
2 該非確認責任者は、次に掲げる業務を行う。
一 この規則に基づく運用及び手続等の実施に関すること
二 特定類型該当者の把握に関すること。
三 該非判定並びに該非判定及び取引審査に係る記録の保存に関すること。
四 輸出管理に係る業務の個別事案の検証に関すること。
五 経済産業省への輸出管理に係る相談に関すること。
六 輸出管理に関する政策動向の調査・分析に関すること。
(国際連携推進アドバイザー)
第9条 東京科学大学国際支援センター規程(令和6年規程第148号)第6条に規定する国際連携推進アドバイザー(以下「国際連携推進アドバイザー」という。)は、大学の輸出管理に関する指導、助言を行うほか、該非確認責任者の命を受け、前条第2項に定める業務を研究推進部国際連携推進課安全保障リスクマネジメント室(以下「安全保障リスクマネジメント室」という。)と協力して行う。
(調査委員会)
第11条 最高責任者は、大学における輸出管理体制に侵害を与える重大事案が発生した場合、最高責任者の下、当該事案の調査を行うため安全保障輸出管理調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置する。
2 調査委員会は、最高責任者が指名する者をもって構成する。
3 調査委員会に委員長を置き、最高責任者が指名する者をもって充てる。
4 調査委員会は、必要があると認めた場合は、構成員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。
5 委員長は、調査委員会の調査した内容を最高責任者へ報告しなければならない。
(該非判定)
第12条 輸出役職員は、貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする場合は、次の方法により該非判定を行う。
一 学内で設計し、若しくは開発した貨物の輸出又は技術の提供を行う場合は、別に定める該非判定書等(以下「該非判定書」という。)に基づき、該非判定を行う。
二 学外から調達した貨物の輸出又は技術の提供を行う場合は、貨物又は技術の調達先から入手した該非判定に関する書類に基づき、該非判定を行う。ただし、該非確認責任者が認める場合は、貨物又は技術の調達先から該非判定に関する書類を入手しなくても該非判定を行うことができる。
2 輸出役職員は、前項の該非判定の結果、リスト規制貨物若しくはリスト規制技術に該当する場合又はそれらに該当するか否かが不明である場合は、該非判定書及び該非判定の確認に必要な書類を該非確認責任者に提出する。
3 該非確認責任者は、前項の該非判定書及び該非判定の確認に必要な書類の提出があった場合には、該非判定を行う。
(用途確認)
第13条 輸出役職員は、輸出又は提供しようとするリスト規制貨物若しくはリスト規制技術又はキャッチオール規制貨物等の用途が、大量破壊兵器等又は通常兵器の開発等に用いられ、又は用いられるおそれがあるか否かを確認しなければならない。この場合において、需要者等以外から間接的に得ている情報については、当該情報の信頼性を高めるため、必要な確認を行う。
(需要者等確認)
第14条 輸出役職員は、貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする場合は、輸出しようとする貨物又は提供しようとする技術の需要者等が次に掲げる事項に該当するか否かを確認しなければならない。この場合において、需要者等以外から間接的に得ている情報については、当該情報の信頼性を高めるため確認を行う。
一 特定類型該当者であること。
二 経済産業省が定める外国ユーザーリストに記載されていること。
三 輸出令別表第3の2に掲げる国・地域又は輸出令別表第4に掲げる国・地域の非居住者であること。
四 入手した文書、図画若しくは電磁的記録に大量破壊兵器等の開発等又は通常兵器の開発等を行う旨又は行った旨記載されていること(需要者等からその旨の連絡を受けた場合を含む。)。
(取引審査)
第16条 輸出役職員は、貨物の輸出又は技術の提供が次の各号のいずれかに該当する場合には、別に定める取引審査票等の確認文書(以下「取引審査票等」という)を作成の上、該非確認責任者に提出し、輸出管理責任者による取引審査を受けなければならない。
一 第12条に規定する該非判定の結果、リスト規制貨物又はリスト規制技術に該当する場合
二 第13条前段に掲げる事項に該当する場合
四 経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知を受けた場合
2 該非確認責任者は、前項の取引審査票等の提出があった場合には、該非確認の判断を添えて輸出管理責任者に提出する。
3 輸出管理責任者は、取引審査の結果、外為法等に適合しているときは、承認を行うものとする。
(外為法等に基づく許可の申請等)
第17条 輸出管理責任者は、前条第2項の規定に基づく承認が行われた場合において、外為法等に基づく経済産業大臣の許可が必要なときは、所定の申請書及び添付書類を作成し、統括責任者の承認を得て、最高責任者を通して経済産業大臣への許可申請を行うものとする。
2 輸出役職員は、前項の規定による確認ができない場合は、貨物の輸出を行ってはならない。
3 輸出役職員は、貨物の輸出を行う場合に通関時において事故が発生したときは、直ちに輸出を取りやめ、輸出管理責任者にその旨を報告しなければならない。
2 輸出役職員は、前項の確認ができない場合は、技術の提供を行ってはならない。
(監査)
第20条 輸出管理責任者は、大学における輸出管理が、この規則に基づき適正に実施されていることを確認するため、輸出管理業務の監査を定期的に行うものとする。
(教育)
第21条 輸出管理責任者は、外為法等及びこの規則の遵守について大学の役職員等に理解させるとともに、その確実な実施を図るため、輸出管理の教育を計画的に行うものとする。
(文書管理及び記録媒体の保存)
第22条 貨物の輸出又は技術の提供の手続に必要な書類は、事実に基づき正確に記載しなければならない。
2 前項の書類は、貨物が輸出された日又は技術が提供された日から起算して、7年間保管しなければならない。
(報告)
第23条 大学の役職員等は、外為法等又はこの規則に対する違反又は違反のおそれがあることを知った場合は、速やかに該非確認責任者を通じて輸出管理責任者にその旨を通報しなければならない。
2 輸出管理責任者は、前項の規定による通報があった場合は、当該通報の内容を調査し、外為法等又はこの規則に違反している事実が判明したときは、遅滞なく統括責任者にその旨を報告しなければならない。
3 統括責任者は、前項の規定による報告があった場合は、関係部署に対応措置を指示し、及び外為法等に違反しているときは、遅滞なく最高責任者にその旨を報告しなければならない。
4 最高責任者は、前項の規定による報告があった場合は、遅滞なく関係行政機関に報告し、再発防止のために必要な措置を講じるものとする。
(懲戒等)
第24条 故意又は重大な過失によりこの規則に違反した大学の役職員は、国立大学法人東京科学大学役員の服務等に関する規則(令和6年規則第55号)又は大学の定める就業規則の規定に基づき、厳正に処分される。
(雑則)
第25条 この規則に定めるもののほか、輸出管理に関し必要な事項は、別に定める。
附則
1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。
2 次に掲げる規則(以下「旧規則」という。)は、廃止する。
一 国立大学法人東京工業大学安全保障輸出管理規則(平成22年規則第50号)
二 国立大学法人東京医科歯科大学安全保障輸出管理規則(令和4年規則第106号)
3 この規則の施行の日前に旧規則の規定に基づき行われた該非判定等は、この規則により行われたものとみなす。