○東京科学大学化学物質等管理規則

令和6年10月1日

規則第23号

(趣旨)

第1条 この規則は、東京科学大学(以下「本学」という。)における化学物質等の自主的な管理を促進し、社会安全上及び環境保全上の支障を未然に防止するとともに、化学物質等の取扱いによる職員及び学生の健康障害を防止するため、必要な事項を定めるものとする。

(法令との関係)

第2条 化学物質等の管理に関しては、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号。以下「PRTR法」という。)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)、消防法(昭和23年法律第186号)、高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)その他の法令及び本学の諸規則に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。

(定義)

第3条 この規則において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 化学物質 元素及び化合物のうち、関係法令等により指定されている物質(放射性物質を除く。)をいう。

 化学物質等 化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物で、職員及び学生の危険又は健康障害を生ずるおそれのあるもの並びに国立大学法人東京科学大学環境安全管理規則(令和6年規則第22号)に規定する有害物質等をいう。

 安全データシート(SDS) 安衛法第57条の2第1項に規定する通知対象物(以下「通知対象物」という。)について、同項の規定により、譲渡し、又は提供する者から相手方に通知される文書等をいう。

 リスクアセスメント 化学物質等の有害性及び危険性に関する情報を入手して、当該化学物質等の有害性及び危険性の種類及び程度(以下「有害性等」という。)、当該化学物質等へのばく露の程度等に応じて生ずるおそれのある健康障害の可能性及びその程度を評価し、かつ、当該化学物質等へのばく露を防止し、又は低減するための措置を検討することをいう。

 社会安全上の支障 本学が学内に保有する化学物質等に関連する盗難その他の各種犯罪又は化学物質等の不適切な管理により公共の安全が損なわれる事件若しくは事故等をいう。

 化学物質等管理支援システム等 化学物質及び高圧ガス等の購入、使用、保管又は廃液等の搬出等を、正確に記録・集計するシステムをいう。

 部局長等 前号の部局等の長をいう。

2 第1号から第6号までに規定するもののほか、この規則において使用する「指定化学物質等」等の各用語の定義は、PRTR法等に定めるところによる。

(学長等の責務)

第4条 学長は、化学物質等の自主的管理の促進並びに社会安全上及び環境保全上の支障の未然防止並びに化学物質等の取扱いによる職員及び学生の健康障害の防止(以下「化学物質等管理」という。)のための体制を整備し、これを運営する。

2 安全を担当する理事・副学長(以下「理事・副学長」という。)は、学長を補佐し、本学における化学物質等管理を統括する。

(化学物質等管理総括責任者)

第5条 本学に、化学物質等管理総括責任者(以下「総括責任者」という。)を置き、安全本部環境・安全部門長をもって充てる。

2 総括責任者は、学長及び理事・副学長の職務を補佐するとともに、本学における化学物質等管理の業務を総括し、化学物質等管理に必要な措置を講ずる。

(化学物質管理者)

第6条 化学物質管理者(国立大学法人東京科学大学安全衛生管理規則(令和6年規則第20号。以下「安全衛生管理規則」という。)第15条に規定する者をいう。)は、事業場における化学物質管理の責任者として、当該事業場において、安全衛生管理規則に規定する技術的事項を管理するとともに必要な措置を講じなければならない。

(部局等化学物質等管理責任者等)

第7条 本学に、安全衛生管理規則別表第1に定める組織区分(以下「組織区分」という。)ごとに、部局等化学物質等管理責任者を置き、当該部局長等をもって充てる。

2 部局等化学物質等管理責任者は、当該組織区分における化学物質等管理の責任者として、法令等及びこの規則の定めるところに従い、当該組織区分における化学物質等管理に関する全般について指揮監督する。

3 部局等化学物質等管理責任者は、必要に応じ、部局等化学物質等管理責任者補佐を指名し、その職務の一部を代行させることができる。

4 前項の部局等化学物質等管理責任者補佐は、副学院長等又はこれに準ずるものをもって充てる。

(職員健康管理センター長及び保健管理センター長の責務)

第8条 職員健康管理センター長及び保健管理センター長は、法令等及びこの規則の定めるところに従い、職員及び学生の健康障害防止のための健康管理並びに教育及び指導について指揮監督する。

(化学物質等取扱責任者)

第9条 化学物質等を取り扱う研究室又は分野等(以下「研究室等」という。)に化学物質等取扱責任者を置き、研究室、分野その他一定の範囲を管理する教授若しくは准教授等(以下「研究室等責任者」という。)又は研究室等責任者に指名された職員(専任の教授、准教授、講師若しくは助教又は技術職員)をもって充てる。

2 化学物質等取扱責任者は、法令等及びこの規則の定めるところに従い、部局等化学物質等管理責任者の指揮監督のもとに、当該研究室等の化学物質等を適正に管理し、次に掲げる職務を行う。

 研究室等における化学物質等の受入れ、在庫及び廃棄に関する適正な管理

 化学物質等取扱者への教育指導

 その他化学物質等の適正な管理に関し必要な事項

(化学物質等を取り扱う職員及び学生の責務)

第10条 化学物質等を取り扱う職員及び学生(以下「化学物質等取扱者」という。)は、法令等及びこの規則を遵守するとともに、所属する部局等の部局等化学物質等管理責任者その他の関係者が、法令等及びこの規則に基づいて講ずる化学物質等管理のための措置に従わなければならない。

2 化学物質等取扱者は、事前に使用する全ての化学物質等について安全データシート(SDS)等で危険有害性を確認し、当該化学物質等の安全な取扱い及び健康障害防止のための措置をとらなければならない。

3 化学物質等取扱者は、前項の取扱い及び措置をとることができない場合は、当該化学物質等を使用してはならない。

(化学物質等管理支援システム等)

第11条 化学物質等取扱者は、当該化学物質等について、事業場ごとに定められた化学物質等管理支援システム等(以下「システム等」という。)を使用し、管理しなければならない。

2 化学物質等は、組織区分ごとに適正に管理を行わなければならない。

3 高圧ガスについて、事業場ごとに定められたその管理区域ごとに適正に管理しなければならない。

4 システム等の運用については、別に定める。

(化学物質等管理に関わる全学的事項の審議等)

第12条 化学物質等の適正な管理並びに第17条に規定する管理計画の策定及び円滑な実施に必要な全学的事項は、安全本部環境・安全部門会議において審議するものとする。

2 各事業場及び各部局等の化学物質等の適正な管理及び前項の管理計画の円滑な実施に必要な事項は、安全衛生管理規則第23条に規定する安全衛生委員会等(以下「安全衛生委員会等」という。)で審議するものとする。

(改善命令等)

第13条 学長、理事・副学長及び総括責任者は、化学物質等による社会安全上若しくは環境保全上の支障若しくは健康障害が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、部局等化学物質等管理責任者に、その支障の除去又は発生の防止のため、化学物質等の使用停止を含む必要な措置又は改善を命ずることができる。

2 安全衛生委員会等及び部局等化学物質等管理責任者は、化学物質等による社会安全上若しくは環境保全上の支障又は健康障害の防止のため、化学物質等の適正な管理の実施状況を評価の上、学長、理事・副学長及び総括責任者に改善を提言することができる。

3 第1項の改善命令等を受けた部局等化学物質等管理責任者は、迅速に必要な措置を講じ、社会安全上若しくは環境保全上の支障又は健康障害の生じるおそれがなくなった時点において、講じた措置等について、学長、理事・副学長及び総括責任者に報告しなければならない。

(健康管理等)

第14条 職員健康管理センター長及び保健管理センター長は、健康診断の結果に基づき、化学物質等の取扱いによる健康障害の防止に関する必要な事項を、総括責任者に助言及び提言することができる。

2 化学物質等取扱者の健康管理については、安全衛生管理規則、学校保健安全法(昭和33年法律第56号)、その他の関係法令等の定めるところによる。

(有害性等の特定及びリスクアセスメントの実施等)

第15条 部局等化学物質等管理責任者は、当該組織区分において取り扱われる化学物質等について、有害性等の特定及びリスクアセスメントの実施を指導及び監督する。

2 化学物質等取扱責任者は、部局等化学物質等管理責任者等の指揮監督のもとに、有害性等の特定及びリスクアセスメントを実施しなければならない。

3 前項に規定するリスクアセスメントの実施に際して学生が関わる場合は、総括責任者及び保健管理センター長は、当該学生に対して適正な教育訓練が行われるよう指導を行わなければならない。

4 前項の場合において、総括責任者及び保健管理センター長は、部局等化学物質等管理責任者及び学校医に対し必要な命令を行うことができる。

5 リスクアセスメントは、安全データシート(SDS)又は通知対象物以外の化学物質等の有害性等に関する情報及びこれらの物質による健康障害防止措置に関する情報等を積極的に活用して行うものとする。

6 化学物質等の有害性等の特定は、安全データシート(SDS)及びその他の厚生労働省及び関連機関が示す情報源から入手した有害性等の情報により行うものとする。

7 化学物質等の譲渡又は提供を受けた化学物質等取扱者は、化学物質等取扱責任者に有害性等の情報の審査を依頼しなければならない。化学物質等取扱責任者は、当該情報のうち、不明確な事項、疑問のある事項等については、当該化学物質等を譲渡し、若しくは提供した者、化学物質等の有害性等に関する外部の専門家又は専門的な機関等に照会する等の方法により解明しなければならない。

8 部局等化学物質等管理責任者は、通知対象物を譲渡し、又は提供しようとする化学物質等取扱者に対し、安全データシート(SDS)を作成させ、相手方に交付させなければならない。この場合においては、安全データシート(SDS)を作成するために必要な知識を有する者に、これを作成させなければならない。

9 部局等化学物質等管理責任者は、通知対象物以外の化学物質等を譲渡し、又は提供しようとする化学物質等取扱者に対し、当該化学物質等について有害性等を調査させ、かつ、当該化学物質等を譲渡し、又は提供する相手方にその結果を文書等で通知させなければならない。

10 部局等化学物質等管理責任者は、化学物質等取扱責任者に対して、第2項及び第7項から前項までの規定によりリスクアセスメント等を実施した場合は、関係書類等を報告するよう指導しなければならない。

11 部局等化学物質等管理責任者は、第1項及び第2項並びに第7項から第9項までの事項について、その実施状況について確認を行い、その結果を総括責任者に報告しなければならない。

12 部局等化学物質等管理責任者は、化学物質等の有害性等の特定及びリスクアセスメントの適正な実施について、必要な指導又は助言を環境・安全推進センター(以下「センター」という。)に依頼することができる。この場合において、センターは、必要な環境分析に協力しなければならない。

(化学物質等の処分)

第16条 使用見込みのない化学物質等については、関係法令等及びセンターの指示に従い、速やかに廃棄処分の適正な措置を講じるとともに、空容器を廃棄するときは、人の健康及び生活環境等に影響が生じないように措置しなければならない。

(管理計画の策定等)

第17条 総括責任者は、化学物質等の管理の方針を定め、当該方針に即し、具体的な目標及び方策を定めた管理計画を策定しなければならない。

2 部局等化学物質等管理責任者は、前項に規定する管理計画に従い当該組織区分において化学物質等の管理を行う。

3 部局等化学物質等管理責任者は、総括責任者の指示のもと、管理計画の実施状況について調査し、その結果を総括責任者に報告しなければならない。

(指定化学物質等の取扱量等の把握等)

第18条 学長は、指定化学物質等及び地方公共団体の条例等の規定に基づき定められた指針による化学物質の排出量及び移動量を把握し、PRTR法及び地方公共団体の条例等に基づく所要の報告を行わなければならない。

2 部局等化学物質等管理責任者は、指定化学物質等の管理の改善に資するため、指定化学物質等の取扱量(購入量、合成量、使用量、保管量、廃棄量等。以下同じ。)並びに指定化学物質等を取り扱う施設及び設備の設置、運転等の状況を把握しなければならない。

3 指定化学物質等の取扱量の把握の方法並びに報告書の作成及び報告手続等については別に定める。

(指定化学物質等の性状及び取扱いに関する情報の収集及び活用)

第19条 総括責任者は、PRTR法第14条の規定に基づき提供される指定化学物質等の性状及び取扱いに関する情報並びに利用可能な文献等により、取り扱う指定化学物質等の管理の改善のための技術及び手法に関する情報の収集に努め、当該情報のデーターベースの構築その他の適切な情報提供手段を講ずることにより、化学物質等を取り扱う者に対してその周知徹底を図るとともに、当該情報を利用し必要な管理対策を実施しなければならない。

(管理対策の実施)

第20条 部局等化学物質等管理責任者は、前条の規定による情報に基づき、当該組織区分で取り扱う指定化学物質等の有害性、物理的化学的性状、排出量並びに排出ガス及び排出水中の濃度等を勘案し、適切な手法により、次に掲げる環境保全上の支障を未然に防止するための管理対策を実施しなくてはならない。

 指定化学物質等を取り扱う施設及び設備の損傷、腐食等による指定化学物質等の漏えいの有無等について定期的に点検し、その結果異常が認められた場合には速やかに補修その他の必要な措置を講ずること。

 指定化学物質等を含有する廃棄物の発生抑制等に努めるとともに、当該廃棄物の処理に当たって東京科学大学廃棄物管理規程(令和6年規程第28号)の定めるところにより適正な管理に努めること。

 指定化学物質等を取扱う施設及び設備について、取り扱う指定化学物質等の性状及び研究室等における取扱い実態に即して、漏えい、揮発、浸透等に対する措置を講ずることにより、指定化学物質等の大気、水及び土壌への排出の抑制に努めること。

 指定化学物質等の回収及び再利用を図ること。回収及び再利用が難しい場合については、指定化学物質等の使用の合理化を図ることに努めること。

(近隣住民への理解の増進)

第21条 学長及び理事・副学長は、化学物質等の管理について、近隣住民及び周辺地域の理解を深めるための適切な措置を講じなければならない。

2 総括責任者は、近隣住民への理解の増進に必要な情報を適切に提供するための対応に当たるものとする。

(雑則)

第22条 この規則に定めるもののほか、この規則の実施に関し必要な事項は別に定める。

1 この規則は、令和6年10月1日から施行する。

2 国立大学法人東京工業大学における化学物質等の管理及び化学物質等の取扱いによる健康障害の防止に関する規則(平成16年規則第117号)は、廃止する。

東京科学大学化学物質等管理規則

令和6年10月1日 規則第23号

(令和6年10月1日施行)

体系情報
東京科学大学/ [全学規則]/第4編 環境・安全・防災
沿革情報
令和6年10月1日 規則第23号